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歌が上手いとはどういうことか。

やってしまうのかい。
素人のおまえが、とうとうそれを決めてしまうのかい。

これね、意外と勇気要るね。
なんでかってーと、今から挙げる人はみんな、自分の8兆倍ぐらい上手いわけで、そこに向かって「いやコイツたいしたことねーよ」なんて言ってくんだからそりゃビビっちゃうよね。
ならやめとけよ。

とはいってもね、チマタでウワサの「○○が思う歌の上手い人ランキング」みたいな番組で、どーーー考えてもおかしいわっていう順位があったりすると、音楽家のハシクレのハシクレ(ホントに端なのでYouTubeに上げてるのとか聞いて戻ってきて「おまえもヘタじゃねーか」とか無しでヨロシコ)としては黙っちゃおれんわけよ。みんながこれ信じちゃったらどーしてくれんの? みたいなね。
どーしてくれんのって、ま、オレ部外者だし関係ないんだけどさ。

じゃ、テキトーにのたまってくわ。
長くなってすんまそん。


歌のうまさとは

これ、意外と定義付けを聞いたことがないんだけど、勝手にこっちで定義しちゃうわ。すまんね。

これはもういろんな「上手い」の要素があるんだけど、個人的にそれらは順位付けできると思ってるんだな。
つまり、「こういう上手さならこの人だよね」とか「このジャンルならこの人」とかはないと思っている。全部同じ線上に並べられると。

その要素の順位付けというのが、

1.音程(ピッチ)
2.音量(声量)
3.リズム
4.音色(声色)

で、これらの要素を意のままにコントロールできることが、イコール歌の上手さである。
簡単に言えば、歌い手をひとつの楽器として見た時の、性能の高さ&ミスのなさとも言える。
ドの鍵盤を弾いて、レの音が出るようでは話にならないわけだ。それについで音量、リズム、音色のコントロールと続く。
2と3はかなり近いところにあって、甲乙つけがたい要素だとも思う。

で、世の中的には2の音量が結構重要視される。それも当然で、一応プロミュージシャンたる者、音痴というレベルの人はいないので、一般人はそこで判断するのが分かりやすいからだ。

が、何度も言うが、歌の上手さの絶対条件はとにもかくにも「音程のコントロール」である。ドの鍵盤…もうええか。
オレは一応電子楽器畑なので、シンセなどの音源で曲を作る時に、選んだ楽器ごとの音程の微妙な狂いが気になってそれを数セント単位(半音=100セント)で修正することもあるせいか、たいていの歌手のピッチのズレは気になっている。

とはいえ、オレも2の音量の大きさにはだいぶバイアスがかかっている。これも逆にまた当然で、いくら音程が命とはいえ、ラの音が440ヘルツなのか442ヘルツなのか気になるというような人はいないと思われる。程度問題というわけだ。


好き嫌い

で、素人さん(おまえもな)は、歌いかたの好き嫌い、ヘタすると人の好き嫌いまでが上手い下手の聞こえ方に影響を及ぼしてしまうのがネックだ。
歌いかたも上の4要素で説明できるけど、一番影響を受けるのは4の音色のコントロールだろう。クセといってもいい。
ピッチもあってて声量もあるのに、なんか「オエオエ」いっているような人がこれに当たる。全員ではないが、オペラ歌手の中に結構いる。
今はしらんけど、工藤静香なんかがオレにはそう聞こえていた。こっちもオエオエなる。
逆に美空ひばりなんかは、結構音色変化があるんだけど、気持ち悪いと思ったことは一度もない。むしろ気持ちいい。やりすぎかどうか、音色変化のコントロールの上手さが雲泥なのかもしれない。

1の音程の対極には鈴木亜美が、2の音量の対極には倉木麻衣がいる。対極であって、ヘタとはひとことも言っていない。

あと、声のツヤとか伸びとか、表現力とか、あるいはよく分からんけどそれ以上にメンタルチックな何かは、だいたいは2の音量と4の音色の組み合わせによって表現されている。
喉を締めてみたり、(男性は)オペラチックな声に寄せると上手く聞こえる傾向にあるのもこのあたりの話。

それと、ホントに正確な歌の上手さは、自分の目の前でアンプラグド(非電力)で歌ってもらわないと分からない(それでもほぼほぼ分かるのでこうやって書いてるわけだが)。


声楽家190人の選ぶランキング

早速列挙していってみよう。

1位 MISIA
2位 玉置浩二
3位 島津亜矢
4位 Superfly
5位 新妻聖子
6位 井口理(King Gnu)
7位 小田和正
8位 宇多田ヒカル
9位 氷川きよし
10位 久保田利伸

うーん、個人的には4割ほどは心外だわ。ただ、こういうランキングを見る前から、個人的ランキングに島津亜矢を入れてたんで、そこは「おーっ」とは思った。声楽家、なかなかやるじゃん、って。

