城取り

○城攻めの風景(夜)。
敵味方の焚く篝火が、山上の城を浮かび上がらせている。
雷蔵(M)「どだい雑兵は使い捨てと相場が決まってるが、中でも城攻めってのは一番割に合わねえ」
崖を這い登る雑兵。
雷蔵(M)「敵が備えをびしっと構えてるところに、めったやたらに攻め込んで行けってんだから、こりゃあもう死にに行くようなもんだ」
ふと上を見上げたその瞳がくわっと見開かれ――頭から煮立った油を注がれて落ちていく。
そのすぐ脇を登っていた、我らが主人公、『とんずらの雷蔵』。腰にぶら下げた袋の中から巾着をつかみ出すと、その中身を手のひらに広げる。小粒の銀が三粒。それを後生大事に握り締めると、
雷蔵「冗談じゃあねえ。これっぽっちで、命までかけられるかい」
ざざざと崖を滑り降り、後に続いていた仲間の頭を踏み越える雷蔵。
雷蔵「俺ゃあ降りたぜ、お先っ!」
周囲が止める間もなく闇に走り込んで行く雷蔵。
雷蔵「へへん、おいらの二つ名は、『とんずらの雷蔵』だぜ!」

○天守閣
天守閣からのぞく女の影。
女の影「あの者……ここへ連れてまいれ。内密に、な」
忍びの影がこくんとうなずき、闇に消える。

○森の中
森の中を走る雷蔵。後ろを振り返り、
雷蔵「へっへっへ、ここまで逃げりゃあ…」
と、すぐ後ろに忍びの者が張り付いている。
雷蔵「(びっくり)な、何だあ!」
慌てて刀を抜こうとするが、みぞおちに拳を喰らい、昏倒。
暗転。

○城内、大奥
目を覚ます雷蔵。
竜宮城かとみまごうほど豪華な調度の室内。香がたきしめられていて、うすく煙っている。豪華な夜具の上に寝ている自分に気づく雷蔵。
と、ふすまが開く。
薄い夜具をわずかにまとった、ほとんど裸身の霞姫の美しさに打たれて、ほとんど放心状態の雷蔵。
霞姫「殿様、お気がつかれあそばしたようでございますね」
雷蔵、我に返って
雷蔵「と、殿様あ?」
霞姫、雷蔵の耳元に口を寄せて囁く。
霞姫「そう、たった今からあなた様がこの城の殿様」
色香に酔って、ふらふらと霞姫を抱きしめようとする雷蔵。その手をするりとすりぬけた霞姫、
霞姫「佐吉、例のものをこれへ」
と、先刻の忍者がいつの間にか部屋の隅に控えている。その手には桐の箱。忍者、うやうやしくそれを雷蔵に差し出す。雷蔵、その箱を開けて――
雷蔵「ひいいいいっ!」
中身は、雷蔵自身の首?いや、よく似てはいるが、明らかに別人である。
霞姫、ため息をついて、
霞姫「殿は、とんとこらえ性のないお方でな。『死ぬのが怖い、死ぬのが怖い』と幾度も妾にすがりついて――そのまま妾の下で、あ、いや、上でぽっくりと逝ってしもうたのじゃ。『曲者が忍び込んだが、影武者が身を挺してかばった』ということにしておいたのじゃが――」
雷蔵を見てため息をつき、
霞姫「そろそ本物の殿においでいただかねばならぬ」
雷蔵、呆然と聞いていたが、はっと我に返り、
雷蔵「い、いやだ……嫌だ! 外にゃあ千人もの兵隊が取り巻いてるんだぞ! こんな城、すぐにでも落ちちまう! 死ぬのは嫌だ! そもそも、俺は死ぬのが嫌で逃げ出してたところだったん……」
と、雷蔵の目の前を霞姫の薙刀が一閃する。ぴた、と口を閉ざす雷蔵。霞姫、薙刀を構え直すと、
霞姫「佐吉」
忍者「は」
忍者、首をうなだれる。と、薙刀が一閃!忍者の首が落ちる。
霞姫、血まみれの薙刀をさげてにっこりと微笑み、
霞姫「これこの通り、曲者の首も用意したし――真実を知るものも妾とそなたの二人だけとなった。もう後には引けぬのじゃ。妾の頼み、聞いてもらえぬかの?」
霞姫、薙刀を下げたまま雷蔵ににじり寄る。雷蔵、狼狽の極み。
雷蔵「たーたたたたた、く、くーくびくびくび、し、しーしぬしぬしぬ……」
霞姫「無論、ただでとは言わぬ」
有無を言わさず、雷蔵を夜具の上に押し倒す霞姫。
霞姫「下賤のおなごとは、ちと違うぞ?」
X     X     X
朝。
はっと目覚める雷蔵。隣の霞姫をのぞきこむ。よく寝ている様子である。
そうっと部屋を抜け出そうとする雷蔵。
霞姫「……殿はご心労のあまり、御乱心ぎみであると奥向きの女どもに伝えておきました」
ぎくっと足を止める雷蔵。
霞姫「もしお逃げになろうとするようであれば、力づくでもお止めするようにと」
そっとふすまを細目に開けてのぞき見る雷蔵。薙刀を構えた女たち、見張りに立っている。ため息をつき、ふすまを閉める雷蔵。と、枕元に殿様と忍者の首が並べてあることに気づき--飛びすさる。
雷蔵「な、なっ……」
霞姫「小心な殿方よの。死人は噛みつきはせぬ」
雷蔵「何でこんなもの、片づけねえでそのままにしてあるんだよ!」
霞姫「この二人には、もう一働きしてもらわねばならぬからのう」
身を起こした霞姫、妖艶な笑み。

