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湯(ゆ)の由来について考えてみた♨

 真夏の暑さも峠を過ぎ、もう少しすれば秋を感じ始める季節になりました。涼しくなってくると、やっぱり温泉が恋しくなりますね。そこで、温泉に関係する湯(ゆ)という日本語の語源を調べてみました。

 早速検索してみると、語源由来辞典というサイトで、以下の説明を見つけました。以下は参照(原文ママ)です。『湯の語源には、温泉が湧き出る意味の「いづ(出)」の反や、「湧」の字音からなど諸説あり、有力とされているのは「ゆるむ(緩む)」の意味とする説である。冷水は縮まるようなものであるのに対し、湯は身も緩やかになるものなので妥当な説といえる。』と書いてありましたが、さっぱり意味が分かりません。そもそも、”ゆ”が漢字伝来以前から使われていたのなら、これらの説明は全く的外れです。

 それでは、これから私の蘊蓄力を総動員した一つの仮説を紹介します。私の日本語仮説の一つに、『身近な事物は一音』というのがあります。これは日本語が成立していく過程で、よく使われる身近な単語は短いはずだという仮説です。例を挙げれば、猪(い)や井(い)、卯(う)や鵜(う)などです。証拠は全くありませんが、””は”暖かい液体”の意味で古くから使われていたのではないかという仮説です。以下に、全く別の角度からの状況証拠を示します。

 最近ではあまり使われません日本語ですが、オシッコ(尿)は”いばり”とも呼ばれました。時代小説が好きな人なら、一度くらいは読んだことがあるはずです。”いばり”は元々、”ゆまり”や”ゆばり”が変化したもので、”ゆ”を”まる/ばる(放つ)”と言う意味です。つまり、”ゆ”の由来は”我々の体から出てくる身近な暖かい液体”の可能性があります。もっと簡潔に言うと、”おしっこ”が”ゆ”の由来と考えられます。現在では野外での立小便は厳禁ですが、大昔なら当たり前で、冬の寒い時期なら暖かい湯気が出ていたことでしょう。

 それでは、”暖かくない液体”は何と言っていたのでしょうか?。現在では湯(ゆ)の対義語は水(みず)ですが、”みず”は””と呼ばれていた可能性が高いと考えています。今度はオシッコ(尿)ではなく、ツバ(唾)の””です。偶然ですが、どちらも最も身近な液体です。”つ”から”みず”への変化は、『つ→みつ→みづ→み/みづ→み/みず』のように考えられます。ちなみに、港のことを津(つ)と言いますが、これも””すなわち"水が多い場所"を表わしている可能性があります。

 味噌汁は元々は”付(つけ)”と呼ばれていましたが、”御付(おつけ)”、”御御付(みおつけ)”と変遷して、最終形態が”御御御付(おみおつけ)”です。”おみず”もこれに近くて、”水(つ)”が”御水(みつ/みづ)”に変化し、さらに”御御水(おみず/おみづ)”に変わっていったと考えられます。

 もちろん、ここでの仮説は私の勝手な仮説です。残念ながら、科学的/学術的な証拠はありません。


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