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52ヘルツのクジラたちを読んだ

アンさんにも愛にも、心情描写がないのがとてもいい。ずっと52ヘルツの声を上げ続けているのが伝わってくる。町田そのこさんの文章は、湿度が高いのにとても風通しが良くて、儚い。主人公の過去の話は、自分にも共通しているところが多くて読んでいて苦しかった。しかし、それと同時にこの本自体が、自分の「52ヘルツの声」に気づいてくれているような安心感をくれる。10代の一番苦しくて孤独だった頃の自分にこの本を贈りたい。

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