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フリーランスこそ弁護士をつけるといいと思った話

タイトルを見て当たり前やんと思った方がいたら、はい、すんません。
フリーランス歴は3年ほどの私、これまであまり弁護士とは縁のないところにいました。というのも、弁護士って何かトラブルが起きた時に駆け込むところだと思っていたからです。幸い自分の中ではこれまで大きなトラブルと思うことはなかったと思っていたので駆け込むこともなかったのですが、今年は「あれ?ちょっとこれっておかしくない?」と思うことが立て続けにあったので弁護士に聞いてみることにしたのです。

きっかけの事件

ことの始まりは今年の年明けでした。知り合いの経営者から通販を始めたいから手伝ってと連絡がありました。おもしろい方だと思っていたのでお手伝いすることにしましたが、話を聞いていくと通販を進めようにも事業計画がないので進める方向性が定まらない。経営の方針もほとんどない。それであればいつまでに何をどうしたいのか?そのために今何をするといいのか?を紐解くいわば少しコーチング要素も入れた事業計画作りを初めにお手伝いしました。関わる予定の通販の部分は相手が使いたいサービスがあるからと一定のところまで進める話になりました。報酬に関しては初めに少しだけ手付金をもらい、残りの分は口約束で通販の売り上げの何%かをレベニューシェアで支払いたいと言われていました。でも契約書を巻くこともなく、"信頼"というあってないようなものに頼る形の関係でした。心のどこかでは契約書を作らなきゃと思っていたのに、なんとなくもう少し先が見えてからでいいか、と思っていました。

相手からは、事業やその人自身の未来をどうするかを考えたことや、何がその人のつっかえるポイントなのか、思考のクセなどの改善策や対応策を対話する中で見つけられたことに対してとても感謝をいただいていたので、私としてもその人を支えることができて事業を前進させる力になれていると実感していました。

ただ、その後相手の既存の事業や他に始めた新規事業が忙しくなり、連絡が途絶えるようになりました。通販自体もその人がボールを持ったままでした。連絡しても落ち着いたら連絡しますと言うので私はいつでも動けるようにその店の動向などを随時確認したり合いの手を入れたりしていましたが、待てど暮らせど連絡も指示も来ない。でも私のインスタのストーリーズにはいつもその人の既読マークがついていました。この人は連絡もしないでどんな気持ちで毎日私の投稿を見ているんだろうと思ううちに、その人を応援する気持ちがなくなってきてしまいました。

そして「もう今日限りで関わることをやめさせていただきたい。理由は〜。報酬に関してももし支払いの意思があるならこのタイミングで精算させていただきたいし、当初の予定とは違うことを言っているのはわかっているのでお考えをお伺いしたい」(←だいぶ端折ってます)という連絡をしました。これを送ったのが8月中旬。

結局9月末まで明確な返事はなく、もう連絡がないのならば別の手段でご連絡がいくようになりますと少し第三者の存在を匂わせるような形で送ってみました。そしたら3時間で返信が来ました。ものすごい長文で、しかも内容は自分の状況や弁明ばかりで私に対しての感謝やねぎらいの言葉もないものでした。やってもらったことも予定とは違ったとか支払いも今は金がないからできないと言うことでした。

私が求めていたのはお金ではなく、誠実なやりとりでした。
相手の方のメンタルや経営の状況が悪いことも想像はできますが、それならそれで正直に話してくれたらいいし、お金だって求めることはしませんとお伝えできたと思います。私たちにはそういう対話ができる関係性があると信じていました。でもこれは私の勝手な思い込みだったようです。

結局、そういった状況の人とまともに話すことは難しいと思いましたし、何より自分のエネルギーをその人にこれ以上使いたくないと思いました。なので返事は簡素に済ませて、その後SNS関係も一切ブロックしたので、今後連絡が来ないといいなと今は思っています。

弁護士に相談してみた

と、少し長くなりましたが、そんな出来事があった時に大学の後輩がたまたまキックボクシングで体脂肪率を短期間で8%近く落としたという投稿が目に入って来ました。うちから近いスタジオだし前から気になっていたので、よかったら紹介してほしいと連絡したときに、「そういえばこの人は弁護士だったわ!」と思い出し、キックボクシング後に話を聞いてもらうことにしました。

夜のバーミヤンで油淋鶏とシューマイを食べながら弁護士にことの経緯を話しました。私は今年は他にも突如契約を切られたり、返信が来ずに無視されて入金もされないというようなことが複数あり、換算すると合計で70万円近くの損害がありました。「どれも勉強と思って今後同じ過ちを犯さないようにするよ…」と私がいうと弁護士は「み〜んなソレ言うんだよね!!(怒)」と言うのです。

