はじめての海苔弁

　私が大学生の頃に、ご飯が暖かい持ち帰り弁当が普及し始めました。私が住んでいた下宿の近くにも、チェーン店ではない独立系のお弁当屋さんができました。大学の授業がある時は、学食で食べることが多かったのですが、授業の無い日曜には、当時はまだ珍しかった持ち帰り弁当を買うこともありました。

　良く買っていたのは、唐揚げ弁当やハンバーグ弁当でした。近所のお弁当屋さんのメニューに海苔弁があったかどうかは覚えていませんが、海苔弁を食べた記憶がありません。大手のチェーン展開のお弁当屋さんの海苔弁のことは知っていますが、今まで食べたことがありません。

　海苔弁を知らない人のために説明しますが、海苔弁は最もコスパの良い(価格が安い)お弁当として知られています。ご飯には醤油に和えた鰹節が乗せられていて、その上に海苔が敷き詰められています。その海苔の上には、魚フライ・竹輪の磯部揚げ・キンピラ牛蒡の三点セットが乗っています。お店によっては、これ以外にもオカズがあるかもしれませんが、これが海苔弁の基本スペックです。

　この年齢になって、今日初めて海苔弁を食べました。今日は妻が仕事で遅くなるため、息子が弁当を買ってきてくれました。それが、海苔弁でした。しかし、オリジナルの海苔弁ではなく、ゴージャスな海苔弁でした。例の三点セットはきちんと押さえていましたが、それに加えて、唐揚げ・ミートボール・卵焼き・ウインナーが入っていました。若者が好きそうなオカズのオンパレードです。

　ゴージャスな海苔弁のお陰で、お腹が一杯になりました。今回は邪道な海苔弁でしたが、いつかオリジナルの海苔弁を食べてみたいと思いました。