『パンドラの箱』は、様々な災いを引き起こす原因となるものの例えです。太宰治が書いた”お伽草紙”の中では、「この竜宮のお土産も、あの人間のもろもろの禍の種の充満したパンドラの箱の如く、乙姫の深刻な復讐、或いは懲罰の意を秘めた贈り物であったのか」とパンドラの箱のことが書かれています。
今はパンドラの箱ですが、オリジナルの話ではパンドラの壺となっています。パンドラの箱(壺)の話は、こんな感じです。
太古の昔、人間たちは神・プロメテウスによって火を使うことを教えられました。これによって人間たちの暮らしは豊かになりましたが、同時に、火を用いて争いをするようにもなりました。そこで、全能の神・ゼウスは、人間たちを懲らしめるために、パンドラという女性に箱(本来は壺または甕)を持たせて、人間界へと送り込みます。パンドラは、好奇心に負けて「絶対に開けてはいけない」と忠告されていたその箱を開けてしまいます。すると、中から病・犯罪・嫉妬・憎悪・疑心・邪心・悲嘆などの、ありとあらゆる災い(悪)が飛び出してきました。慌てたパンドラが箱を閉めた結果、箱の中には”希望”だけが残されました。この話は、紀元前700年頃に実在したと推定される古代ギリシャの抒情詩人ヘシオドスの『仕事と日』に記されています。
浦島太郎の玉手箱と同じで、開けて欲しくなければ最初から渡さなければよいのにと思ってしまいます。「○○するな!」というのは、○○をしてしまうフラグです。乙姫もゼウスも意地悪です。ちなみに、パンドラ(パンドーラー)とはパン(全ての)+ドーラ―(贈り物)という意味らしいです。この場合の贈り物は、”人類の災い”です。
ところで、”パンドラの壺”を検索していたら、美味しそうなスウィートの画像が表示されました。チョコでコーティングされた中身は、パンとドラ焼きで出来ているようで、パン+ドラでパンドラというネーミングになったみたいです。写真に見えるPascoの文字は、敷島製パン(株)のブランド名のようです。私はまだ実物を見たことがありません。今でも売ってる?。
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