漢字の閏は、王が門の中にいることを表す字で、中国では暦からはみ出した閏日(閏月)には、”王が門の中に閉じこもり政務を執らない”ことに由来します。日本では、潤を”うるう”や”うるむ”と読むことから、閏の漢字にも”うるう”の読み仮名が当てられたようです。しかし、本来の読み方は”じゅんねん”です。ちなみに、閏年は英語で leap year と言います。
閏年が必要なのは、地球の1年つまり地球の公転周期が365日ピッタリではないからです。地球の公転周期は厳密には、365.242190402・・・(日)です。これを比較的キリの良い自然数を使った分数で表すと、365+1/4-1/100+1/400 (=365.2425)と近似することができます。この近似式が基になっているので、4で割り切れる年は閏年、ただし100で割り切れる年は閏年にしない、さらに400で割り切れる年は閏年にする、というルールが導けます。
基本的にはオリンピックの年が閏年ですが、今年の東京オリンピックは1年延期されたので、今年は閏年ではありません。では、どうして2月に1日足すのか、その理由がわかりますか?。
昔の暦は、植物(農作物)の活動が始まる1月(現在の3月)始まりで、1年は10月までしかありませんでした。現在の1月や2月は種撒きや収穫等の農耕行事とは関係ないので、日にちを区別する必要が無く、”何でもない月”だったのです。その証拠に、英語のSeptember, October, November, Decemberは、それぞれ7番目の月、8番目の月、9番目の月、10番目の月の意味を表しています。9月(September)は7番目の月ですが、3月から数え始めた7番目の月なのです。
ですから、農耕暦に関係ない2月の末日で1年の帳尻を合わせたわけです。英語の月の名称は、後半だけは月の順番通りです。しかし、当時の権力者が自分の権力を誇示するため、自分の誕生月に自分の名前を付けて、日数を1日増やしたりすることがありました。例えばAugustはローマ帝国の初代皇帝アウグストゥス(Augustus)に由来しますし、Julyはシーザーつまりユリウス(Julius)・カエサルに由来しています。
彼らのせいで、30日の月があったり、31日の月があったりします。その1日はどこから持ってきたかというと、当然”何でもない月”の2月からです。2月の日数が28日と少ないのはそのためです。
閏年の話に戻りますが、最初の近似式では3000年ほどすると誤差が貯まって1日ほどズレてきます。そこで私こと電磁郎が新しい近似式を提案します。その近似式とは1年=365+1/4-1/100+1/400-1/3200 (日) です。この式の意味は、「ルール4) 3200で割り切れる年は閏年にしない」の追加です。この近似式(のルール)なら、30万年程度は使うことができます。ただし、その頃には人類が絶滅しているかもしれませんが・・・。
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