「フランス語は美しいのか」

フランス語は本当に美しい言語なのか?

フランス人は、フランス語は世界一美しい言語だと思っているようである。

私はそれを聞いて、失笑せずにはいられなかった。

あんな喉につっかえた言語のどこが美しいのか

むしろ音声学上の美しさで言えば、フランス語は世界でも下の方だろう。

それにも関わらず、なぜフランス人は己の言語を鼻にかけるのだろうか。

それには明確な理由がある。

それは、フランス語がラテン語を継承している。という点だ。

ヨーロッパ人というのは、概してギリシャ人やローマ人への憧憬の念が強い。一時期ヨーロッパ人の人種的優位を証明するために、骨相学が大流行した。骨相学によれば、人間は頭蓋骨の形によって知能が決まるのであり、ギリシャ人が最も賢く、ローマ人が次に賢く、ヨーロッパ人が三番目。そして超えられない壁の先に黒人やアジア人がいる。ということらしい。

こうしたヨーロッパ人のギリシャ、ローマへのあこがれは、我々アジア人には理解しがたい。ヨーロッパ人たち、ゲルマン人たちは古代ギリシャにおいてはバルバロイと蔑称で呼ばれ、ローマにおいてもその地位は低かった。歴史的な劣等感とギリシャ、ローマへの憧憬がヨーロッパ人のDNAに刻み込まれているのである。

だからこそ、ドイツは神聖ローマ帝国を名乗ったし、フランスはラテン文化の継承者と自称してはばからなかった。

フランス人がフランス語の美しさをことさらに強調するのは、ギリシャ、ローマ人への劣等感からくるものであり、我々アジア人には本当の意味で理解することは困難なのだ。

私としては、一番美しい言語は中国語だと思う。次にイギリス英語、日本語と続く。

これは決して、中国とイギリスを不当に尊敬しているわけではない。と信じているが、やはり公平に判断しているわけではないのだろう。


中国人たちによれば、日本語というのは美しいんだそうである。

私は、よくわからない。

これもやはり、文化的な劣等感から来るものなのだろうか。


言語の美しさを正当に評価するのは至難の業だ。


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