シェア
デンマーク文学・翻訳
2020年11月17日 23:26
お姫さまをお妃に迎えたいと望んでいた王子さまがいました。しかしそのお姫さまは、正真正銘のプリンセスでなければいけません。王子さまは世界の隅々に足を運んで、お妃の候補を探しましたが、必ずどこかで問題にぶつかりました。もちろんお姫さまはたくさんいたのですが、「正真正銘の」となると、なかなか見つかりませんでした。決まってお姫さまのどこかが、正真正銘のプリンセス、とは違っていたのです。お姫さまをどうして
2020年10月29日 04:53
『マッチ売りの少女』・アンデルセン作 寒さが身に染みる大晦日の晩、辺りは薄暗くなり雪が降っていた。冷たい闇が降りた夜道を、貧しい少女は帽子もかぶらずに裸足で歩いていた。家を出るときにはもちろんスリッパを履いていたのだけれど、それが何の役に立ったか! ママが履いていたスリッパだったから少女には大きすぎた。道を渡っているときに、二台の馬車がものすごい勢いでやって来たのに慌てた少女は、スリッパを無く