親愛なる上沼恵美子様
読売テレビで放送されている『上沼・高田のクギズケ!』という番組の企画で、上沼恵美子さんに向けてラブレターを書かせてもらった。高田純次さんからの依頼という体での代筆。
「盛り込むべき言葉や表現があれば教えて下さい」
僕の問いに対する、テレビ局からの返答は、
●冒頭は、「親愛なる恵美子様へ」としてほしい
●昭和っぽい感じで
とのこと。わかったような、わからないような感じではあるものの、従順な僕は、承知しました、と返し、作業に取り掛かる。
インタビュー記事や、ラジオ番組、YouTubeなどで上沼さんの情報仕入れ、その人となりを知る中で、3つのことが印象に残った。
①13歳の頃からプロの舞台に立っているという凄み
②実の姉と組んだ漫才コンビ名「海原千里(せんり)・万里(まり)」
③海原千里・万里のシングル曲『大阪ラプソディ』の世界観
『大阪ラプソディ』から漂う大人の男女の艶やかさと、ネオン街の鮮やかさを文章の基調としつつ、海原千里・万里という粋な芸名をどこかにまぶし、かつ、13歳の頃から芸能の世界を生き抜いてきたことに対する敬意も示す。そんなラブレターにしようと思った。
そして、出来上がったラブレターが以下。
番組上は時間も限られているため、割愛され、半分くらいの文章となってしまったが(どの部分を削るかは事前にスタッフの方から連絡をいただき、了承した上で)、ここでは全文を載せることとする。
親愛なる恵美子様へ、この手紙を。
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親愛なる恵美子様
こうして真っ白な便箋に向かい、誰かに気持ちをしたためるなど、何十年ぶりでしょうか。口はわりと達者であるものの、筆にはあまり自信がありません。
それでも、口に託すといつものように冗談にしてしまいそうなので、あえて、こうして不慣れな筆にて想いを綴ることで、混じりっ気のない純な気持ちを伝えることとしました。
あなたとこの番組で共演をしてから、もう10年もの歳月が経つのですね。
率直に言うと、番組初回から今日に至るまで、僕は圧倒されっぱなしです。
針の穴に糸を通すような的確でいて繊細なツッコミ、人生を歌い上げる豊潤な歌声、ゲストやスタッフへの気配り、そして、いつも先頭に立ち、番組を牽引していく姿勢。そのすべてに、です。
年端もいかない子供の頃から、芸能界という海原にお姉様と手をたずさえて飛び込み、その手が離れてからも、ひとり、険しい道を千里、万里と駆け抜けてきた、その凄みを、まざまざと見せつけられる日々。
同じ芸の道に生きる者として、信頼と敬意を抱くばかりです。
いや、こういった機会なので、正直に伝えます。
僕はあなたに信頼と敬意、そして、好意をも抱いています。恋、というやつです。こんなことを言うと、「高田さん、それは老いらくの恋よ」と笑い飛ばすかもしれないね。
それでもいいです。
あなたに笑ってもらえるなら、いつだって僕は道化を演じることでしょう。
それでもいいです。
波立つ海原の中、ひとり涙を隠してきたあなたには、もうずっと笑っててもらいたいから。
お嬢さん、いつもありがとう。
そして、おつかれさま。
いつかふたりで、宵闇の大阪をそぞろ歩きたいものですね。七色のネオンの中、これまでのこと、これからのことなど語らいましょう。
東洋のレオナルド・ディカプリオ
高田純次より
ラブレター代筆屋。告白、プロポーズ、復縁、感謝、計100通以上のラブレターを代筆。「アウト×デラックス」「ABChanZoo」「おはよう日本」等出演。HP→http://dsworks.jp Twitter→@DenshinWorks