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お勧めシリーズ本#5 『池袋ウエストゲートパーク』シリーズ

  『池袋ウエストゲートパーク』は、石田衣良さんの連作短編小説集シリーズです。 このシリーズは、ここで紹介する必要がないほど、有名なシリーズ本です。 略称はIWGP(=Ikebukuro West Gate Park)ですが、プロレス好きならIWGPが新日本プロレスが開催したIWGP(International Wrestling Grand Prix;国際レスリング大賞)リーグ戦の名称と同じ略称であることがすぐにわかります。 石田さんは、ひょっとするとプロレスファンなのかもしれません。 現在までに、第1シーズン10巻と第2シーズン7巻が刊行されています。 私が読破したのは第1シーズンの10巻です。 

 主人公は真島誠(マコト)で、通称”池袋のトラブルシューター”です。 マコトは、池袋の工業高校を卒業後にフリーターとなり、実家の果物屋を手伝いながら、池袋西口公園(=池袋ウエストゲートパーク)を中心に、様々な揉め事を解決していきます。 マコトは比較的長身ですが、腕っぷしには自信がありません。 その代わりに、機転が働きます。 マコトは、その瞬間的な頭の回転の速さを長所にしています。

 主人公以上に目立っている脇役が、マコトの高校時代の同級生の安藤崇(タカシ)です。 タカシは、池袋を勢力下に置くカラーギャング集団”G-Boys”のトップに君臨していて、”キング”と呼ばれています。 タカシは、色白・細身ですが、天才的な反射神経と運動神経に裏打ちされた喧嘩の実力とカリスマ性で、池袋の不良少年少女たちをまとめ上げています。

 また、ストーリー全体のスパイス的な存在なのが、斉藤富士夫(サル)です。 サルは、池袋を仕切る暴力団・羽沢組の構成員、つまり暴力団員です。 サルは、身長155cmと小柄ですが闘争心が強く、冷静な判断力も持ち合わせています。 マコトとは、ある仕事の依頼をキッカケに、腐れ縁のような関係になります。 

 このキングとサルは人気が高く、IWGPシリーズのスピンアウト小説で主人公になっています。 また隠れた主人公が、マコトの母親です。 出てくる場面は少しですが、いい味を出しています。 確か石田衣良さんは私と同い年なのですが、若々しい文体と、その時代時代を鋭く切り取ったストーリーが修逸です。 

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