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自分マガジン お薦め本

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私が読んで面白かった本を紹介します。ジャンルは様々です。世間に余り知られていないであろうマイナー本から、メジャーな本まであります。
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#思い出

オヤジの読み聞かせ(番外編) 『シナの五にんきょうだい』

 読み聞かせの記事はまだ一つしか書いてないのに、いきなり番外編です。今回は、私が子供の時に好きだった昔話の思い出を書きます。 『シナの五にんきょうだい』は、「昔シナの国に、姿かたちがそっくりの5人きょうだいが、お母さんと一緒に暮らしていました。兄弟は5人ともそれぞれに不思議な力を持っています。一番上のにいさんは、海の水を全部飲み干すことができました。ところがある時事件に巻き込まれてしまい・・・」というあらすじの古典の名作です。  しかし、この絵本の歴史には浮き沈みがあって

お薦めマイナー本#7 日高山伏物語

 今回紹介するのは、児童文学にカテゴライズされる『日高山伏物語』です。日高山伏物語は、動物を主人公にした児童文学で有名な椋 鳩十(むく はとじゅう)の作品です。  椋鳩十は鹿児島出身の元・教員で、鹿児島県立図書館長も務めたことのある作家です。私も小学生の頃に、この本を含めて何冊か読んだことがありました。ただし、この日高山伏物語は、椋鳩十の中でも異色な作品です。  日高山伏というので、日高地方の山伏の話かと思ったら、作者の出身地である鹿児島のお話でした。また、山伏を長い間”

お薦めマイナー本#1 日本女地図

 写真の殿山 泰司さんは、すでに平成元年にご逝去されているので、若い人は全く知らないと思いますが、癖の強い昭和の名脇役でした。"名脇役"というのはソフトな表現ですが、実際は”因業爺”や”エロ爺”の役が多かったと思います。戦後の日本映画に数多く出演されているので、古い映画が好きな人なら、顔ぐらいは見たことがあるかもしれません。殿山さんは、その破天荒で波乱万丈な人生でも有名でした。私は見たことはありませんが、殿山さんの生涯が映画化されているそうです。  殿山さんは、ジャズとミス