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ホン雑記 Vol.114「奥義・超孤独」

十数年前から身につけた、対苦痛用の技がある。
苦痛と言ってもメンタル的なもの… つまり、悲しみ&寂しさ&恐怖感などのことだ。


それは、世界が、宇宙空間に自分の脳ミソだけがポツーンと浮かんでいるようなものだと思い込むのだ。
いや、逆に自分の脳ミソだけが宇宙空間=森羅万象だと思い込むのか。

前にも書いた気がするが、生命の最大の苦しみは「生老病死」の四苦の中にはなく、「孤」である。
なのに、自分の脳ミソ以外に何も存在しないと思い込むのは「孤」を感じそうなものではないか。

ところが、これがそうでもない。煌びやかに見えるアイドルも(なんでアイドルが出て来るんだ。推しメンとか居ないんだけど)、自分の脳ミソの中にしか存在しない。

人間が神を創ったという意見は支持してないが、それでもオレから見ればオレの脳を通してしか世界はオレに映らないので、オレが死ねばオレの中のそのアイドルは消える。当たり前のことをしゃべっているなこれ。


「孤」は、自分以外の物&者が「孤」ではないのだと知った時に訪れる。イヤな言いかたになるが、自分以外の人間が自分より孤独そうにしていたら、孤独は感じ得ないのだ。
「自分以外」の中には、過去の自分も含まれる。愛を経験して、それから失っても、他人の不幸に関係なく孤独を感じる。

宇宙というステージに自分しかいないのなら… いや、そのステージすらも自分だと思うなら、意外と孤独は感じないものだ。
まぁ、考えられる最大級の孤独を経験していないので、なんとも言えないが。

しかしあれだな。
こうして文字にしてみると、なんとも胡散臭いもんだ。


こんなゲームを、こんな技を練る前から、数十年は続けている。
軽々に口にしていいことではないが、誰より死を、別離を恐れている。
本当に、生まれるだけは生まれて、(肉体的な意味以外でも)死なない方法はないのかと、思いあぐねた。
しばらくして、それが不可能であることは、皮肉にも自分で思いついた「左端はあるけど右端はない棒は存在し得ない」という思考実験によって証明されてしまった。

あぁ。オレの精神は、こうしてずっとしんどいままなのだろうか。
そう思っていたが、ここ最近になって随分と楽になってきた。いや、楽になったという感覚よりは、反転したという感覚に近い。
しんどさがあったゆえに、それ自体がしんどさを消しているという感じだ。回りくどい言いかたをやめるなら、そう、飽きたんだろう。

そんなバカな!
悩みや苦しみは、飽きるような類のものなのか。それが意外に「そんなバカな」なのだ。

同じ苦しみの連続は、肉体にせよ精神にせよマヒ効果があるのだろう。幸福で考えれば瞬時に分かるが、最初と同じ幸福感が続くことなど、よほどの例外を除いてない。
不幸のほうも、同じ強さのものが続けば、慣れる。
ただし、自分がその方向に向かいたければ、だ。

劇薬的発想かもしれないが、何十年も心が元気にならないなんてのは、自分で好きこのんでやっている。そういう人は自分の不幸と、処方された精神薬の量をいつも数えている。し、情報としてアウトプットしている。そうやって病んだ自分をせっせと固定化している。

そりゃぁ、ずっと治らんわな。



今では人並み以上に、死への恐怖は減っているような気がする。

あれ。
そう言えば、結婚当初にあった幸福感はまるで減ってない。




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