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手裏剣沼にズブズブと…

東京タワー向かいの手裏剣教室の興奮は、今考えると2つあったのだと思う。

一つ目は都会の真ん中に、しかも東京タワーの向かいのビルの地下三階に道場があり、忍者がいるのはワクワクするではないか。(東京タワー傍にはフリーメイソンのグランドロッジや、徳川家の菩提寺の増上寺があり、なんか怪しい雰囲気が・・・)

二つ目はこの令和の時代に忍者がいたのだ。二人の忍者に手裏剣を習ったのであるが、よくよく話を聞いてみると一人は専業の忍者であるという。主に外国人観光客相手にツアーを行い、忍者の技を見せているそう。一人は会社員兼忍びであったが、それも非常に興味深い。この教室では手裏剣の他に鎖分銅や武術なども教えているとのこと。またこれは後で知ったのだが、“忍道”という段位制の忍びの技も教えていた。

とにかく非日常なロケーションとあやしくも興味深い師範達に心を奪われて、手裏剣教室に通うことになった。

2020年当時、伊賀で手裏剣大会が行われていたので、その大会に出たい!と思い十字手裏剣を練習させてもらっていた。(伊賀上野観光協会が主催の全日本忍者手裏剣打選手権大会 2020年でいったん終了。 https://shuriken.ninja-official.com/)ただしこの十字手裏剣、大会の公式手裏剣があるのだが、しっかり刃がついている。距離は6mから打つが油断していると、いつの間にか指が切れて血が出るのである。絆創膏は欠かせないな、と思いつつ、ひたすら打っていた。

また十字手裏剣の他にも棒手裏剣も打たせてもらった。こちらは単なる鉄の棒で長さは15㎝から20㎝強。片側が尖っている。ただの棒がどうやって刺さるのか最初はわからなかったが、師範の言うとおりに打って畳に刺さると非常に気持ちが良い。

こちらも練習することにしたが、すぐに最初の難関が来た。手裏剣は家で練習しようとすると、なかなか場所が無いのである。壁や床や天井が手裏剣で傷がつくので養生をしないといけないし、距離がなかなか取れないのである。これは手裏剣プレーヤーあるあるなのだが、とにかく練習場所を確保するのが難しい。これが手裏剣を練習する最初の難関だった。特に十字手裏剣、6メートルの距離が取れる場所なんてどんなお家ですか?という話である。棒手裏剣にしても最低約2間(3.6メートル)は必要で、当時は教室に通うしかなかったのである。(今は何故か家に練習場があるのだが・・・)

とにかく、場所と人に魅せられて、手裏剣教室通いが始まった。

ただし当時練習に来ていたのは、小学生の男の子と私(40オーバーのおじさん)だけ。二人で忍者に習って手裏剣練習をする、という不思議な時間をコロナ禍過ごしていたの夢だったのかな?と改めて思った。

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