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『宴会』という文化

 コ〇ナの影響もあって、大人数での忘年会や新年会は、今回も自粛ムードのようです。私は大人数の立食パーティーみたいなのは苦手ですが、宴会は割と好きです。パーティーが苦手なのは知らない人が多いためで、知り合いばかりの宴会はそれほど苦手ではありません。宴会が苦手でないもう一つの理由は、「子供の頃から慣れている」せいです。

 私が住んでいた田舎では、今のように好きな居酒屋や料理屋が選べるほど、多くの店があるわけではありませんでした。ましてや、まだまだ日本中が貧乏だったので、宴会は(狭い)家でやっていました。我が家でも、娯楽の少ない田舎の数少ないイベントとして、”家での宴会"が度々行なわれていました。宴会は、父の職場の友人たち5-6人が主要メンバーでした。

 宴会はほぼ毎月行なわれ、回り持ち(当番制)なので、半年に一回くらいのペースで我家の番がやって来ます。大人数なので、料理はいつも鳥の水炊きなどの鍋料理でした。宴会の時は、私達家族の分も同じ宴会料理になりました。父の友人は、陽気に酒を飲む酒癖の良い人がほとんどでしたが、時々、誘ってもいない酒癖の悪い人が乱入してくることもありました。そんな時は最悪です。小学生の頃から、大人の酔っ払いを数多く見てきました。これで宴会に対する免疫が付いたのかもしれません。

 宴会は、最初は雑談から始まりますが、酒が進んでメートルが上がってくると、個人の持ちネタが披露されます。一人芸達者な人がいて、その人が「一人ミュージカル」みたいなのを始めると、ヤンヤヤンヤの大喝采でした。それから昭和の定番ですが、エロ歌謡をみんなで大合唱していました。小学生の頃は、エッチな歌なんだろうけど、意味がよく分からない歌もありましたが、中学生の頃には内容がほぼ把握できるようになりました(笑)。

 大学生になって自分も酒が飲めるようになってからは、少人数で飲みに行くことが多かったのですが、時々開催されたクラスの宴会(コンパや忘年会)には必ず参加しました。私が大学生の頃の宴会芸は、アテブリでした。アテブリというのは、みんながよく知っている歌の歌詞に合わせて、身振り手振りで面白おかしく演じるものです。映画『鴨川ホルモー』を見た人ならわかると思いますが、劇中に出てくる『レナウン娘』のくだりがアテブリです。私が覚えている他のネタには、『アタックNo.1』や『鉄人28号』などがありました。今の若い人にはピンと来ないと思いますが・・・。

 また大学生の宴会では、エロ替え歌も多く歌われました。「乗ってる乗ってる乗ってる乗ってる、ヤマハメイト♪」はバイクのCMソングですが、ヤマハメイトの部分を変えた替え歌が歌われたり、「若く明るい歌声に♪」で有名な『青い山脈』のエロ替え歌も定番でした。その他にも、替え歌ではありませんが『キ〇タ〇の七不思議』というオリジナル曲(?)もありました。

 昭和の時代は、今のように洗練されていない猥雑な時代でしたが、バイタリティーに満ち溢れていたような気がします。今の日本は、少し元気がないですね^^。

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