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グループ会社の若手から見た、クリエーティブ・プロダクションの現場(前篇) #出向者インタビュー

電通クリエーティブX 広報チームです!
(社名の「X」は「クロス」と読みます。以下、クロス)

記念すべき初のインタビュー記事は、クロスの社員ではなく、同じグループ会社のひとつ、電通クリエーティブフォース(以下、フォース)へ新卒入社した4年目の尾島理紗さんと橋本晃一さんです。

二人がクロスへ出向でやってきたのは2022年7月のこと。それから半年間、プロデューサーとプロダクションマネージャー(略称:PM)が所属するプロダクションデパートメントに所属し、PMとして映像制作を中心に携わっていただきました。

社名は似ていますが、仕事内容は似ているようで似ていないクロスとフォース。尾島さんと橋本さんには、クロスとフォースの違いをはじめ、出向の経緯、出向で学びたいと思っていたことを語っていただきました。

フォースの役割は、キャンペーンのクリエーティブコンテンツすべてを統括すること

- 最初に、フォースの事業内容を教えていただけますか

尾島:じゃあ、私から。クリエーティブプロデューサー(CP)と呼ばれる職種の人がいて、「広告コンテンツすべてのクオリティや予算、スケジュールを管理する役割」を担っています。

見積りやスケジュールを作りますし、クオリティ管理という部分ではコスト面も気にしつつバランスを取りながら、どうやってクライアントをはじめとする関係者の願いを叶えていくかを日々考えています。なので、仕事内容としては、クロスのプロデューサーと同じなんです。

尾島理紗さん

こう言ってしまうと、両社に違いがないように聞こえますが、向き合う相手が少し違います。フォースは制作会社の皆さんとも向き合いますし、クライアントをはじめ、電通のビジネスプロデューサーやクリエーター、印刷会社とお付き合いしています。クロスの場合は、そこに映像ディレクターやカメラマン、照明、出演者、ヘアメイクやスタイリストなど、制作スタッフの方々とも向き合う仕事ですね。

それと、プロデュースする範囲も異なります。フォースの場合は、統合プロデュースという形でCMやグラフィック広告、WEBサイトやバナー広告、PRなど、キャンペーンに必要なクリエーティブコンテンツすべてを見ています。クロスの場合は、映像とWEBサイトを受注したら、映像とWEBサイトに注力してプロデュースという風に、見ている範囲が少し違います。

- なるほど。フォースに所属されている皆さんの職種はCPになるんですか。

橋本:そうですね、担当している業種やクライアントが違うだけです。入社の時点でCPとして採用され、入社した瞬間に“アソシエイトプロデューサー”という肩書きを背負うんです。ここも、クロスと違うところですよね。

橋本晃一さん

- クロスの場合はPMからスタートし、チーフPM、アシスタントプロデューサー、プロデューサーという風にステップアップしていきます。何も知らない状態でプロデューサーを任されるのは大変ですね。

橋本:最初の2ヵ月はみっちりと、「広告制作とは何か」「制作フローはどうなっているのか」「このタイミングで関わる会社はどこなのか」という、基本的な知識から教えてもらいつつ、先輩が担当する現場に出ながら知識を身につけていくという感じです。

- ひとり立ちするのも早いですか?

尾島:そうですね。人によってタイミングはバラバラなんですけど、案件の規模によっては1年目の終わりとか2年目からは先輩に見守ってもらいつつ、関係者と連絡を取り合ったり、見積りを送ったり、1人で担当しているつもりでやってみようという感じです。

3年目、4年目になってくると、自分がメインでフロントに立って、先輩はメールにccを入れて情報共有をしておくという感じで進めています。出向に来る前は、完全に1人で担当する案件もちらほらとありました。

出向で期待したのは「現場のリアル」と「関係構築」

- クロスへ出向することになった経緯を教えてください。

尾島:フォースに入社する新卒2年目がクリエーティブコンテンツ制作の現場や流れを知るために、数年前から、クロスに半年間出向するようになったと聞いています。

私たちが出向する予定だった2020年は、コロナの影響で見送りになってしまい、2022年7月にようやくクロスへ出向することができました。私の場合、いろいろな部署を回るパターンで、本社と中目黒にあるDentsu Craft Tokyoでお世話になりました。

橋本:僕の場合は、本社にある同じ部署で半年間お世話になりました。最初はグラフィック広告案件が多くなるかもと聞いていたんですけど、実際にはテレビCMやオンラインムービーの制作、WEBサイトやWEBバナーのグラフィック制作など様々な作業に携わりました。

コロナ禍になるまでは新卒2年目で出向し、制作の現場を知るというのが通例でした。それはそれで、すごく刺激的な経験になったんだろうなと思います。僕らの場合は、CPとして3年半働いた上での出向だったので、出向する目的というか、自分で何を得に来たかっていう軸がこれまで出向した先輩たちとは違うんだろうなと思います。

- 出向でどんなことを期待していましたか。

橋本:クリエーティブコンテンツ制作について全く知らない状態で学びに来たというよりは、制作の流れやどんな人が関わり、どんなことをやってるのかをある程度理解している状態だったので、そのスキマにある空白を埋めに来たというか、これまできちんと理解できていなかった現場のリアルを体験しに行くという目的を持っていました。

何の作業に、どれくらい時間がかかっていて、どれくらい大変な作業なのかをCPとして理解し、クライアントに説明できるようになりたいと常々思っていて。現場のリアルを知っているのと知らないのでは、スケジュール調整の面でもだいぶ変わってくるかもしれないと思っています。

尾島:やっぱり4年目というタイミングで出向するので、プロデューサー視点で、俯瞰的に物事を見たいなと思っていて。忙しく終わっちゃった、みたいなのは絶対にイヤで。この立ち位置だとこういう動き方になるんだっていうのを学びたいなって思っていました。

クロスはフォースと比べると会社の規模が大きいので、年齢の近い人たちと仲良くなって、将来的には仕事の相談をしたり、実際に仕事をお願いできるような関係性がつくれるといいなと思っていました。

とはいえ、現状クロスのプロデューサーは私よりも年上の方ばかりなので、なかなか私ごときが仕事の相談をすることは難易度が高く、先の話になりそうです(笑)。

でも出向前は、クロスの皆さんとの接点がほぼゼロだったことを考えると、半年の間に関係性づくりという意味では、自分的には進歩したなと思っています!


前編では、クロスとフォースの違いや出向の経緯、出向で学びたいと思っていたことを語っていただきました。

後編では、実際に制作現場へ出て感じたことやエピソードのほか、目指したいと思ったプロデューサーとの出会い、フォースに戻っても役に立つ経験についても語っていただきました。

後編はこちら