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後輩とトラブった話(高校)

どうも。

今日ガクチカを考えていた時に、ふと思い出したエピソードがある。

高校時代の部活動でのことだ。

高校の部活のことは一度noteにも書いている。

これはキャプテンであった俺自身に焦点を当てたものだ。

今回は、部活中に起こったある事件について書いていく。

事件というほど大げさなものでは無いが。





あれは高2の春休み、部活は午前練だった。


殆どの部員がいつも通りの時間に部室に集まった。そして、体育館でネットを張りウォーミングアップを始めた。

殆どの部員が…とは言ったが、俺のいた部は毎回誰かしら遅刻をする。遅刻とはいっても、大体はウォーミングアップが終わるまでには来るし、遅れるという連絡もしてくるので、特に問題にはしていなかった。

今回も1人、時間までに来ていない奴がいた。

一個下の後輩である。

そいつは高校からバレーを始めた子で、バレーに対するモチベーションは高かった。特にレシーブの上達は早く、すぐに先輩の一部より上手くなっていった。

全く遅刻をしたことが無いわけではなかったが、今回に関しては連絡が無かった。

とはいえ、そいつは最寄りから高校までが3駅しか無いため、学校にはすぐ来れる奴だった。

そのため俺は、すぐ来るだろうと高を括っていた。

しかし、そいつは2時間ほど経っても練習に来なかった。連絡も無かった。

そいつは毎回試合に出るメンバーだったので、そいつの欠席は練習に支障が出た。そのうえ連絡も来ないとなると、少し心配になった。



とりあえず練習を続けていると、そいつが来た。

部室の鍵を当然のようにマネージャーから貰っていき、練習着に着替えて来た。

無断で2時間以上も遅刻をしておきながら、少しも悪びれること無く、当然のように振る舞う様子に違和感を抱いた。

しかし部として、特に遅刻に厳しくしているわけでは無かったので、いきなり叱りつけるのは変だと思った。なので、とりあえずそいつに遅刻した理由を聞いてみた。


驚愕した。


前日にディズニーに行っていて帰宅が遅くなり、練習が始まる時間になってもずっと寝ていたとの事だった。

話を聞いていると、最初から練習には遅れて来るつもりのようだった。

腹が立ったりムカついたりしたわけでは無かったが、堪らなく悔しかった。

俺のいた部は練習も規律も緩い部活だったが、さすがにあれ程ナメた理由で遅刻をしてくる奴は居なかった。

それに前日から遅刻して行くつもりだったのだとすれば、身勝手な理由で遅刻しても普通に練習に参加させてくれる、その程度の部活だと思われていたということだ。

そいつへの怒りよりも、部活に対しての認識がそのような甘いものだった事への悔しさの方が圧倒的に大きかった。また、部活への認識をその程度のものにしてしまったのは、キャプテンである俺が不甲斐ないせいだとも思った。俺自身も遅れて来ることはあったし、人のことをとやかく言える立場では無かった。

それでも今回のことは、さすがに不甲斐ないキャプテンでも見過ごしてはいけないことだと直感的に思った。

しかし、俺は人を叱るのには慣れていなかったので、そいつから遅刻の理由を聞いた後もすぐには叱れないでいた。

そもそも、当時の俺は自分の考えや主張を持つこと、そしてそれを言語化することが苦手だった。人を叱れないのもそこが大きかった。感じたことはあっても、それを伝えることに慣れていなかった。何を言えばいいのか分からなかった。




しかしそんな迷いはすぐに消えた。

先程、そいつは遅れてきても特に悪びれる様子も無く、当然の如く振舞っていたと言った。また、そいつは毎回試合に出ているメンバーだったので、練習に遅刻されるだけで支障をきたした。

それにも関わらず、そいつは顧問の先生や他の部員らに一言詫びることも無く、当たり前のように練習に参加しようとした。

悔しさから怒りに変わった。




具体的に何と言ったのかはもう覚えていないが、そいつをキツく叱った。さすがにあんなナメた態度を容認しては、いよいよ部が崩壊してしまうと思った。

結果そいつは、逆ギレして俺に「死ね」と言い残し体育館から出ていってしまった。




その様子を見ていた顧問の先生が、部室までそいつを追いかけていこうと言い出した。ちなみにこの日の顧問はいつもと違い、軽音部の先生だった。

その先生曰く、遅れてきた生徒には遅れてきた分頑張らせなくてはいけないとのことだった。

今思えば、軽音ならそれが出来るだろうがチームスポーツであるバレーはそうはいかないだろう。皆、各々違う楽器では無く、同じコートで同じボールで練習をするのだ。遅れた分を頑張らせる方法など無い。皆頑張っているのである。

そう言えば良かったのだが、当時の俺はそんなことをすぐに口にできるほど器用じゃ無かった。先生に言われるがまま、部室にそいつを呼び戻しに向かった。



部室に着くと、そいつは制服に着替えていた。

そして泣いていた。

気の毒ではあったが、一応キャプテンである以上俺の対応も仕方の無いことだった。



とはいえ、俺ははなから呼び戻す気なんか無かったし、先生も説得に失敗した。

結局そいつは帰ってしまった。




部活が終わった後、そいつが部活を当面の間休む旨をバレー部のLINEに送っていた。とはいえ翌日には練習試合を控えていたので、俺はそんなことをさせるつもりは無かった。




後でそいつにLINEを送った。

しかし、一向に返事がない。
そもそも既読がつかない。

俺のLINEをブロックしたのではと思い、他の後輩に確認をとらせた。

すると案の定ブロックしていた。俺は呆れ果てたが、そいつにブロックを解除するよう促させた。

何とLINEを送ったのかはもう覚えていないが、かなり長くなってしまった記憶はある。



最終的にそいつは俺の言ったことを理解してくれたようで、翌日の練習試合に来た。
問題は無事に解決した。

たった一日の出来事だったが、なかなか大変だった。俺は精神的にタフじゃないので、今回のことは俺もなかなかしんどかった。部活が終わってから一日中頭痛に悩まされた。
(俺は精神的に参るとよく頭痛を起こす)




話は以上だが、今思えば彼は偉かったと思う。

前日にディズニーに行っていて翌日の部活が面倒になったのなら、体調を崩したとでも言って練習を休むという手段もあったはずだ。遅刻の理由を色々誤魔化すことも出来たはずだ。

それでも遅れてきた理由を正直に話した。それに練習にも一応は顔を出した。そこは評価してあげるべきだったと思う。

単にそいつがバカ正直なだけで、嘘をつくという方法が思い浮かばなかっただけなのかもしれないが。




そいつは結局、俺らが引退した後に部活を辞めてしまったらしい。バスケ部に新しく入ったようだ。普通にバレーも上手くなっていたし、チームの中では中心的なメンバーになるはずだったので、途中で辞めてしまったのはすごく残念だった。

俺は引退していたし、もう部活のことにあれこれ言える立場では無かったので、特に何も言わなかった。何かを言うつもりも無かった。

更にその後はバスケ部も辞めて、挙句の果てには金銭の盗難事件を起こしたらしい。俺は部活を引退してからそいつと関わることは無かったが、それを聞いた時もやはり残念に思った。一度は一緒の部活で頑張った仲間なので、どうでもいいとはなれなかった。



今、そいつは大学で自分の友達を見つけて楽しんでいることだろうと思う。

少なくとも俺はLINEをブロックされている。

まぁ、今となっては本当に関わることも無いので別にいいが。

彼はどうやら高校では色々あったらしい。彼の大学では、彼を見捨てないお友達がいることをただただ祈るばかりだ。








彼に栄光あれ。

それでは。

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