続きは、11位が平井堅だったりするんで、そのへん見た時に「こりゃダメだ」と思ったね。12位の広瀬香美よりも上だからね。

宇多田ヒカルもちょっと、だいぶキツイな。最初の頃は、せめて上手く聞こえるようには歌えてた(ややこしいな)のに、最近のライブのはまぁだいぶ…… だな。
ってか、この人が上手く聞こえる人がホントに多いのは不思議。まさか宮迫の発言に引っ張られてないよね? 平井堅もそうだけど。

小田和正は個人的には歌声好きだけど、こんな上位にはいない(笑) 声色の良さに引っ張られてないよね? 声楽家。


音楽のプロ200人が選ぶ本当に歌が上手いランキング

1位 玉置浩二
2位 久保田利伸
3位 Superfly
4位 夏川りみ
5位 吉田美和
6位 宇多田ヒカル
7位 福原美穂
8位 井上陽水、EXILE・ATSUSHI(同票)
10位 布施明

こっちは全体的にはなんとなく分かるんだけど、宇多田ヒカルと井上陽水が邪魔してるわ。こっちも、これを見る前からオレ的ランキングに夏川りみがいたんで納得してたんだけど、このふたりがなぁ…。

福原美穂でランキングの信憑性がだいぶ上がるおかげで、逆にそのふたり上手いと思っちゃう人出てくるよなぁ。いや、ヘタじゃないんだけどね。でも、だいぶ差あるわけでね。上手いのとヘタじゃないのって。


オレ的ランキング

順位は付けないけど(考えるほどバイアスかかってくるんで)、上のほうの人が上手いと思ってるんじゃないかなランキング。

玉置浩二
鈴木瑛美子
クリス・ハート
Superfly
島津亜矢
夏川りみ
吉田美和
手越祐也
石川さゆり

もうちょい出るんだろうけど、考えるほど分からんくなってくるんでこのへんで。

玉置浩二は、ピッチはもちろんトップクラスで、声量は世界レベルでもトップクラスなんじゃないかな。
オレが発声をマネしようとして、声量においてまったくウマくいかなかった人の中ではダントツ。

松崎しげるなんかは、声量がある時はキーも高く、マネしてある程度近づく感じはある。(ある程度であって、まったく声量は違う)
ところが玉置浩二は、ささやく感じのところや、低いキーでの音圧が異常で(低いからこそ音圧が強くなる部分もあるんだけど)、その歌いかたと音高から出る音圧に思えないのだ。
これが声量と音量の違うところなんだろうけど、たとえマイクを通していても、スピーカーの音量を下げても、伝わってくるものが尋常じゃない。音圧をマネしようとした時のスッカスカ感ったらすごいのだ。ナニコレ珍百景。

のちに、德永英明が玉置浩二のマネをして声量稼ごうと思ったけど、まったくダメだったと言ってたのを知ってオレは喜んだ。

玉置浩二と言えばフェイク(節回し、装飾)が秀逸と言われる。
もちろん他に挙げた人たちも同様に上手いんだけど、彼のそれは「あぁ、音楽家なんだな」と思わせるところから来ているような気がする。
天性のボーカリストではあるんだけど、同時に作曲家の才能が出た上手さというかね。これはなんとも説明しづらい(笑)
初めて聞いた曲にすぐ付いて行ったり、それをさも自分が作ったかのようにフェイク入れながら歌うところなどに垣間見える。


鈴木瑛美子は、『関ジャニ∞のThe モーツァルト 音楽王No.1決定戦』で出てきた若い子。
この人はバイアスがかかって2位の可能性がある。下からのじゃなくて。
玉置浩二を2位にしたくないのかもしれない… とまでは言わないけど、同レベルにいる。

上手い下手の判断がしにくくなって、楽器としての「性能の高さ&ミスのなさ」で考えたが、どの音源を聴いてもケチをつけるところがまったくない。音程と声量、バケモンです。センスも。


手越くん、意外でしょう? 彼もいくつか音源を聴いたけど、おかしなところがまったくない。一緒にYouTube録ってたユニークなボイストレーナーは結構音外すけど(誰が聞いても分かるレベルで)、オレが聞いた中では手越くんのはそういうのがない。
オレもなんやかんや言って音量&音色バイアスかかってるんだろうけど、もうちょっと低音が効いてたらもうちょっと上かもしれない。
ランキングに男性歌手が少ないのは、玉置浩二の音圧と比べてしまうせいか。


