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権力への妄執 何処かと何処かの国

 このブログはエンタメ志向なので、政治的な主義・主張に関した記事を書くつもりはありません。ここでは、一般的な『権力』や『権力者』について、最近考えたことを書いてみようと思います。

 権力とは、ある主体が”相手にとって望まない行動を強制する能力”のことです。権力自体は漠然とした概念なので、その前に修飾語が付いて、”国家権力”や”政治権力”などのように使われます。警察などが国家権力と呼ばれるのは、警察(官)に犯人や容疑者を”逮捕して自由を奪う”権限(逮捕権)が与えられているからです。逮捕権は、警察官以外にも、麻薬取締官(厚生労働省職員)、労働基準監督官(厚生労働省職員)、海上保安官(海上保安庁職員)、陸・海・空 自衛隊警務官(自衛隊員)などが持っています。

 Wiki情報によると、権力という概念は17世紀の力学(物理の?)の発展を背景として生み出されたそうです。力学では、”あるエネルギー(力学的エネルギー)”が”別のエネルギー(熱エネルギー)”に変換が可能なことから、何らかの方法で、ある者が他者をその意に反してでも行動させることができる『特別な力(権力)』を保有しているという理解が生まれた、らしいです。

 先ほど出てきた逮捕権は、犯罪者などの行動制限を行なうもので、普通に考えれば正当な権利です。しかし、罪のない多くの人達にこの権利を行使すれば、どうなるでしょうか?。”表現の自由”が認められているのに、権力者の都合の悪いこと(嘘やデマは除く)を言えば逮捕されたりします。この事を権力者の皆さんにはよく考えて、権力を行使してもらいたいと思います。

 私自身は、幸い権力を持ったことはありませんし、権力者の知り合いもいないので、権力については深く知りませんが、一旦『権力の味』を知ってしまうと後戻りできないのかもしれません。それこそ、アダムとイブの”リンゴ”みたいなものなのでしょう。

 しかし、権力者は権利を行使し続けられるのでしょうか?。普通に考えれば”否”です。人間には寿命があるので、どんなに頑張っても、いつかはその人の死によって権力の行使も終わります。現実世界では、死なない人はいないので、例外はありません。時の権力者は、この辺の視点が抜け落ちているように思います。天国(または地獄)まで持っていけない権力に、そこまで妄執する理由が理解できません。たぶん、権力者にならないと永遠に理解できないのかもしれません。

 昔、『アリの兵隊さん』(だったと記憶している)四コマ漫画がありました。この漫画では、アリの兵隊Aとアリの兵隊Bが、互いの武器を見せ合い競い合います。これは、当時のアメリカとソ連の核軍拡競争を揶揄やゆしたマンガでした。たしか、最後のコマでこう締めくくられています。「どこかにいるんだよなぁ。こんな馬鹿たちが」

 この前、ネットで読んだマンガ『ミステリと言う勿れ』に記憶に残った台詞セリフがありました。正確には覚えていませんが、「人それぞれに正義があるが、事実は一つだ」というようなセリフです。権力者には”権力者なりの正義”があるのでしょう。しかし、その権力行使によって”困っている多くの人がいる事実”は変わりません。権力者には、この”重い事実”を直視して欲しいと思います。

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