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僕とラジオ

僕はラジオに救われた人間だ。
人間関係に悩んでいた中学時代の自分が
毎日学校に通えたのは
家に帰ればラジオがあるから頑張ろう。
その一心で学校に通っていた。
当時聴いていたのは、SCHOOL OF LOCK!。
人との出会い。音楽との出会い。
かけがえのない時間になった。

何やかんや思い出だらけの中学を卒業し、
僕は高校生になった。
しかし、初めて登校したのは5月末だった。
コロナ渦になったからだ。
中学の卒業式は、卒業生と保護者のみになったが、開催されただけでもありがたいと思った。

3月と4月は、自粛生活を強いられた。
テレビも音楽も映画も
全てのエンタメが止まっていた印象だった。
何も楽しめる物が無くなり
僕は深夜ラジオの世界に出会った。
初めて聴いたのは三四郎ANNだった。
ウォークマンから流れる2人のラジオが
とても面白かった。
深夜3時まで起きていた事への罪悪感と
思いっきり笑った事での安心感を抱きながら
僕は眠りについた。
この日をきっかけに
僕は深夜ラジオの世界にハマる事になった。
三四郎、SixTONES、オードリー、菅田将暉、Creepy Nuts、水溜りボンド。
ルーティーンの様にこの番組を毎週聴いて
ベッドの上で笑い転げた。
5月末、高校が再開し
深夜ラジオを聴く時間が少なくなった。
radikoを使えば良かったが
何故か頑なにインストールしなかった。
我ながら謎の頑固である。

6月末、僕は寝ぼけていて、
いつもラジオを聴く時に使っていた
ウォークマンをゴミ箱に落としてしまった。
それに気付く事なくウォークマンは捨てられてしまった。
この世の終わりだと思った。
毎日聴いていた番組と別れてしまった気がした。
その日からはラジカセを使ってラジオを聴く事にした。
あの雑音だらけのSCHOOL OF LOCK!を
今でも覚えている。
とにかく聴きづらくて嫌だった。
それをきっかけに僕はスマホにradikoを
インストールした。
とんでもなく使いやすかった。
あの頑固な時間が無ければ…と
当時の僕をぶん殴りたいと思った。

radikoを使い初めてから
僕はラジオの世界にのめり込む事になる。
毎日新しいラジオを探していた。
気が付くと、僕は一日の大半をラジオに捧げていた。
登下校中もラジオばかり聴いていた。
YouTubeよりもradikoやAuDeeを開く時間が多くなっていた。

ラジオを聴いてるうちに
僕はラジオ業界に興味が湧いた。
きっかけになった番組は、星野源ANN。
この番組は、他の番組に比べてスタッフが表に出ている印象だ。
番組スタッフの日常からクイズを出す
『野上クイズ』や『落合クイズ』だったり
番組作家・寺坂直毅さんの冠コーナー『デパートに愛を誓って』通称“デパ誓”がある。
こんなにスタッフが出演する番組があっただろうか?
僕はパーソナリティやリスナーだけじゃない
スタッフさんも輝くこの番組をきっかけに
ラジオ業界への興味が湧いていた。

また、学生時代の源さんがラジオに救われたというエピソードを聴いた。
その時、僕は中学時代、SCHOOL OF LOCK!に救われた経験を思い出した。
源さんのエピソードとあの時期と自分を照らし合わせて
僕は、悩んでいる・生きづらいリスナーの居場所になれる番組を作りたいと思った。

高校3年生になり、
僕は進路決定の時期が近づいた。
僕は、情報メディアを学べて、ラジオの制作ができる県内の大学を選んだ。
受験生だった当時の様子を綴ったエッセイをマガジンにまとめたので是非!


昨年(高3)6月、
僕は初めてラジオでメールが読まれた。
『花澤香菜のひとりでできるかな?』。
渇を入れて欲しいリスナーからの懺悔エピソードを募集するコーナーで読まれた。
僕の懺悔したいエピソードは、
4月にあった写真部の体験入部で緊張し過ぎて失敗した出来事。
2ヵ月経っても引きずっていた僕は、
この募集しているテーマメールを目にして
等身大の自分の言葉を書き綴った。
読まれた瞬間、拙い文章に恥ずかしさを覚えたが、ずっと心に抱えていたモヤモヤを浄化する事が出来た。
ラジオが持つ力を改めて感じた。

昨年10月2日。
僕はやりたい事を明確にする事が出来た。
僕は星野源ANNでラジオ業界に興味を持ち、
進路も情報メディアやラジオに携われる大学を選んだ。しかし、僕は不安だった。
「この進路で本当に良かったのか?」と
マリッジブルーの様な気持ちになった。
ラジオ以外に興味のある仕事が僕には無い。
ラジオ業界の就職が失敗し、
他に道は無く途方に暮れるのだろうかと
不安になった。
そんな不安もその日を境に断ち切った。
この日は、Creepy Nutsのオールナイトニッポンの番組イベントが行われた日。
自粛生活の時期から聴いていた
大好きな番組のライブビューイングに行っていた。
イベントでは、二人のトークや企画、コーナーに笑い過ぎた。
笑い過ぎて座席から転げ落ちそうになるぐらいだった。
あんだけ笑ったイベントの最後は
アーティスト・Creepy Nutsによる
ライブで締めた。
彼らのパフォーマンスは圧巻だった。
あれだけ多くの人を笑わせた後に
あれだけ多くの人を感動させる彼らの姿は
最高にカッコ良かった。
イベントが終わり、僕は
自分もラジオの前の人、目の前に居る人を
感動させたいと強く心に決めた。
不安は自然と無くなっていた。


昨年12月、僕は大学に合格した。
夢に一歩近づいてるんだと感じた。
4月からの大学生活には、
期待と不安が入り交じる。
環境の変化で人間関係で悩む事があるだろう。挫折する事もあるだろう。
でも、僕にはラジオがあるんだ。
あの時と同じように。
これからも僕はラジオに救われるだろう。
そして、僕も悩んでいる・生きづらい人の為にラジオ番組を作りたい。

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