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お薦めマイナー本#9 πの歴史

 3月14日は、バレンタインデーのお返しの日、ではなくてホワイトデーです。昔はマシュマロデーとも呼ばれていたように思いますが、いずれもお菓子屋さんの戦略です。もう一つのお菓子屋さんの戦略が、3.14の数字にちなんだ”パイの日”です。ここでのパイはお菓子ですが、πと言えば円周率ですね^^。

 円周率は、整数の分数で表すことができない無理数で、3.14159265・・・と無限に続きます。数日前に、スイスのグラウビュンデン応用科学大学の研究チームが、円周率計算の世界記録に挑戦し、これまでの記録の50兆桁を12.8兆桁更新する、62.8兆桁まで計算したというニュースが載っていました。

 さすがに60兆桁を覚えることはできませんが、私が覚えている円周率の記憶法は「産医師異国に向こう、産後役無く、産婦御社(みやしろ)に、虫散々、闇に鳴く」で、3.14(産医師)1592(異国に)65(向こう)35(産後)8979(役無く)32(産婦)38462(御社に)6433(虫散々)83279(闇に鳴く)と言う語呂合わせになっています。これには続きがあって、「502884197(御礼には早よ行くな)・・・」ともう少し先まで覚えられます。

 円周率は簡単に言うと、「円の直径と円周の割合」または「直径1の円の円周の長さ」になります。この円周率をπという記号で表し始めたのは、比較的最近で18世紀頃らしいです。円周率πは無限に続く数なので、実用的には近似値(近い数値)が必要です。旧訳聖書には”丸い湾の周囲の長さ(30キュービット)と向こう岸までの距離(10キュービット)”の記述があって、その記述からは、πの近似値が3であることが読み取れます。

 円周率のことや、円周率の歴史、円周率の基礎的な計算法が知りたい人には、この本『πの歴史』がお勧めです。ただし、文庫本なのに割と高価なことが、玉に瑕です。円周率計算のギネス記録に挑戦したい人は、この他にも多倍長計算やGPGPUによる並列計算を勉強する必要があるでしょう。どうして人間は、πや宇宙のように、無限に続くものに憧れを抱くのでしょうか?。


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