マイナンバーカードで混乱なんかしていない②

マイナンバーカードから保険証資格を得るまでは上手く行ったのだけど、得られた情報がそもそも間違っていた、と言う問題がありますね。

>保険資格が無効となっていた。
これは、それが真実でも誤りの場合でも、どちらにしても困ります。
本当は有効な保険証資格があるのに、「無効」となっていれば、患者さんは怒るでしょう。
皆保険の日本では、保険証資格は、じっとしていも自然に付いてくる権利みたいなものですから、それが無効と言われても、問い合わせる先さえ、すぐに思いつかない人が多いでしょう。
医療機関としては、10割負担で診療するか悩むところですが、その患者さんと医療機関とのこれまでの信頼関係で対応を変えるのが、普通でしょうね。
間違っていたら、あとで、修正すれば良いからです。
まったく初めていらっしゃった患者さんの場合は、やはり10割負担で診療したほうが、結果的にお互いのためだと思われます。

>負担割が間違っていた。
これは、マイナンバーカードに限らず、保険証でもよくある話なので、間違いに気づいた時点で修正すれば良いかと思われます。
高齢者の場合、1割、2割、3割の人がいて、時々、負担割が変わるので、注意は必要です。保険証の場合も時々間違いますが、後で指摘されても、保険証を確認した時の状況が分からないので、「医療機関の確認ミスだった」ということにされてしまいます。
マイナンバーカードの場合は、ログが残るので、間違いの責任の所在が明確になって良いことだと思います。

>間違いと分かった時、その場に誰がいるかの問題。
結局、保険証とマイナンバーカードの違いは、「間違いにいつ気付くか」という時間の問題があります。
保険証だけだと、保険証がホントは無効になっていても、その場では分かりません。保険証を信じて治療し、保険者にレセプト(診療内容の報告書みたいなもの)が行って、保険者が「この人、うちの被保険者がありません」と医療機関に言って来て初めて医療機関が知ることになるのです。
そして、そこに、患者さんはいませんから、別に大騒ぎにもならず、粛々と、医療機関が再請求に苦心するだけです。
レセプトをオンライン請求していれば、もう少し早く分かりますが、いずれにしても、患者さんは、そこにいませんでした。
後になって、患者さんと連絡がつかず、治療費が回収できなかった経験は、どの医療機関でもあるでしょう。
その点、マイナンバーカードなら、有効か無効か、患者さんがいる場で、すぐに分かるので、今まで違って、患者さんにも上手いこと対応しないといけませんが、その場に当事者がいるので、話が早いということも考えられます。
マイナンバーカードの登録ミスで無効と表示された場合と、本当に保険資格を喪失している場合では、患者さんも顔色が違うでしょうから。

保険証資格が、後で無効だったと分かったケースは、保険証では経験したことが何度かありますが、マイナンバーカードでは、まだありません。
ニュースになっているほど、実際の数は多くないと思われます。きっと他の原因で、保険資格が確認できなかったケースが含まれているのでしょう。

マイナンバーカードで起きる登録ミスが、保険証でも起きていないとは言えません。結局、一定のミスが起きることは想定の上で、仕組みを作る必要があって、保険証では、それを関係者が甘受してきたということだと思います。
最悪なのは、両方を共存させることで、今が、まさにその状態です。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?