○全景
夜が明けている。
山頂に小学校ほどの広さの平地。そのぐるりを城壁が取り囲んでおり、城門は二つ。それぞれの城門や城壁の各所で戦闘。もともと山全体が城なので、すでに本丸まで追いつめられているということである。
平地の中央あたりに城は立っている。三階建て+天守閣で、大きさもちょうど小学校ほど。城の他には、厩や倉庫などがいくつか建っている。
建物の間をわらわらと走り回る、血まみれの兵士たち。

○敵本陣
周囲に幕を張り巡らせただけの陣屋。7,8人の武将が床几に腰掛け、絵図面を囲んで会議をしている。
指揮官「……残すは本丸のみ、だな」
副官「は。こちらは千人、敵は城に拠っているとはいえ、二百人。もはや時間の問題です」
指揮官「うむ。皆殺しだ。一人も逃すな」
邪悪な笑み。

○城内、廊下
城内を歩く雷蔵と霞姫。雷蔵は着慣れない具足をもてあまし気味である。霞姫は白装束に薙刀を小脇に抱え、さらに桐の箱を持っている。
部屋という部屋には怪我人が寝かされており、廊下にまで怪我人があふれている。
怪我人の一人が雷蔵にしがみつこうとし、雷蔵は慌てて飛びのく。怪我人の手を薙刀の束でぴしりと打ち据える霞姫。
霞姫、きっと雷蔵に向き直り、
霞姫「殿様、もっとしゃきっとしていただかねば、皆の士気にも関わります」
ふん、とそっぽを向く雷蔵の鼻先に、薙刀の刃が突きつけられる。凍りつく雷蔵。
霞姫「おわかりですな」
首だけでふんふんとうなずく雷蔵。

