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 長生きすれば、嫌でも老化とお付き合いしなければなりません。長生き自体は良いことだと思いますが、長く生きれば身体的な機能はどんどん衰えてきます。筋力はもちろんのこと、記憶力は確実に落ちてきます。

 個人的には記憶力には割と自信があって、若い頃には無駄な知識までどんどん記憶できました。しかし、今では新しいことを覚えるのに時間がかかります。また、以前覚えていたことも忘れたりします。若い頃は、芸能人の顔や名前がすぐに出てきたのですが、今は”あ~あの人だ”とわかっていても名前が出てきません。「確かこの人は、昔あの人と結婚していたが離婚した人で、いまは別の人と結婚している・・・」といった、その人の周辺情報は思い出すのに、もどかしいことに肝心の名前が出てきません。

 年を取って来てから使用頻度が増えた言葉が、「これ、それ、あれ」などの指示代名詞です。全然知らない人に、「あれ取って」とお願いしても何が欲しいのか理解してもらえません。しかし夫婦間のように、長年の共同生活と共通認識があると、結構伝わったりします。結婚したての頃は、「あれ取って」と言っても、「あれって何よ!」という返事が返ってきましたが、今なら「はいはい、あれですね」と言ってこちらが思っていたものが出てきたりします。まるで、テレパシーみたいです。

 もちろん、意味不明なアレ、コレ、ソレを使わないようにしたいのですが、スンナリと名前が出てきません。昔は人の名前や顔が一致して覚えられていたのですが、最近はサッパリです。そこで諦めて、最初から覚えないことにしています。

 見たことある人なのに、名前が出てきません。しかし、その人は親しそうにこちらに話しかけてきます。こんな時はどうすれば良いのでしょうか?。若い頃に、大学の先生から聞いた裏技を紹介します。これは、比較的ポピュラーな技ですが、度胸や厚かましさが必要です。

 「失礼ですが、お名前は何とおっしゃいました?」。「まいったなぁ~、山田ですよ」。「いえいえ、私が聞いたのは下のお名前です」と言って、名字は知っているふりをする、という方法です。しかし、バレバレですよね(笑)。

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