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正欲を読んだ

今まで意識することもなく自然と無視してきたものに、面と向かって殴られた感覚。
何かを決めつけてしまうことへの危うさ、自分もそうしてきたであろう罪悪感に潰されそうになる。

人は皆、自分の経験から知り得た言葉や概念の中で生きている。自分以外の人間の気持ちや状態を想像する時にも、人間は無意識に自分の持っている言葉や概念に他者をはめこんでしまう。自分の知らないことは無意識に除外し、知っているものに他者をはめ込んで分かったつもりになって安心する。
正欲とは、人間のそういう残念な習性のことかもしれない。
その習性が全然多様じゃない「多様性」を生み出し、想定内の人間でさえ一括りにしてしまっている。 人間である以上、正欲は止められない。しかし、それについて自覚しているかどうかは大きな差だと思う。答えは無いが、人生で一度は、じっくり考えてみるべきテーマだと思った。

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