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昭和の演芸#2 東京コミックショー

 子供の頃に好きだった次の演芸は、「レッドスネーク、カモン!!」でお馴染みの東京コミックショーです。東京コミックショーと銘打っていますが、出演するのはアラビア風の帽子を被ったお腹の出たオジサン一人です。このオジサンが、笛(リコーダー)をピーヒョロピーヒョロ拭きながら、ヘビ使い(のような)芸を披露します。このオジサンが、ショパン猪狩いがりという芸名だということを、Wikiで初めて知りました。

 演目は、3つの壷からカラフルな蛇の縫いぐるみをニョロニョロと登場させる芸”三蛇調教”です。小学生でもわかるタネですが、”壺の下に人間がいてオジサンが言う色のヘビを出す”、たったそれだけのショーです。しかし、オジサンの愛嬌のある巧みな話術で、マンネリなのに面白いショーでした。

 中の人が大変だろうと思いますが、中の人はオジサンの奥さんでした。最初はお客さんのリクエストに応えた色のヘビを出すのですが、そのうち「二匹同時に出せ!」というリクエストが来たりします。腕は二本あるので、レッドスネークとイエロースネークまでなら問題ありません。しかし、最後には「三匹同時に出して欲しい」と無茶なリクエストが来たりします。

 こうなると、クライマックスです。「オールスネーク、カモン!!」と言うと、両端からはレッドとグリーンのスネークが出てきて、最後に真ん中からは奥さんの顔が出てきます。演目の進行は単純で、毎回どうなるか分かっているのですが、何度見ても笑ってしまいました。

 Wiki情報で知ったのですが、このオジサン・ショパン猪狩は、伝説的なコメディアン(といっても私は知らない)であるパン猪狩の弟さんなのだそうです。また、前回紹介した帽子芸の早野凡平さんは、パン猪狩さんの弟子だそうです。たまたま好きな芸人さんが、実はつながりがあったことを知って、半世紀ぶりに驚いています。

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