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ホン雑記 Vol.208「美人は読まないでください」

オレは美人が好きだが、同じぐらい嫌いだ。

自分のちょっと前までのお金に対する、そしていまの食べ物に対する立ち位置に似てるかもしれない。


自分の中の女性的な部分も、そして男性的な部分でさえも、美人をあまり好ましく思わないところがある。
それは嫉妬心に近いようで、そのくせ教祖のようなハメ込み側の思考(一絡げに邪推しすぎ)が邪魔(つまり自分もそうだと思っているから?(どんな僭越な自尊心(いや顔の造りは関係ない)))だと思っている、ってことは手に入らない酸っぱいブドウ症状ではなさそうだ。

食べ物に対する立ち位置に似てるというのは、なかなか言い得て妙、どころか完璧だ。

もういまとなっては餓死することないように栄養補給のためだけ、車でいえばガソリンのような、入れるのがメンドくさいだけの対象でありたい。
おいしいものは食べたいけど、そんなメカニズム自体がもう要らない。時間も金も無駄になるし、無駄どころか、生命誕生以来ずっとあった飢餓の問題がこの50年でとうとうなくなって(いまも飢える人がいるのは飢えない人のすべてが配ってないからで)、生活習慣病なんていうマイナスのものまで連れて来てしまった。10年後にはアメリカ人の半分以上が「デブ」の仲間入りをすると言われている。つまりデブは逆にいなくなる。

美人もそんな感じ。見かけて「おっ!」と思っても、クソの役にも立たないではないか。
なぜ美人を見て「おっ!」と思うのかと言えば、なるべくシンメトリーであったりといった、いわゆるイビツな状態から遠い外観の子供を望むためで、もうオレに必要なシステムではない。

なんかそのへんのメカニズムがホントに邪魔だと思いはじめて、万能の嫁ちゃんに質問してみた。
「自然や芸術を見て感動する心だけはそのままに、美人を見ても石ころを見るようになんとも思わない脳を手に入れる方法ってないのかなぁ?」
もう数日は考えあぐねていたし、ふたり寄れば文殊の知恵のミニチュア版ぐらいにはなるかと思ったのだ。

「それだと赤ちゃんを見た時の『可愛い!』も一緒になくなるよね?」
「あ、そーだな。うーん、まぁいいやなくなっても。子供いないし」
「え、それだと『しもぶくりん』見て可愛いって思わなくなるよね? そもそもすぐ飽きるんだから、どうでもいいって言い出すんじゃない?」

ハッ!!?

くっ、なんなんだコイツは。普段すんげーアホのクセに。こういうとこあるな。
否。断じて否。しもぶくりんを見るたびに心がにんまりするこの感情がなくなるだなんて。あぁ、どうしたらいいのだ、オレは。
すると嫁は「しばらくのお時間をください」と言ったあと、
「とりあえず好きなことで埋めなさい」
とご指導くださった。



4年に1回ぐらい、イタコのように聡明な人が入り込む時がある。

あぁ、でもやっぱり嫁の「おいしいね」は不可欠だ。おいしいも要るわ。




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