温暖化が原因なのか理由は不明ですが、天気が急変して雷鳴が轟く音を耳にしたことは少なくないと思います。昨日も急に曇ったかと思うと、雷がゴロゴロとなっていました。雷の発生原理は、研究が続けられていて、まだ正確には解明されていないそうです。2021年現在、雷は主に、上空と地面の間または上空の雷雲内に電位差が生じた場合の放電により起きる、と考えられています。
雷(かみなり)の語源は、図のように神様が鳴らすものと信じられていたので”神鳴り”と呼ばれるようになりました。これは音という物理現象にフォーカスした捉え方で、それに対する英語はthunderです。偶然かもしれませんが、音がちょっとsoundに似ています。稲光(いなびかり)は、光という物理現象にフォーカスした捉え方で、それに対する英語はlightningです。英語には、音と光の両方を表す雷の単語があって、それがthunderboltです。日本語には、稲妻(いなづま)という言葉があります。これは、稲穂は雷に感光することで実る、つまり”稲の妻”であるという信仰から生まれたようです。
雷の放電は、大気中を走る強い光の束として観測され、1回の放電量は数万~数十万アンペアで、電圧は1~10億ボルト、電力換算では平均で約900 GW(=100Wの電球90億個分)に及びます。しかし、時間にすると1/1000秒程度でしかないので、エネルギーに換算するとおよそ900 MJになります。このエネルギー量が多いのか少ないのかわかりませんが、この電力量をすべて貯めて使うと、家庭用エアコン1基を連続運転で10日強ほど使用できます。
少し強引ですが、雷の鳥と言えば雷鳥です。ライチョウは、”霊の鳥(レイノトリ)”や”霊鳥(レイチョウ)”、から”雷の鳥(ライノトリ)”や”雷鳥(ライチョウ)”に変化していったと考えられています。雷と関連づけられたのは江戸時代以降らしいです。ライチョウの英語名はRock ptarmiganであり、直訳調のサンダーバード(Thunderbird)ではありません。サンダーバードは、カナダ西海岸部やアメリカの先住部族の間に伝わる神鳥なので実在しません。サンダーバードは、雷の精霊で自由自在に雷を落とすことができ、獲物も雷で仕留めるそうです。
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