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化学物質過敏症は他人ごとではない

妻が原因不明の体調不良に悩まされています。”原因が不明”なので、この症状を改善することも出来ません。しかし、つい最近になって原因が化学物質であることがわかりました。私は至って健康なので、こんな症状があることを知りませんでしたが、『化学物質過敏症』というそうです。

化学物質過敏症とは、大量または長期的に化学物質に触れることで、頭痛・吐き気・息苦しさなどの多様な症状が表れる病気です。日本ではこれまで大きくクローズアップされていませんでしたが、最近はかなり認知が進んでいます。チョッとググっただけで多くのサイトにヒットしました。また、地方自治体のホームページなどにも化学物質過敏症の啓蒙サイトなど見られました。

化学物質過敏症で体調不良になっても、原因がよく分からないので、本人のサボりと考えられることが多かったようです。しかし、これは本人のサボりではなく、化学物質がもたらす症状なのです。これらの症状が出る人は、アメリカでは1割近くになるそうです。日本での正確な統計はありませんが、無自覚な人を加えればかなりの割合になるかもしれません。

原因となる化学物質は多岐にわたっていますが、妻の症状は窓掃除にアルコールを使ったことではっきりしました。調べてみると、アルコール消毒の後の飛散したアルコールを吸い込んで頭痛・腹痛になる人は結構いるようです。症状が重い人は、動けなくなったり、意識を失なうこともあるそうです。ちょっと怖いです。

化学物質過敏症は、アルコール以外にも合成香料の影響で誘発されることが多く、柔軟剤・シャンプー・毛染め・香水などの日常的に使うものが原因になることもあります。化学物質過敏症の人達は、その過敏性から”カナリア”と呼ばれているそうです。カナリアはガスなどに過敏なので、その昔、鉱山のガス検知に使われた歴史があります。日本ではオウム真理教の毒ガス事件があった後、麻原容疑者逮捕のために警察官がカナリアを持って逮捕に向かったことがありました。

この症状は、手術をしたり薬を処方すれば治るものではありません。この症状の緩和は、本人が日常生活の中で解決するしかないのです。今のところ根本的な解決策はなく、以下の3つの治療法が推奨されています。

❶ ビタミンやミネラルなどの栄養を補給して化学物質を解毒する
❷ 運動や入浴で脂肪や汗と一緒に化学物質を解毒する
❸ 化学物質を生活環境から取り除く

基本的には、「有害な化学物質を摂取しない」ことと、体内に入ってしまった場合は「出来るだけ早く体外に排出する」しかありません。化学物質過敏症は、まだまだ広く認知されていないので、周囲の無理解も治療を妨げる要因になっています。

私は、準ゴミ屋敷みたいな環境でも暮らせる健康体ですが、いつ化学物質過敏症になるかもしれません。こんな症状があることは知っておいて損にはなりません。他人ごとではないのです。

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