番外編

歌の上手さに属性はなく、一直線上に揃えられるはずなんだけども、それでもちょっと番外編。

麻衣
久石譲の娘さん。ナウシカの「ランランララランランラン」の人。音量変化なし、ビブラートなし、技術未使用で、音程コントロールだけで言えばトップレベル。
この人に限ったことじゃないけど、今まで書いたことは、ピッチの修正(音痴が音痴じゃなくなる)をかまされてると水泡に帰すので、それは使ってないだろうという前提で書いてる。
それほどこの動画に関してはピッチが完璧。ライブだからズルしてないとは思うんだけど。

ビブラートってやつは上手く使えると、歌がワンランク上手く聞こえるってのもあるんだけど、もうひとつ、ピッチを安定させる効果もあるのだな。
ビブラートは、言ってしまえば音程を波のように上下に揺らして目当てのピッチから外しまくってるわけだけど、その波の中間ぐらいを人の脳はキーだと受け取る。それプラス、揺らしてる間に何度も中間をテストしに行けるわけで、音程を取りやすいのだ。さっきから無意識で音程とピッチと使い分けてるが、まったく同じものですスイマセン。
絵で言えば一発描きのようなものがノンビブラートだ。このへんはちょっとややこしい話なのかもしれない。し、絵のたとえで余計ややこしくしたかもしれない。


小林幸子
コブシバケモン。音程や音量は普通(演歌歌手の中で)だけど、コブシがバケモノ。逆にもうあまりコブシは回っていない。やっぱり普通にランキングに入っても全然いいな。
どっちだよ。分からんくなってきた。

彼女においては、同じメロディーを歌うことすらさせてもらえない。
井口理(King Gnu)や 藤原聡(ヒゲダン)のそれは、分かってるんだけど、速くてとか音程取りにくくて歌えない感じ。

が、小林幸子の場合は、そもそも何がおきているのかさえ分からない。メロディーラインの正確な耳コピができないのだ。再生速度を25%にして何回も聴いたが分からない。まるでコブシの中にメロディーラインがあるようだ。
ってなわけで、本人以外は簡易版の「おもいで酒」を歌っている。


最後に

上でも述べたけど、こういうのはやっぱ個人のバイアスがかかるな。

ピッチの補正がないことが大前提だし、もっと言えば脳裏にその人が浮かばないとダメなわけで、あとから「あー、その人のが上手いかも!」なんてことはあるかもしれない。
宇多田ヒカルや平井堅なんかは「歌の人」ってイメージや、知名度で浮かびやすい。逆に八神純子なんかは、あれだけ上手くても浮かびにくい。

それと、同じような上手さであれば「やれることの多さ」も評価の基準になると思う。4つの要素が完璧でも、速い曲では急に下手になってくるとかではちとよろしくないわね。何様だおまえ。

出したい音を、思い通りの場所へ、思い通りの高さ&音量&音質で出せるのが歌の上手さだろう。繰り返しになってるが。
スピーディーな音程のコントロールなんかは、ヨーデル歌手がダントツということになる。

ここまでに書いたことは、個々人が感じる「いいわぁ~」とはまったく別ものだ。もちろん、ある程度の歌の上手さがないと「いいわぁ~」を感じにくいというのはある。
が、ムチャクチャ上手いMay J.のCDを買いたいとは思わなくても、上手くもない真島昌利のキッタナイ声はオレにとっては攻撃的で心地いいのだな。ディストーションギターのようなね。
最近では優里の声が好きだ。なんか口から武器でも出てるんじゃねーのかそれ、っていう声してる。サイコーだ。
ってか、今思ったけどふたり顔似てんなコレ。



さて、オレの中で世界一歌が上手いと思うのはこの人、ディマシュ・クダイベルゲンだ。カザフスタンの人らしい。

ってか、つい最近知った。

ちなみに、高音がバケモンなのは全然歌の上手さには入れていない。同じ音源を持った76鍵のキーボードと88鍵のキーボードでは、どっちが音のコントロールにおいて上手いとかはないからだ。玉置浩二もレンジはそれほど広くない。
とはいえ、人の場合は何度もその音域にアタックしてる(練習量が多い)ので、高音がすごいけど下手ということはあまりないか。


ディマシュ氏のバケモンぶりは比類なき音程コントロールで、
1:25~1:32
4:58~5:07(特に秀逸)
6:38~6:48
あたりによく出ている。

なにぶん、キーが高すぎるのでそこに気を取られるのと、高すぎて音圧がググっと下がってしまうのはある。
が、このキーでは普通、正確な音程コントロールも怪しくなり、ビブラートのオンオフすら難しくなってくる。



つけ加えておくと、オレは曲を作ったり歌ったりする人の中では、おそらく日本一、人の曲を聴いていない。一般人平均より遥かに聴いてないと思う。あまり音楽に興味がないのかもしれない。
なので、今日の記事は「オレが知ってる人の中で」という条件付きだ。
まぁ、だいたいその条件か、誰がやるにしても。


ふぅ。聴きながら書きながら半日費やしてしまった。頭が痛くなってきた。
では、また明日。




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