○軍議の間(剣道場をイメージ)
板張りの部屋。床几が円形に並べられており、具足をつけた諸将(7~8人)が顔を突き合わせている。全員やつれ、重苦しい雰囲気。
と、戸が開いて――霞姫が入ってくる。
将A「姫様!昨夜、曲者が殿のご寝所に忍び入ったというのは、誠でございますか?」
一同、じっと霞姫を見つめる。霞姫、無言で箱から佐吉の首を取りだし、一同に見せる。
将B「で、では殿はご無事なのですか?」
霞姫、箱から殿様の首を取りだす。
将C「おお、やはり。では、あの噂は本当……」
一同を重い空気が包む。と、
霞姫「うろたえるな! 曲者が取ったは、影武者の首よ! 本物の殿様は、こちらにおわす!」
霞姫の一喝に、場の空気が蘇る。が、出てくるはずの殿様は出てこない。
霞姫、振り向いて
霞姫「……殿様?」
誰もいない。

○城内、廊下
廊下を逃げる雷蔵。
雷蔵「冗談じゃねえ。ありゃあ確かにいい女だが、命まで懸ける値打ちは……」
と、その行く手を三本の薙刀が塞ぐ。
三人の奥女中である。
奥女中「ご乱心めされるな。軍議の場にお戻りくださいませ」
雷蔵「い、いや、俺は違うんだよ!」
薙刀の刃、雷蔵の喉元に。
奥女中「とにかく、軍議の場へ」

○軍議の間
奥女中の薙刀の刃に押し戻されるように、軍議の間に戻る雷蔵。霞姫、それを冷たく見下ろしてから、かいがいしく立たせ、
霞姫「……このように殿はご無事であらせられる。加えて、殿と私は、昨夜必勝の策を練った。恐れずに命の限り働け! さすれば、賊軍どもなど、恐るるに足らん!」
意気上がる諸将を見て、ため息をつく雷蔵。

○天守閣
天守閣に登っている雷蔵と霞姫。
ぐるりを取り囲む敵兵に怯える雷蔵。
霞姫「見よや。あの山並み、美しいであろ?秋はあの山々が一面にぱあっと色づいてな、それは美しいものじゃ。そなたに見せてやれぬのが惜しいがの」
あっけに取られて霞姫を見る雷蔵。姫は、足下の敵兵ではなく、彼方に広がる山々を見ている。
雷蔵「……で、その、必勝の策ってのは何なんだよ」
霞姫「よくぞ聞いてくれた。まずはその――」
と、今も小競り合いの続く城門を指し、
霞姫「城門を開ける」
雷蔵「はあ?」
霞姫「続いて、できるだけ多くの敵兵をこの城内に引きずり込み――」
霞姫、城の建物の周囲を指さす。薪や油が用意されている。荷車に藁を積んだものも。
霞姫「城に火を放つ」
雷蔵「は?」
霞姫「敵が混乱に陥った隙に、あの裏門から山づたいに逃げ――」
霞姫、山並みの向こうを指さす。小振りな城がある。
霞姫「支城にこもって体勢を立て直す」
雷蔵「……城を捨てる気かい」
霞姫「敵は1000人。200も焼かれれば、引き上げざるを得まい。それに――城も殿様も、換えはいくらでも利く」
ぞっとする雷蔵。
霞姫「大事なのは、兵どもと民の命じゃ」
雷蔵「……だが、敵がうまくその策にはまってくれるという保証は?」
霞姫、雷蔵を見つめて、
霞姫「そのための保証がそなたじゃ。天守閣から殿様が顔を出しておれば、敵兵どもはみな、首を取りに上がって来よう」
雷蔵、慌てて
雷蔵「ちょっと待て、俺は囮かよ」
霞姫「確かに、生き延びる望みは万に一つもないじゃろ。だがもし命があれば、この国も、妾もそなたのもの。命をかけるだけの値打ちはあろ?それに――逃げるのはそなたの得意技のはず」
舌打ちする雷蔵。霞姫、遠くの山を指し、
霞姫「あの山のてっぺんには、桜の老木がある。今ごろ、さぞかし見事な盛りじゃろ。うまく行けば、そなたにも見せてつかわす」
と、下から伝令が上がって来て、
伝令「大変です、城門が破られました!」

