ホン雑記925「雨後の鍵盤」

この3日ぐらいは距離を半分にしてたけど、今日から朝散歩を本格的にやめてみた。
そしたら書くネタがなーんも出てこない。し、「今日こそは絶対9時までにアップするぞ感」もどっか行ってしまった。ま、いつもできてないんだけどさ。

こ、これは良くない。相当良くないぞ。いまこの雑記の存続すら考えてしまった。やっぱ人間ってのはアレだな、思ったほどものごとを考えてないんだな。肉体や規則やしがらみや世間体といった、「側」があって初めてスタートできるんだね、ものごとは。
散歩しない理由を探しはじめた時点で、そりゃもうなんにも考えもせずに靴を履くべきなんだ。鍵盤練習最低限2時間の日課が定着してきたんで、そんなもんは大丈夫だろうと、自分の行動は自分で制御できるんだろうと思ってたけど違ったわ。自分を高く見積もりすぎたわ。

鍵盤のほうはもう2カ月ほど2時間を達成できてるけど、これはすでに「好き」のほうに入って来たからほっといてもやれてるんだな。
最初は2時間て苦痛だったよ。しかも9割は基礎錬。指をチマチマチマチマイライライライラと動かしてるだけ。なのにいまじゃ2時間じゃ足りないくらいだ。

ついでに言うと、オレはこの数十年歯を磨かない人だった。いま考えたらキッタねーな。
そのことを前の会社のパートさんに言ったら（言うなよ）、脅されてなんとかハミガキが定着するようになった。もう3年以上は定着してるか。
その人がたまたま、その職場では一番シャレオツというか、オンナ捨ててない感じのご婦人で、3カ月に1度の歯医者は当たり前（虫歯もないのに何しに行くのん？　って思って聞いてた）、たまに歯茎すらめくり上げて掃除してもらう（何それ怖すぎるそれ地球上の話？　って思って聞いてた）なんて言うような人だったんで、「歯ボロボロになりたくないからねー」のひと言が鬼のように突き刺さったのだ。
やっぱり、「はっ！」としたり、ゾッとしたりしないと、長年の習慣はなかなか変わらんわねー。

あー、そうそう。思い出した。話変わるけど、嫁から解禁のお達しが出ました。
ちょっと前に、嫁が病気してへこんでー、泣いてー、って話してたけど、具体的な病名はブログに書くなって言われてたわけ。
こないだ「まだ言うたらあかんのん？」って訊いたら「とうに書いてると思ってた」って言われた。前はあかんて言うたやん。

で、その病名がですねー、ザララーッ…（ドラムロール音）

ジャン！
乳がんでしたーっ！

もういまは初期のちっこいがんも取り去って、1カ月の間浴びるほど放射線を浴びて（浴びてるのか）、今後10年間比較的がんになりにくい薬を飲むだけなんで、たぶんいまはがん患者ではないと思うわけですよ。

ということがあったもんで、まぁ、3カ月前は恐れおののいたのだね。ふたりして。マジで頭ん中で「がーん」なんて鳴るもんだから、いや笑えねえよって思った日々だったなぁ（遠い目）。

で、嫁は（もちろんオレにも多少あったが）死そのものの恐怖を、オレはふたりが宇宙空間の中に放り出されたような「孤独」の恐怖を、まーぁ鬼のように感じたわけ。老人の寂しさがどれほどのものかと一瞬で悟る感じだ。
オトンが自死こいた頃に、クイズ番組見ててオカンと嫁（その時はまだ彼女です。てへへ）が笑ってるのにオレだけまっっっっったく笑えない、あの筆舌に尽くせぬ地獄のような孤独。あいつがまた襲ってきて、「う、うわぁ～～～～～っ！！！」ってなって、いまありがたく鍵盤の虜にさせていただいておりまするー。
何かしらすがるもの、夢中になれるものが欲しかったんだね。それは本やゲームや映画じゃダメだった。やっぱ「遊んでる」ってイメージがあるし。多少なりとも、ひょっとしたら未来の糧の種になるのでは？　というものしか救いにならなかった。

ハロワ行けよって？　まぁね～。それが一般的には真っ当なんだけど、どう考えたってそれはオレのやるべきことから、ズレてるような気がした。そんな精神状態の時でさえ。
それはまるで、風邪ひいた時に手筒花火持たされるような感覚。いやたしかに部分的には度を超してあったかーくしてくれるんだろけど、オレのお布団それじゃねーんだよっていうかさ。ズレすぎだよって。やっぱりオレのお布団は音楽だったんだな。
だから鍵盤弾きの暮らしが、伊達や酔狂ではないんだと思うんだよね。ま、どうなるのかわからんけどね。

B'zの歌に「アタマに脂肪がついてくる～」って歌詞があったけど、普段はそれがこびりつきっぱなしなんだろうね。オレみたいな怠惰なヤツは余計に。で、ヒヤッとした時に一時的にその頭油がチャッチャ系されて、本当にやりたかったことが見えてくるのかもしれない。

これ、ホント一時的なんで、もう助かってきたから辞めようかな、は絶対やめたほうがいいんだ。
オレはすぐブヨブヨしてくるしな。喉元過ぎるのが早すぎるんだよな。
ま、おかげで、今日まで生きるほうを選び続けてこられたわけだが。

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【今日の過去詩リーズ】