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貯無坊レポート

仕事中、いつものように麻雀王国と雀サクを眺めてたら栗原市の雀荘を見つけました。

昭和の場末の臭いがムンムンします。

栗原市は宮城の北部の市で、東北新幹線の「くりこま高原駅」が有名です。

雀サクで「フリー」の文字を見つけたので電話してみたら、「三人打ちの変則ルールのスポーツ麻雀だよ」と回答が。

早速行って来ました。

ドアを開けると60くらいの桜井章一に少し似た渋いマスターがいました。

「ああ、電話の人ね。今二人来るからね」

そういって100円を渡されました。

これでお茶飲んで待っててよ、と自販機でお茶を買いました。

店内の張り紙を見て...

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東天紅でした。

マスターにスポーツ麻雀てなんですか?と聞いたら、スポーツ麻雀ではなく「スピード麻雀」とのお答えが。うちの麻雀はテンパイまで早いからね!だそうです。

初心者の人はすぐには打てないから俺の後ろで見ててよ、ルール説明表とか複雑すぎて作れないんだよねーとのこと。

それでもルールについて色々と質問しました。

マスターは東天紅という呼び名は知らなかったそうです。

〈ルール概要〉※ベースは東天紅

一点100p

三人打ちのアリアリ

1~9万、北がガリ、カラスは100点

ドラ表が字牌だと点数倍

オールスターは30点

ゲーム代はロン100p、ツモ200pを上がった人が払う

ルールを把握したころ人が揃いました。

境勝太郎調教師にそっくりなおじいちゃんと60歳くらいの優しそうなおじちゃんが来ました。

早速スタートです。

割った山から25トン目がドラになるのですが、僕は最後まで出来ませんでした。

三人はヒョイヒョイめくります。

配牌で大体5枚くらいはマンズと北があるのでガリを抜く時間が結構かかります。

そうして順目が進み、最初の上がりが。

「ツモ。発、赤、ドラ、バンで18点」

抜いたマンズと北で12点、発1点、ドラ1点、赤3点、場ゾロ1点でした。

マスターへ二人から18pが支払われます。

紙ペラ2枚ずつ払い黒チップ2枚ずつバック。

一局で36pの収入です。

四人打ちの東南戦テンゴトップで25pくらいですから、めちゃくちゃ刺激的な戦いです。

僕が打ったことのあるフリー雀荘で一番高いのはマーチャオのAなので、これは相当動くな、と冷や汗が出てきました。

財布のなかにはゆとりをもって茶色の紙が6枚ありましたが、これは全然足りないかもしれない...と心拍が上がりました。

マスターが「全然分かんないでしょ?まあもう少し見ててよ」と。

東天紅はセットで2回ほどやったことがあったので、なんとなくやり方は掴めましたが、正直びびってしまってたので、ありがたく後ろ見を継続します。

一時間ほど経ったころ、「マスター、そろそろ打たせて貰っていいですか?」と聞くと「大丈夫?もう少し見てなよ」との回答が。

どうやら負けててアツ続行のようです。

そうして更に一時間ほど経ったころ、マスターが結構浮いてきました。そしてマスターが「じゃあ練習ってことで打っていいよ!ポイントは俺の使っていいから」と席を譲ってくれました。

席はともかくポイントはさすがに気が引けますので、断ろうとすると、「いいからいいから!気にせず打ちなよ」と。

恥ずかしながらマスターの好意に甘えて打たせて貰いました。

緊張の中スタートです。

場末中の場末なのでマナ悪行為の披露会でした。

無発声、先ヅモ引きヅモ、三味線、リーチ後後ろ見と何でもありです。

しかし何故か6枚切りだけは頑なに守ってました。

最初の5局は全て支払いでした。

4順目にメンホンチートイを打ったときは眩暈がしましたが、ガリを抜きまくっているので順目なんて関係ありません。

とにかく最速でテンパイまで辿り着くのが最優先です。

それはおじいちゃん達もよく分かってるようで、迷彩とか先切りとかはほとんどしてきません。

ここまで愚形リーチをバンバンかけるおじいちゃん達を見るのは初めてでした。

さて、最初の5局で150pほど吐き出したと思います。

マスターには申し訳ないですが、心から助かったと思いました。

「これ自分のお気持ちで打てるのか...?」とめちゃくちゃ不安になってきました。

そんな中ようやく初上がりが生まれました。

「ツモ!えーと、平和、イーペーコー、赤、ドラ...」ともたもたしてると勝太郎が「あーいいからいいから」とカウントを始めました。

「はい23点ね」と紙とチップを投げて来ました。対面のおじいちゃんも同様に投げて来ました。

とりあえず初収入です。

マスターのお気持ちだけでも回収しないと...と思い、懸命に打ちました。

どうにか170pほど戻しました。

その時点でマスターが一旦ポイントを回収しました。

マスターから「大分分かってきたね!じゃあ100p出して」と言われ、茶色の紙を出しました。

「俺のお気持ち100pとアンタの100p、合わせて200pで打ちなよ。浮き分と負け分は折半ね」と言われました。

日和ってたのでありがたい申し出でした。

そうしてようやく自分のお気持ちでスタートです。

上がったり上がれたりを繰り返して、20pほど浮いていたと思います。

そんな中、ドラが白になりました。

点数が倍です。

そのときはあまり気にして無かったのですが、自分の手ががこんな形になりました。

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ド勝負手です。

ガリでr5mを抜いてます。

上がれば30点です。

めちゃくちゃドキドキしました。

ツモる手に力が入る...

棒四本...!!

4sでした。

「ツモ!えーとタンヤオ、ピンフ...」

勝太郎がイラつきながら「あーいいから」とまたしゃしゃってきます。

僕もかぞえたいのに...

「ガリが8点、タンピンイーペーツモで7点、赤3で30点、45点の倍で90点ね」

二人で茶色の紙を投げて来ました。

青白い紙を二人へ投げ返します。

ひと上がり180p。

本日最高の脳汁ポイントでした。

マスターはもう後ろから離れて競馬に夢中でした。

そこをピークに後はズルズルとポイントを減らしていきました。


そうして午後7時まで打ちました。

結局マスターと折半で50pほど浮きました。

「どうだった?四人打ちより面白いでしょ?」

「はい、めちゃくちゃ面白いですね!」

率直な感想でした。

このルール、本当に面白いです。

普段ピンでもちょっと高いと思ってる僕からしたら、めちゃくちゃ恐ろしかったですが、とりあえず勝てて良かったです。

独身だったら相当通ってしまってそうです。

お気持ちにゆとりがあるとき、また挑戦しようと思います。

最後まで読んで頂きありがとうございましたm(__)m



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