○城門
丸太を持った敵兵に城門が打ち破られている。侵入してくる敵兵を必死で支えようとしている城兵たちだが、次々侵入してくる騎兵に踏みにじられていく。

○天守閣
唇を噛みながらその光景を見ていた霞姫、
霞姫「殿様。そろそろはじめて……?」
傍らに雷蔵はいない。はっと目で追うと、伝令を突き飛ばして階下に逃げようとしている。
霞姫「ええい、往生際の悪い!」
霞姫の手を離れて飛んだ薙刀が、雷蔵の襟を柱に縫い止める。
雷蔵「い、いやだ!俺は、死ぬのは御免だ!頼むからこのまま逃がしてくれえ!」
霞姫、雷蔵に歩み寄ると襟首をつかみ、
霞姫「今こそ男を上げる機会ぞ!それともそなた、このまま一生雑兵で終わるつもりか!」
雷蔵「お、俺はこのまま田舎に帰って百姓になる!金輪際、戦なんかにゃ近づかねえ!だから……」
霞姫、雷蔵の頬をひっぱたく。
霞姫「この城に篭る城兵二百の命が、そなたの肩にかかっておるのじゃぞ!」
呆然としていた雷蔵だが、そっぽを向いて
雷蔵「俺の……知ったことかよ」
霞姫「……そなた、見下げ果てた男じゃの」
霞姫、雷蔵を冷たく見下ろす。

○本丸内
城門を突破した敵指揮官、天守閣の二人に気づく。
指揮官「鉄砲隊!」
10人ほどの鉄砲隊、わらわらと配置について天守閣に照準を合わせる。
指揮官「放て!」
銃声!

○天守閣
霞姫、とっさに雷蔵を抱きしめる。
雷蔵「!」
霞姫の体ごしに、着弾の衝撃を感じる雷蔵。霞姫の体が、ぐんにゃりとのし掛かってくる。
雷蔵「姫さん!」
霞姫「無事かの……殿様……」
体を起こす霞姫。その顔には、すでに死相がありありと現れ、口の端からは血が滴っている。
雷蔵「どうして……どうして俺なんかをかばったりしたんだ!」
霞姫「……死んだ殿様は、実の話、婿養子での。この城はもともと、妾のものなのじゃ」
雷蔵「それがどうした!」
霞姫「今、そちに死なれては妾の城が落ちる。妾が命を懸けて妾の城を守って、何がおかしいのじゃ」
雷蔵「ばか野郎!命あっての物種じゃねえか!てめえが先に死んじまっちゃ、何にもならねえだろう!」
霞姫、にっこりと微笑み――その微笑みをたたえたまま、その目を閉じる。
愕然とする雷蔵。

○本丸内
指揮官、雷蔵がよろよろと立ち上がったのを見て、
指揮官「鉄砲隊! 第二射放て!」
雷蔵の声「痴れ者どもがあっ!」
轟きわたる雷蔵の声が、一瞬、戦場の動きを止める。

○天守閣
雷蔵、片手に霞姫の亡骸を抱え、片手に薙刀を構えている。
雷蔵「飛び道具とは、貴様ら、それでも武士かあっ! 余は清和源氏の末裔、小原但馬守忠相なるぞ! 雑兵ども、我が首欲しくば、ここまで上がって来て、尋常に勝負せい!」

○本丸内
敵兵の間に動揺が広がり――
雑兵A「あの首を取れば……」
雑兵B「そうよ!恩賞は思いのままだ!」
雑兵たち、わっと本丸へと群がる。
指揮官「待て! 命令を……」
指揮官を押しのけて本丸に殺到する雑兵たち。

○天守閣
殺到する雑兵たちを見下ろす雷蔵。反対側を見ると、裏門を開いて城兵たちは次々脱出していく。
雷蔵「……さあて。姫さん、見ててくんな」
と、下からわらわらと10人ほどの雑兵が上がってくる。
雑兵C「いたぞ! 首を取れえ!」
じり、じりと追いつめられる雷蔵。隅に追いつめられ――にやりと笑う。
雷蔵「おいらの二つ名は、とんずらの雷蔵でい!」
と、飛び降りる雷蔵。あっけにとられてみていた雑兵たち、隅の柱に女物の帯が結びつけられているのに気づく。
雑兵D「しまった!」

