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バーナム効果とフリーサイズ効果

 最近、西洋占星術に興味を持ちました。ただし、占いに興味があるのではなく、天体の運行の方に興味があります。

 占いを信じていない人でも、「占いは当たらないものだ」と過度に自己暗示をかけると、前回のカリギュラ効果によって「ひょっとしたら当たるかも?」と思えてきます。何事にもバランスが大事なので、ご用心を!。

 占いの言葉(表現)では、多くの人に当てはまることが、まるでその人だけのことのように語られます。これが占い師の「当たる/ハズレる」の技量の差になっています。このような、星座占い性格診断で、誰にでも該当するような曖昧で一般的な記述を、自分だけに当てはまるのだと勘違いしてしまう心理学の現象のことを、バーナム効果あるいはフリーサイズ効果と言います。

 例えば、「あなたはロマンチストな面を持っています」とか「あなたは快活に振舞っていても心の中で不安を抱えている事があります」といった診断を被験者に与えた場合、被験者の多くが自分の診断は適切なものだと感じてしまいます。こんなことを言われたら、私でもコロッと騙されそうです^^。1948年、アメリカの心理学者・フォアは、学生たちに性格について心理検査を実施し、その検査の結果に基づく分析と称して下記の文を示しました。

1.あなたは他人から好かれたい、賞賛してほしいと思っており、それにかかわらず自己を批判する傾向にあります。また、あなたは弱みを持っているときでも、それを普段は克服することができます。
2.あなたは使われず生かしきれていない才能をかなり持っています。外見的には規律正しく自制的ですが、内心ではくよくよしたり不安になる傾向があります。正しい判断や正しい行動をしたのかどうか真剣な疑問を持つときがあります。
3.あなたはある程度の変化や多様性を好み、制約や限界に直面したときには不満を抱きます。そのうえ、あなたは独自の考えを持っていることを誇りに思い、十分な根拠もない他人の意見を聞き入れることはありません。しかし、あなたは他人に自分のことをさらけ出しすぎるのも賢明でないことにも気付いています。
4.あなたは外向的・社交的で愛想がよいときもありますが、その一方で内向的で用心深く遠慮がちなときもあります。あなたの願望にはやや非現実的な傾向のものもあります。

 実は、フォアはこの文章を星座占いの文章を適当に組み合わせて作文したのでした。フォアは、この文章を学生たちに見せて、分析がどれだけ自分にあてはまっているかを0(まったく異なる)から5(非常に正確)の6段階で、学生たちに評価させました。すると、適当に作った性格判断の平均点が4.26もあったのでした。

 このバーナム効果やフリーサイズ効果は、さらなる人間の錯覚を生み出します。その一つは、私たちは自分の性格はこうだと指摘されると、それに当てはまる行動ばかりを探してしまうのです。例えば、「あなたは外向的で優しくて、でもちょっとおっちょこちょいで・・・」と言われると、それにあてはまる特徴ばかり探してしまいます。これは確証バイアスと呼ばれています。人間の心理は、面白いですね。

 この記事を信じるかどうかは、あなた次第です。


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