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"報道しない自由"ってあるの?

『報道しない自由』とは、国民の知る権利のために報道機関が有する『報道の自由』に対して、報道機関が”恣意的に”報道しないことによって国民に知らせない自由のことを意味します。報道の自由は当然だとしても、”報道しない自由”を認めることは、”公平性を著しく欠いた”危険な状態だと感じます。

そもそも放送事業者については、放送法第4条に「政治的に公平であること」や「意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること」という規定が明記されていますから、”報道しない自由”が放送法に抵触する可能性すらあります。もちろん、「全てを報道しろ」と主張しているわけではありません。問題によっては個人情報保護の観点から、公表し難いものもあるでしょう。しかし、出来るだけ公表する方向で努力することは必要です。

馬鹿正直でクソ真面目な日本人は、マスメディアによる報道を”正しい”と信じている/信じたいと思っています。しかし、この状況を考えると、信じすぎることにはかなりのリスクがあります。ネットメディアが普及していない時代ならまだしも、こんなにネットメディアが広く普及した時代には、隠そうと思っても隠せない事実があることを天下のマスメディア各社はご存知ないようです。

報道の自由と報道しない自由は、表裏一体です。”報道の自由度”が高ければ、”報道しない自由度”は低くなります。逆に、報道の自由度が低ければ、報道しない自由度は高まります。国際ジャーナリストNGOの国境なき記者団(略称RSF)は、2002年から毎年『世界報道自由度ランキング』を発表しています。2022年版での首位はノルウェーで、日本は71位でした。

G7諸国では、ドイツ16位、カナダ19位、英国24位、フランス26位、米国44位、イタリア58位ですから、日本の71位は断トツの最下位です。なるほど、日本では”報道しない自由”が認められている?理由が、この順位からもよくわかります。

今とは状況が大きく異なりますが、太平洋戦争中、軍部に屈して大部分の新聞社が”報道しない自由”を行使しました。その結果、何も知らされない国民は、いきなり終戦の玉音放送を聞かされることになりました。今現在、マスコミ各社は、この時の反省を活かしているとは言えません。

事実に基づいた正確で公正な情報を提供出来なければ、マスメディアは信頼されませんし、未来はありません。そのことをテレビ局や新聞社は自覚しているのでしょうか。自覚していないのであれば、危機管理意識の無さにあきれるばかりです。

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