「なぜあなたの活動は拡散されないのか」成功の鍵はマーケティングと広報の"力"にあるという話
VRChat、cluster、Resonite、バーチャルキャストといったメタバースでは、日々様々なイベントや活動が展開されています。キャストイベントや音楽イベント、演劇などもありますよね。アイドルイベントや歌イベントなど、本当に多岐に渡ります。
そんな活動者の方々のお話を聞いたり、SNSを見ていると「こんなにすごい活動をしているのに、なぜか注目されないんです」、「どうしてメディアは自分に取材に来ないんだ」。そんな声を聞いたり、SNSで見たりします。
その理由はシンプルだと思います。多くのメディア関係者が、あなたの活動を「知らない」からです。イベント数自体が増加していますし、プラットフォームも複数あります。メタバースを知るメディア関係者でさえ、すべての活動者のことを把握するのは難しい状況です。
ただ、がむしゃらに活動をし続けるだけではその魅力は届かず、メディアに取りあげられることもありません。
では、どうすれば自分の活動を効果的に発信し、多くの人に知ってもらうことができるのでしょうか。その鍵は、マーケティングと広報の視点にあります。
つまり、「1人の活動者が、同時にマーケターであり広報担当者にもなる必要があるのです(もちろんチームで分担しても大丈夫です)。
そこで、本記事ではメタバース空間、広義のバーチャル空間で活動するあなたに、マーケティング戦略と広報テクニックのポイントをダイジェストにして紹介していきます。
マーケティングと広報:メタバースでの活動を成功させるための両輪
ターゲットへ直接アプローチする「マーケティング」
メタバース内で活動を展開する上で、マーケティングと広報(特にプロダクト広報)は両方とも重要です。ただ、その目的と手法には明確な違いがあります。これらの違いを理解し、適切に組み合わせることが重要になります。
マーケティングに冠しては、この記事で追って触れていきますが、教科書通りに言うと、「潜在的な参加者や顧客に直接アプローチし、彼らのニーズを満たすことを目的」としています。
例えば、STP戦略という有名なマーケティング手法があります。これはSegmentation(セグメンテーション)、Targeting(ターゲティング)、Positioning(ポジショニング)を順に行い、効果的な市場戦略を立てることです。
第三者を通じ、認知度と信頼性を向上させる「広報」
一方、広報は直接的な販促ではなく、メディアや影響力のある第三者を通じて、あなたの活動やイベントの認知度を高め、信頼性を構築することを目的としています。
具体的には「イベントのストーリー構築」、そして「メディアとの関係構築」、「プレスリリースの配信」などが挙げられます。
このマーケティング的な考え方と広報的な考え方は、成功への両輪です。これらを効果的に組み合わせ、バランスよく実施していくことが重要なのです。
メタバース活動者のマーケティング的アプローチ
コトラーのマーケティング理論について
戦略的なマーケティング思考は、活動の成功に不可欠です。ここでは、マーケティングの基本理論を踏まえつつ、具体的な例を出しながら戦略を紹介していきます。
現代のマーケティングの第一人者といえばフィリップ・コトラー氏の名前が挙げられます。コトラー氏のマーケティング理論は、ビジネスの世界で広く認知されています。
複数の本も出版されており、私も下記の本を読んだ記憶があります。すべてを精読できればかなり強いのはわかるのですが、私はそこまで頑張れなかったので、漫画版を読んでいます。こちらも充分参考になると思います。
※ ほかにもコトラー氏の著書はたくさんありますが、私も追い切れていないのでオススメがあったら教えてください。
STP戦略を実際に応用してみる
まず「STP戦略」について紹介します。これは、マーケティングにおける代表的な分析手法の1つで、Segmentation(セグメンテーション)、Targeting(ターゲティング)、Positioning(ポジショニング)の頭文字をとったものです。
セグメンテーションは「市場を顧客ニーズに注目して細分化すること」、ターゲティングは「細分化した市場の中から、自社が狙うべき市場を選定すること」、ポジショニングは「選定した市場における自社と競合他社の位置関係を把握する」ことです。
メタバースDJイベントを元にSTP戦略を考えてみる
例えば、あなたがメタバース内でDJイベントをやる場合を考えてみましょう。私が開催しているRaversinClusterを例に考えていきます。
ここから先は
もし、記事が面白かったらサポートをお願いします。日々の活動費に使わせていただきます!