○落下する雷蔵
ダイブした雷蔵の目の前に、地面がぐいぐいと迫る。
雷蔵「ひいいいいっ!」
が、地面に激突する寸前、霞姫の帯は雷蔵の肉体を支え、地上30センチくらいで宙に浮く雷蔵。
雷蔵、そのまま薙刀で帯を切り、地面に落ちる。周囲を見渡すと――藁を積んだ火付け用の荷車。手近の篝火を手に取り、火をつけた荷車を本丸の入り口に向けて突っ込ませる!

○城内
慌てて駆け降りてきた雑兵たち、ぎょっとする。
燃え上がる荷車が入り口を塞ごうと突っ込んで来る。
雑兵E「しまった、早く城から出るんだ!」
だがもう遅い。突っ込んできた荷車は入り口を塞ぎ、あらかじめ積んであった火薬樽に炎が燃え移り――爆発!

○城外
爆発的に燃え上がる城を見上げてへたりこむ雷蔵。
雷蔵「ざまあ……みろい……」
と、人の気配を感じて振り向く雷蔵。
完全に敵兵に包囲されている。

○指揮官
戦場は大混乱に陥っている。
呆然と、城が燃えて行くのを見つめる指揮官。
指揮官「ばかな……己が城を焼くとは……」
閉じ込められて焼かれる雑兵たちの中には、燃えながら天守閣から落ちてくる者も。
唇を噛んで遠眼鏡を取り出す指揮官。裏口から逃げていく城兵たちが見える。
指揮官「城兵どもを逃がすな! 裏だ! 裏にまわれ!」
が、炎上する城を呆然と見つめて動かない雑兵たち。
副官「兵どもは、おじけづいて使い物になりません!」
指揮官「……何人だ」
副官「……は?」
指揮官「どれほどの兵が城と一緒に焼かれた?」
副官「それは……」
雷蔵の声「俺の見たとこじゃ、二百――いや、三百はいったかな」
声のした方を見る指揮官。と、雑兵Fが、縛り上げた雷蔵を引っ立ててくる。
雑兵F「但馬守を捕らえました!」
指揮官、まじまじと雷蔵を見る。にやにや笑っている雷蔵。
指揮官「……貴様、但馬守ではないな」
ぎくりとする雷蔵。
指揮官「わが軍の雑兵の中で、見たことがある……」
雷蔵「……だとしたら、あんたの軍は、雑兵一人に大打撃を受けたことになるな」
唇を噛む指揮官。
指揮官「本陣へ引ったてい!」
にやにや笑いながら引ったてられていく雷蔵。
燃える城を見つめている指揮官。
と、雑兵Fが戻ってきて、
雑兵F「申し訳ありません!あの男に逃げられました!」
指揮官、口をあんぐりと開ける。

○山中
雷蔵が森の中を走っている。具足はとっくに脱ぎ捨て、もとの雑兵の姿。
と、山頂の開けたところに出る。
そこには一本の、桜の巨木が立っていて――今を盛りと咲き誇っている。

○回想
霞姫「あの山のてっぺんには、桜の老木がある。今ごろ、さぞかし見事な盛りじゃろ。うまく行けば、そなたにも見せてつかわす」
そして、その今際の際の微笑み。

○山中
立ち尽くす雷蔵。と、
奥女中「殿様! ご無事でしたか!」
城を脱出してきた一同、駆け寄ってくる。
慌てて逃げ出す雷蔵。
雷蔵「冗談じゃねえ! 二百人の命を背負うなんて、二度と御免だ!」
逃げる雷蔵と、追う奥女中たち。
(完)

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