＃７ それから
○ ７ - １ 記者会見 会場 昼
記者会見。謝罪する中年男。
（シノサキ会長ではない）
絶え間ないフラッシュ。
謝罪屋 「えー、この度は、我が社が資金提供をしたエンジニアが、この様な事件を起こしてしまい・・・」
○ ７ - ２ 某所
シノサキ会長がTVで記者会見の報道を食い入るように見ている。
シノサキ 「瞬きが多いなあ！」
○ ７ – ３ 新アジト 昼
無人の新アジト。荷物も引き払われている。
○ ７ - ４ 某部屋
狭い民家（ホテルの一室でも？）。
田中がハンディカメラに向かって喋っている。
田中 「みなさん初めまして。田中といいます」
田中 「あれから、丁度半年が経ちました」
○ C - 記録映像
ハンディカメラ風の記録映像。
田中 「こうして、犯人は逮捕されるに至りました。しかし。真の黒幕とも言える天求会は、この国の権力によって守られ、未だ裁かれずにいます」
メディアが撮った管嶋の写真、天求会のシンボルマークなどの資料がインサート。
田中 「・・・確かに、私たちは日陰者で、これまで多少なり法律を無視してきました。それは、恥ずべきことです。ですが、なりふり構わず悪と戦った彼らのことを、私は誇りに思っています」
田中 「ちなみに、李くんは深い傷を負ったものの、一命を取り留め、今は故郷で暮らしています」
田中 「ということで。天求会にまつわる、とある資料を某掲示板で公表します。真偽は、みなさんのご判断に委ねたいと思います」
田中 「最後に。もしも私が死んだら、それは天求会の仕業です。福岡の、ひいてはこの国の深い闇が暴かれることを、強く願っています。以上、最後までご覧くださりありがとうございました」
田中がカメラの記録停止ボタンに手を伸ばす。
-------エンドロール------
○ E ライチの部屋
一緒にテレビゲームをする冬吾とライチ。
レトロなハードで格闘系のゲーム。
冬吾 「だったら、健康で平均的なルックスで、従順なマルチーズは」
ライチ 「可愛い」
冬吾 「じゃあそういう条件があるとして。ハッカーは、健康で平均的なルックスで従順だけど、ただ、声がおっさんみたいなマルチーズっていう例外を考えるんです」
ライチ 「おっさん？」
冬吾 「はい、声がおっさんです」
ライチ 「全然いける。まだ全然可愛い」
冬吾 「しかも喋ります」
ライチ 「え、それ最高」
ゲームがフリーズする。
※ソフトの接触不良。
ライチ 「くそ」
冬吾がカセットを抜き、挿す。
その時、カセットに名前が書かれていることに気がつく。
ライチ、冬吾からカセットを奪う。
冬吾 「本名ですか？」
ライチ 「違う、友達の。借りパクしてる」
冬吾 「ああ、それでライチですね」笑う
ライチ 「違うのしよう」
ライチが別のカセットをハードに挿す。
［終］
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