子供時代の私は”とっても良い子(?)”でしたから、駄々をこねた記憶はありません。家がそれほど裕福では無かったこともあり、何かをおねだりすることはなかったし、ましてや駄々をこねることもありませんでした。
『駄駄を捏ねる』は、幼児などが甘えて、いうことを聞かない状態を指します。”だだをこねる”という表現は、既に江戸時代にはあったようで、俳句集のなかに「どろまぶれ だだをこねてる 左官の子」と言う句があります。
駄駄とは、分別を欠いた我儘な行動を表す言葉ですが、よく考えてみると駄駄の語源がよくわかりません。語源として最も有力な説としては、地団駄が音便変化したという説があります。また、その次に有名なものは「いやだ、いやだ」の略語と言う説です。
しかし、ちょっと待って下さい。駄駄がこのような意味なら、あとに続く”こねる”の意味がわかりません。私の考察では、やはり駄駄は”こねられるモノ”に違いありません。駄は、駄菓子や駄洒落のように、名詞の頭に付いて、値うちのないもの、つまらないもの、粗悪なものなどの意を表します。
そこで、先の俳句「どろまぶれ だだをこねてる 左官の子」がヒントになりそうです。左官がこねるモノと言えば、”壁土”または”漆喰”です。私の推理では、駄駄は”壁に塗る前の泥”なのだろうと思います。
そのように考えると、先の俳句の解釈が変わってきます。”だだをこねてる”を現在の意味で解釈すると、”我儘な左官の子”が思い起こされます。しかし、駄駄が土壁用の泥なら、”父ちゃんである左官の真似をして、楽しそうに泥をこねて遊んでいる子供”が目に浮かびます。
私の”駄駄の新解釈”は、イケてると思うのですが・・・。
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