薬が効いた気がする プラセボ効果
偽薬効果、プラシーボ/プラセボ効果とは、偽薬を処方しても、薬だと信じ込む事によって何らかの改善がみられることを言います。例えば車酔いしやすい人に、酔い止めだと言って普通のキャンディを舐めさせるだけでも、酔いがおさまります。そういえば子供の頃、私も車酔いがひどかったのですが、コーヒーガムや梅干しガムが車酔いに効くと言われて噛んでいたら、酔いが改善された経験がありました。
このプラセボ効果は、1955年にヘンリー・ビーチャーが研究報告をして、広く知られるようになりました。近年、喘息患者を対象にした研究で、偽薬や偽の鍼治療などをしても何ら病状は改善されないが、主観的な呼吸苦は西洋医学的な吸入薬と同等の改善が見られたという報告もあります。もちろん、それは良くなった気がするだけで、病気自体は何ら改善してはいません。
プラセボ効果が存在する可能性は、広く知られています。特に痛みや下痢、不眠などの症状に対しては、偽薬にもかなりの効果があるとも言われています。この効果は、新薬やワクチン開発にも利用されています。新薬やワクチンの効果を調べるためには、治験といわれる人間による実験が必要ですが、この時に偽薬が使われます。新薬の治験では、治験者を2つグループに分け、1つのグループには新薬を、もう一つのグループには全く薬理的影響のないブドウ糖や乳糖を与えます。これで優位な差が出なければ、効果無しということになります。
現在使われているコロナワクチンも、このような治験をクリアして承認されています。しかし、偽薬でも一定数の治験者には効果があります。人間が持つ免疫力は凄いです。
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