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散文日誌「種々雑多」2022/04/23

さっき、胸張って歩く月給取りの男のひとを見た。自信、自信…という香水を振り撒いて、いかにも脱いだら凄いんです!という感じの人だった。余程自己肯定感満載の人なんだろう。私とは水と油。口癖は、「はい論破!」。勘弁してくれ。そういう人の下には絶対にいたくない。失敗した事無さそうな顔つき…。どちらかと言えば冷たそうな人だったから。

こんなふうに我々は人を見た目で判断してしまう。あまりいいことではない、と私は思う。確かに見た目怖くて近寄り難い人や、その筋の人のようにそもそも近づいてはいけない人もいる(まあ、その筋の人達は、自分がそうであることを隠して近づいてくるので、気をつけなくてはならないのだが)。しかし大方の人間は、見た目で判断してほしくないと思っているだろう。そうは言っても社会通念上見た目で判断されてしまう。それ故に男の人は、自身の身体を鍛え、いわゆる「細マッチョ」を目指し、ジムに通う。そして、顔に化粧水など塗り、ばっちりスーツで決めて、「ちびまる子ちゃん」の「花輪くん」ばりにオフィスに登場する。

一方の女性は、お着替えをして、ナチュラルな顔に見えるように懸命に顔に化粧水、乳液、美容液、クリーム、日焼け止めを塗り、その上に、艶の出るファンデーションや、血色良く見えるチーク、シミを目立たなくして、より美しくみせるハイライト。瞼には、華やかなアイシャドウ。眉毛も整えて、仕上げパウダーをくっつけて完成。お洋服に合わせてバッグもチェンジ。バッグの中身はバッグインバッグに入れておけば入れ替え完了。靴も履きやすい高さのヒールで行ってきますってか。

バッグインバッグ

バッグインバッグを使うと忘れ物は少なくなるが、整理し過ぎて、あれはどこへ行った?となるので、ポケットは多過ぎず少な過ぎずが良い。整理ができる女子はやっぱり清潔感があって、男子にとっての印象はよいと思われる。例えば、このくらいのポケットの量なら、物をなくす事はないと思う。

このくらいのポケット数なら無くしにくそう

話がずれたが、身なりが、美しいと思う人は、やはり、社会的にも認知されやすいし、それなりの地位もあるのだろう。しかしながら、そのためには、心は厳しくしなくてはいけない場面もある。その厳しさが、時に人を、あるいは自分自身を追い込むこともある。適度な厳しさと、適度な優しさ。その双方を持った人間は、なかなか上に上がれない。…いや上に上がれなくても良いのだ。自らの仕事に対し誇りを持って対峙できる人間。そして、疑問に対してきちんと解決しようとする。それが、カッコいい人間であると思う。何故なら、自分自身の考えをしっかり持っているからだ。

人がそうするから、自分もそうする、とすぐに他人のやり方や意見にたなびく。それが決して悪いわけではないが、万一、危険な指導者が彼らの心に訴えかける美辞麗句を並べ、彼らをそちらに引っ張るようなことがあったら、それは良く自分自身の行動や考えと話し合うべきだ。そうだ、他人軸で私は生きていないだろうか?そうやって楽をしてはいないだろうか?自分自身の考えはどうなんだ?逆らって殺されるくらいなら、この世界から抜け出せば良いのだけれど、その勇気がない…。何故?お金が欲しいから?でも実家暮らしでしょ?引きこもりたくないから?まあ、せいぜい考えてくれたまえ。

人は見かけによるようで、やっぱり寄らないんだな。さっき見かけた自信有りげな男の人も、もしかしたら、ガラスのように今にも壊れそうな心の持ち主が、虚勢を張ってるだけなのかもしれないな。昔の自分がそうであったように。

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