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ドラマチックな設定

 およそ半世紀前のお話です。当時小学生の私は、学研の『科学と学習』が好きで、特に『科学』が大好きでした。家が裕福ではなかったので、毎号は買ってもらえませんが、お正月特集号は買ってもらってました。年末に発売されるお正月特集号は、特に付録が豪華で、いつもは買わない同級生もお正月号だけは買っている子が結構いました。

 その頃は、私の読書暗黒時代だったので、小説などの本はほとんど読んでいませんが、『科学』の記事やマンガは熱心に読んでいました。その中でも、記憶に残っている”科学マンガ”があります。タイトルは忘れてしまいましたが、突然変異したカビ(たぶんカビロゾアという恐ろし気な名前)が、人類を滅亡の危機に陥れるお話です。

 ストーリーは、こんな感じでした。ある時新種のカビが現れ、人類を次々と病気にしていきます。カビロゾアは繁殖力が強く、胞子を飛ばしてどんどん広がって行きます。主人公は様々な手段で宿敵カビロゾアに対抗しますが、なかなか撃退できません。人類が諦めかけた時、さらに大地震という悲劇が街を襲います。万事休す?。しかし、地震の断層付近で発生した新種のカビ(地震カビ)が、カビロゾアに対抗できることを主人公が発見します。地震カビによって、人類は絶滅の危機から救われました。

 恐らくですが、カビから作られたペニシリンが抗生物質として働くことを念頭に置いた物語だと思います。カビでカビを制す。小学生用のマンガなのに、科学的な要素を巧みに取り込んだ硬派なストーリーでした。

 同じようなストーリーを、現在のコ〇ナで妄想しました。現在、オミク〇ン株が欧米で猛威を振るっていますが、強毒化したような情報は伝えられていません。これはあくまで一般論ですが、ウイルスはその変異の順序として、徐々に感染力が強くなって、弱毒化する傾向があります。

 もしも、この傾向が本当だと仮定したら、弱毒化したオミク〇ン株に感染し、免疫を獲得することで、コ〇ナを終息に導くことができるかもしれません。コ〇ナでコ〇ナを制す。本当にそんなドラマチックな結末になれば良いのになぁ、と今日も妄想しています。

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