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20世紀初頭。LEVI'Sの最廉価版ジーンズNo.3とはなんぞや!?

No.3DENIM。
リーバイス社の中でも異彩を放っている
わずか10年足らずしか作られなかったジーンズ。
カタログにはかろうじて1910年代にだけ
見られる品番です。

位置付けとしてはNo.2デニムのさらに
廉価版といったところでしょうか。

No.3デニムが誕生した詳しい経緯は
リーバイス社にも資料は残っておらず
分からないそうです。

ですが時代的にはジーンズの用途は幅広く
なってきた頃。
おそらくリーバイス社よりも安価なジーンズが
数多く登場していたのでしょう。

No.2デニムよりもさらに安価なジーンズに
対抗すべく生まれたのではないでしょうか。

この時代は
No.1 501がアモスケアグ社の9ozデニム
No.2 201が厳選された9ozデニム
そして
No.3 333が9ozデニム
とだけ記述があります。とにかく9ozの
デニム生地というところ以外はおそらく
その当時手に入れられる安価な生地を使った
ことは想像に難くなく、実際に色味は
他のジーンズに比べ明るい青といった印象。
さらに同じ9ozとはいえ、
実際にはもう少し薄くて軽い感じがします。

そしてこのNo.3デニムには簡略化するための
ディテールが満載。

ステッチは全てネイビーの一色。
ウォッチポケットはパッチのように貼り付け
るのではなく、生地スラックスのポケットの
ように上部に口があるだけ。
アーキュエイトステッチもなし。
パックヨークも省略されています。
さらにパッチは201と同じ布製ですが
色合いがブルーにグリーン。
これ結構かっこいいです^_^

このように工程を減らし少しでも安価に
することが目的だったことがディテールからも
よく分かります。

そしてこの1910年代No.3デニムが
どのくらい安かったかというと
501が11$
201が9$
そして333が8.25$
501に比べ25%安かったんですね。

当時の1ドルの価値は現代の2,019円程度。
とすると
501は約¥22,000
それに対して333は¥16,700ほど。
廉価といえど今よりも相対的にジーンズは
高かったんですね^_^

結局No.3デニムは10年ほどでラインナップ
から消えてしまいます。

それは乱立していた安価ジーンズも落ち着き
さらにファッションとしてのジーンズの価値が
高まるにつれ、必要がなくなった
というところではないのかなと思います。
さらにNo.3デニムはディテールがあまりにも
大きく違っていたため、501や201に比べ
同じ範疇とは思われなかったのかもしれません。

こんなジーンズの黎明期だからこその
廉価版ジーンズ。

今ではむしろ希少価値が上がっていて
他のジーンズに比べ高く取引されているの
ですから面白いです^_^


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