何か問題があってからじゃなくて、ちゃんと事業を始める前に自分がどうしていきたいのか決めることが重要だし、新規の案件を始めるときだってどんな役割をどのくらいの頻度で具体的に何をするかまで決めてそれを契約書に落として交わした後に仕事を始めないとトラブルの元になるから。みんなソレをちゃんとやってないからそーなるの!」と、もう半分説教のような勢いで言われまして。

あーーー、耳が痛い痛いいたあああああい(涙)(涙)(涙)

自分で自分の身を守れていなかったことに気づいた


自分なりにはちゃんとやってきたつもりだった。

でも、さらにフリーランスになってからの過去を改めて見つめ直してみると、あの案件は先方の都合でいきなり当月に「今月で終了です」って突如契約と違うことを一方的に言われて受け入れちゃったな。とか、クライアントの都合で案件が進まなかったのに、その責任を取らされるような形で終了したものもあったな。コロコロ言うことが変わってテキストで指示してほしいと言ってもソレをせずに入金もしない人もいたな。とか思い返してみたらどんどこ出てきた(笑)

どれだけいい人ぶっていたんだろう、自分。と反省、いや猛省した。

だからもう同じことは繰り返したくない。自分のことをきちんと尊重してくれて互いにあらかじめ決めたものを提供し合いwin-winの関係になれるように対話しながら高めあっていく、そんな関係の中で仕事がしたい。

逆に自分が相手の期待に応えるような仕事ができないと思った時には支払いはいらないとか、契約を終了させてほしいと申し出ることとかしないと相手にも迷惑がかかってしまう。役割を果たせるよう、きちんとしなきゃ。
そういう思いが今とても高まっています。

自分らしい契約書を作った

ちょうど曖昧な形で進めていた案件や新規の仕事依頼の話が来ていたので、これまでなんとなく適当に使っていた契約書を弁護士にみてもらって添削してもらい、自分にフィットした形の契約書を作りました

私はスタートアップやベンチャーなどまだ資金的にも組織的にも弱い企業や個人と仕事をすることが多く、リスクが高い状況なので、何かあったときにも回避できる条件を入れ込みました。友人や知り合いだからといって甘くするというのも結局相手へのやさしさではないのですよね。親しき中にも礼儀ありという言葉が身に沁みます。

オマケや割引されるってのも舐められてる証拠って言われたのもズキズキしたわ〜。確かに値切ってくるクライアントに限って無謀なこと言ってきたりするもんなぁと遠い目になったり。(笑) 逆に定価を出してくれるクライアントとは切磋琢磨してしっかり付き合える。相手の条件を受け入れるというのは相手を尊重している気持ちの現れだと思います。

相手にも事前に自分が何をするのか明確に提示することにしました。やること、期間や金額など文字にするなんて当たり前じゃんと思われるかもしれませんが、私の仕事のPRって仕事の幅が無限と言えるほど広く、ついついあれもこれもやりたくなってしまうものです。成果が数字などで出ないことも多くて成果として感じられる形になるのにとても長い時間がかかることもあります。そもそも何をするのかも一般的にも知られていません。
なのでそれを相手にも内容を理解・同意してもらい、自分が何をするのかを明確にし、契約書に曖昧な表現を入れないことなどもアドバイスに基づいてしました。

弁護士ってパーソナルスタイリストっすか?

あれ?弁護士ってこんなこともしてくれるのか。それがお世話になってみての感想です。

裁判とか事故とかそういう時にしかお世話にならないと思っていたけど、弁護士が事業を進める伴走者になってくれるなんて思ったこともなかったから意外だったけど、とても心強い。なんか超強力なお守りを見つけた感じであります。自分に合った形にしてくれるのもパーソナルスタイリスト感あってフィットしたものを身につけられている感覚はとても気持ちがいい。

これまで無意識のうちにいいように使われてしまう人に成り下がってしまう危険性のあった自分のスタイルももうやめぴ。これからは自分のスタイルに合わせてきちんと交渉できる人になろうと思っています。

フリーランスや個人事業主、またスタートアップなどで一度も弁護士の力を借りたことがないという方、過去に苦い思い出をしたけどいい勉強だったと言って泣き寝入りしたことのある方、ぜひ一度お話を聞いてもらうといいと思います。お金はかかるけど、私はその価値は十分にありすぎると思いました。

お世話になったのは一京綜合法律事務所の石橋京士さん。
気になった方はぜひ相談してみてください。私のnoteや投稿を見てと言うと何かいいことがあるかどうかはよくわかんないけど、とりあえず伝えてみてください。笑

ほいでは!

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