「教養主義者」

「じゃあAKB48は聞いたことないの」
「ないですね」
「ないですって!?!?あんたの教養が知れるわ」
「はあすみません」
「じゃあ山田悠介は読んだ?」
「いやあホラーはさっぱりで」
「あんたもう死になさい。山田悠介も読んだことがないんて!じゃあ宮部みゆきは」
「魔術はなんとかだけ読みました」
「なによそれ。ブレイブストーリーは?」
「映画は見ましたが、小説は…」
「そこから飛び降りなさい。あなたに生きている価値はないわよ」
「すみません」
「あたしはね。最近原田マハにはまってるのよ。それでね、影響を受けてピカソの絵を見たくて、西洋美術館に行ったのよ。あなた美術館なんて行ったことないでしょう?」
「一応あります」
「へえ?感心じゃない。どこへいったの?何をみたの?」
「DIC川村記念美術館です」
「聞いたことないわね。で、何を見たの?」
「アリクブラウアーとかありましたね」
「はあ?誰よそれ。聞いたことないわね。あんたが好きっていうならくだらない画家なんでしょうね」
「あとマークロスコとか」
「知らないわね。ま、どうでもいいわ。あんた少しは美的教養を身につけなさいよ。ピカソとかゴッホとかクリムトを」
「そうですかね」
「教養がない人はいまどきビジネスもできないわよ」
「勉強します。ハイ」
「音楽も文学も美術もだめなのね、あなたは。あたしがいろいろ教えてあげるわ」
「ありがとうございます」
「まずは文学から勉強なさい。そうねえ、初心者にわかりやすいのだったら、東野圭吾の容疑者Xの献身がいいでしょうね。読んだこと、ある?」
「一応読みました」
「あら、そう。あなたの足りない脳みそで理解できたのかしら。そうねえ、あ、そうだ。宮部みゆきのブレイブストーリー読みなさいな」
「映画は見たんですが」
「このバカッ映画なんかで文学が分かるわけないじゃない。文学を読まなきゃだめよ」
「分かりました」
「読んだら感想聞かせて頂戴」
「ええ」
「1か月後にテストするからね」
「分かりました。読んでおきます」


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