「虫愛づる姫君」と「蜂飼大臣」
虫愛づる姫君は、自らもムシを飼育し、彼女の供の者にムシの名前を付けるちょっとお茶目なナチュラリスト(?)です。さらに、子どもたちにもムシのアダ名をつけて、手下のように使ってムシを捕まえてこさせます。この話は、12世紀に書かれた短編小説集『堤中納言物語』の短編の一つです。この話では、当時の貴族社会の慣習に反し、平安の宮廷婦人に期待される振る舞いを破る女性が描かれています。
姫君は、和歌に毛虫のことを読んだり、身なりも一切気にしません。姫君は、髪を耳の上に掻き上げ、眉毛を抜