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コロナ騒動の中で社会に出る新社会人は過去最強の世代になるかもしれない。

誰もが想像し得なかった世界が目の前で起こっている中、この春新人として社会に出る若者たち。今、彼らのほとんどは、それまでの多くの社会人が体験してきたリアルな入社式さえ体験できずに、学生時代とは全く立場の異なる未経験の世界に挑戦しようとしている。

人は原体験を積むことで価値感が醸成されていくものだと思うが、この新型コロナ騒動によって、これまで当たり前だった新人時代の過ごし方とは全く異なるスタートを切ることになった彼らにとって、この体験は強烈な原体験として記憶されていくものになるだろう。

日本は長いこと年功序列・終身雇用が当たり前とされてきて、 それが普通だと思う人があまりに多いことから現在大きな歪みを生んでいる。私はクライアントとの仕事において、会社で働く社員たちの意識改革のためのコミュニケーション施策を考えることが多いのだが、 その根本的な課題を辿っていくと、一人一人が自立しているかどうかに行き着く。 自分の人生は 自分で切り開くしかないし、自分の選択の積み重ねが人生を作っているという当たり前のことを、 日本型の雇用システムの中で忘れてしまったり、そんなことはわかっているけれども今さら動けないという人が多いのだ。

でも令和初の新社会人となる彼らはスタートが違う。なかなか変わることができない我々多くの先輩社会人とは違い、かつて人類が体験したことのない世の中の大激変の真っ只中からスタートを切るわけだ。彼らにとって変化の時代に生きていくということは、経営者から口うるさく言われて理解しようとすることではなく、当たり前のことになる。

彼らは、これまでの働き方が染み付いている私たちがリモートワークに挑もうとしているのとは違い、リモートワークを基準としてスタートしている。 
彼らは、年功序列・終身雇用が当たり前だと考えていた世代とは違い、 社会変化の中で会社は潰れることがあるのは当たり前だという考えてスタートを切る。
彼らは、グローバル化だと言いながら自国のことしか考えていなかった世代とは違い、世界が繋がっていて力を合わせることが重要だという考えでスタートを切る。
彼らは、サステナブルであることの重要性を企業活動の中で理解し合い、浸透させようとしている大人たちと違い、 サステナブルであることはこれからの自分の人生に関わることだと考えているだろう。

短期的に見れば、新人の歓迎会がなかったり、同期と顔を合わせることができなかったり、 先輩に飲みに連れて行ってもらうこともなかったり、リアルな新人研修がなかったりと、このコロナ騒動の中でネガティブな側面に目が行きがちになるが、 もしかしたらそれは旧来の常識が染み付いてしまっている私たちの見方かもしれないと思うのだ。

時代は大きく変化しようとしている。その中で自分自身に変わらなきゃと言い聞かせている私たちと違い、常識がひっくり返るようなことが起こることが当たり前だというスタートを切る新人たちは、きっとこれからの世の中を切り開く過去最強の世代になるだろう。私はそんな彼らを全力で応援したいと思う。 

#新生活に向けて


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