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四肢損壊が当たり前の子ども向けアニメ『ガラクタ通りのステイン』と『ポピーザぱフォーマー』

キッズステーションで放送された増田龍治監督によるTVアニメシリーズ2作品を久しぶりに数話ほど見ていた。

悪癖や非行を意味するVICEという単語を冠している報道機関で、増田龍治へのインタビュー記事が載っていたから、それも合わせて読んでいた。

https://www.vice.com/ja/article/evkjqj/popee-the-performer

インタビューで「キッズステーションの担当者が、どこからか出向してきた、ある意味素人だったんです。なので、これは放送して良いのかとか、残酷なのかとか解らないまま、とりあえず放送してみることができました。」と監督が語っているのを見ながら、「あー、なるほど、だからキッズステーションではやたら過激なアニメがゴロゴロ転がっていたのね。」と納得した。

https://www.vice.com/ja/article/evkjqj/popee-the-performer

監督がこう語っているのを見てもそれを疑う気が起きないのは、私がバカ正直で素直過ぎる白痴だからではなく、この2作品にそれだけ過激な描写が多すぎたからだと思いたい。

『ガラクタ通りのステイン』には、いわゆる“放送禁止回”と巷で呼ばれる様なエピソードがある。
“極楽鳥”というエピソードで、主人公のステインは冬の寒さに耐え切る事が出来ずに亡くなった可哀想な大鳥に深く同情し涙を流しながらも、飢えに逆らえず、ザックザクと軽快に四肢を包丁で切り刻んで食べてしまうという何とも無慈悲な展開をする。

このエピソードだけを見た人は、「これを子供向けアニメを放送する事を目的としたキッズステーションという名のチャンネルでやったら、そりゃ放送禁止にもなるわ!」と思うだろう。

しかし、『ガラクタ通りのステイン』の他のエピソードも大量に見ている者たちは知っている……この作品には、他にも、このレベルで無慈悲かつ過激な展開をするエピソードがあることを……例えば、“冷蔵庫”というエピソードでは、主人公ステインが缶詰を開ける為にトカゲさんを……いや、これ以上のネタバレは控えておいた方が良いかな?

この作品の監督をつとめている増田龍治が、この作品の前に作っていた『ポピーザぱフォーマー』という作品も、なかなかアレで……ナイフを突き刺す、四肢欠損、死体量産、ザックザクの、メッタメタ…が当たり前なので、何話か再放送が出来なくなっている。

人生の意味とか、社会ルールの価値とか、倫理的正しさとは何かとか…そんな哲学的で小難しいことを考えずに頭を空っぽにして笑いながら見て純粋に楽しめる作品なので、子どもの脳が大人よりも未発達である事を無視して、馬の耳に念仏を唱える様な事をしたがる他の王道な子供向けアニメと比べると、こっちの方が子供向けアニメとしては正解なのかもしれないとすら、ふと思ったりもする。

そんなつまらない事を考えながら、アニメを見ている……そんな今日この頃。


どちらもバンダイチャンネルで見られるので、気になる方は見てみると良いと思う。

比較的グロい描写が苦手な人でもサクッと見られるくらいコミカルな“子ども向け作品”なので、躊躇なく人にすすめやすい。


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