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『とりいかずよし先生』追悼 下ネタ漫画の系譜

 いつもは、関連記事を読んで、記憶を整理してから記事を書き始めるのですが、今回は勢いに任せて記事を書きたいと思ったので、自分の記憶だけを頼りにこの記事を書いています。ですので、勘違いや誤りが多く含まれていると思います。そこのところは、ご容赦ください。

 漫画家・とりいかずよし先生が鬼籍に入られたという、”短い記事”を読みました。今の若者には、「とりいかずよし?。聞いたことないな~!」が素直な感想でしょう。とりい先生の代表作が『トイレット博士』だと言っても、ほとんどの人が知らないでしょう。我々世代が『のらくろ』にピンと来ないのと同じで、現代人には『トイレット博士』も、記憶の彼方の存在でしかありません。たぶん『ガンダム』ですら、「ア~、昔流行はやったロボットアニメね」くらいの熱量でしょう。

 小学生の頃、一か月に一回、近くの散髪屋に行っていました。その散髪屋の待合室には、店主の好みなのか、少年マガジンと少年ジャンプが置いてありました。散髪は面倒で嫌いでしたが、マンガ目当てに散髪屋に行っていました。普通の人は、待っている間だけマンガを読むのですが、私は1週間分のマンガが全部読みたいので、読み残したマンガ数冊を鏡の前に置いてもらって、髪を切られながらマンガを読んでいました。小学生の頃から、マンガのヘビー読者でした。

 当時はスポ根(スポーツ根性もの)マンガが主流だったので、『巨人の星』が連載されている『少年マガジン』が、少年漫画誌のトップに君臨していました。少年ジャンプは後発のマンガ誌で、その頃はまだ二流マンガ誌のイメージでした。しかし、少年ジャンプは次々と新機軸を打ち出しました。第一弾が、永井豪先生の『ハレンチ学園』などのお色気路線です。当時は珍しかった、美少女キャラの胸やお尻の露出が若者をワクワクさせました。次に打ち出したのが、小学生をターゲットにした”下ネタ”路線です。

 『トイレット博士』は、その下ネタ路線のトップランナーとして登場した”下ネタ漫画”の金字塔です。この漫画には、一部の例外を除いて美少女キャラは出てきません。『天才バカボン』の主人公がバカボンではなく、”バカボンのパパ”なのと同じで、『トイレット博士』の主人公は、トイレット博士ではなく、”一郎太”という名前の地味な小学生です。一郎太には、たしか”チン坊”という後輩(子分?)がいました。他にも、数名のメンバーがいて”メタクソ団”という団体を結成します。メタクソ団の合言葉は『マタンキ~』で、たしかメタクソ団の証である”MKエムケイバッジ”というのもありました。

 『トイレット博士』には小学生の好きな、ウンチやオシッコなどが頻繁に出てきます。当時はドリフターズ全盛時代で、『八時だよ、全員集合!』のなかでの加藤茶さんの決め台詞『うんこ ちんちん』も、小学生にはバカ受けでした。最近でも、漢字学習のための『うんこドリル』が話題になったことがありましたが、”うんこ”の系譜はこの時から脈々と受け継がれています。

 『ドクタースランプ アラレちゃん』に出てくるウンチ君や、我々が想像する”うんち”の形は、トイレット博士の影響を受けています。たしか、トイレット博士唯一の美少女キャラの名前が”ウンコちゃん”です。ここでも、徹底しています。少し脱線しますが、”ちんこ”の系譜は、その後の『おぼっちゃまくん』の”ともだチンコ”に引き継がれていきました。

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 とりいかずよし先生の『トイレット博士』は下ネタ漫画の原点(ルーツ)です。謹んで、ご冥福をお祈りいたします。

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