マリー・アントワネット発言
「パンがなければお菓子を食べればいいじゃない」という発言で有名な、マリー・アントワネットはフランス国王・ルイ16世の王妃です。しかし、この発言は現在では、彼女の言葉ではないとされています。マリーは、オーストリアとフランスの政治的同盟のため、ルイ16世と政略結婚しました。彼女の母親のマリア・テレジアは、ハプスブルク帝国(オーストリア)の君主で、実質的には”女帝”でした。女帝・マリアは多産で16人も子供を産んでいますが、マリーは第15子目です。一国の王妃になったマリーですが、最後はフランス革命で処刑されてしまいました。
前述の発言が捏造されたように、マリーはフランス国民には不人気だったのかもしれません。しかし、よくよく考えてみれば、政治的な混乱を招いたのはフランス国王・ルイ16世や、その周りの政治家たちです。マリーは、政治に介入したわけではないし、そんな立場でもなかったようです。ひょっとすると、母親の女帝・テレジアのイメージが、マリーと結びついたのかもしれません。
偽のマリー・アントワネットの発言が、世の中には広まっていますが、結構まともなことも言っています。例えば、こんな発言です。
・苦難はまず、自分がどういう人間なのかを自覚させる。
・みんなが取り乱しているときには、冷静さを保つことが大切なのです。
・わたしにとって最大の不幸は、みんなを失望させることです。
また、政略結婚を想起させるような、こんな発言もあります。
・わたしはすべてを見て、すべてを聞いた。そしてすべてを忘れたのです。
・わたしは育てられたのではなく、作りだされたのです。
処刑される前には、彼女は次の言葉を残しています。
・さようなら、いとしい人よ。あなたへの愛を止められるのは死だけです。
・さようなら、わたしの子どもたちよ、永遠に。わたしはあなたの父のところへ行くのよ。
そして、処刑される直前、マリーが死刑執行人の足を踏んでしまった際に発した最後の言葉が残されています。
・お許しくださいね、ムッシュ。わざとではありませんのよ。
本当のことは分かりませんが、マリー・アントワネットは常識的な優しい女性だったのかもしれません。
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