会えない
コロナの時代。
病気で入院する患者や家族にとって、大切な人に「会えない」こととは。
今年初めに、僕の家族が手術のため入院した。家族と会えたのは入院当日と、手術の日、退院する時だけ。入院は約3週間。
手術が終わって、確か2〜3日経った頃だったと思う。病院からの電話。「手術後に錯乱状態になり、数日寝たきり、そのせいで床ずれができた。経過を追っていきます」。
家族としてはお任せするしかない。
退院の日、僕は病院に迎えに行き、床ずれの処置方法を看護師から説明を受け、自宅に戻る。床ずれを見ると、皮膚は黒く変色し、約4センチ程裂け目がある。毎日軟膏を塗り続けた。僕は、なんでこんなことになったんだろう、手術後に錯乱?退院の時そんな説明してくれたかなと、なんだかすっきりしない思い。
コロナで今はお見舞いができない。もし、できていたら、自分の目で家族の様子を見ていただろう。どんな様子か、何に困っているのかを。きっと、手術後に錯乱状態になって、寝たきりになって床ずれができたとしても、その都度リアルに現状が知れて、そういうことなんだと納得していただろう(たぶん)。
がしかし、今はコロナ。家族の様子が見れない。もどかしい。入院している患者にとっても、家族に会えないのは寂しいしことだ。両者にとってこの現状はもどかしい。
けど、誰も悪くないのだ。患者も家族も、医療者も精一杯やっている。だから誰も悪くない。
僕の家族は今はすっかり元気にやっている。でも、「会えない」ことで、いろんな思いをしている人はきっとたくさんいるはずだ。今入院していて思っている人、退院してるけど、納得がいっていない人。
誰も悪くないけど、この危機をどうしていけばいいんだろう。
解決策を考えている間も、苦しんでる人達がいる。
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