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【文章】「文章を書くことに飽きた、疲れた」という人たちに

◼️ 最近、文章を書くことに疲れてきた……

最近、脳がすごく疲れている感じがして、「なんでだろうなあ……?」と思っていた。noteを書くのも以前みたいに「やるぞー!」って気力が湧いてこないし、なんだか頭が回らない。

noteでは毎日投稿はモチベーションと記事の質が下がるのでやっていない。もともと、躁鬱の波の影響もあるし、そもそも私は毎日投稿に向かない人間だということは把握していた。

それでも1日に4,000字(原稿用紙10枚)の文章を書くことを自分に対するノルマとして課し、noteをはじめてから、ここまで約半年、イレギュラーな心身の不調を除けば、きっちりクリアしてきた。

だが、最近、それが難しくなってきている。端的に言うと、note(文章)を書くモチベーションが明らかにnoteをはじめた当初より低下している。私の周りでも「文章を書くことに対するモチベーションが低下した」という話はよく聞く。この原因は何なのだろう?

◼️ 文章を書くことに対する「飽き」

これは、おそらく脳が「毎日文章を書く」ということに「飽き」てきているというのが、ひとつの理由だと思う。

脳科学に疎いのでよくわからないが、脳には毎日同じことをやらされるとパフォーマンスが落ちるという性質があるのだと思う。この「飽き」を解消するためのアプローチには2つのパターンがあると思う。

①文章を書くことから離れずに「飽き」を解消するパターン。
②文章を書くことから離れて「飽き」を解消するパターン。

お手軽なのは②のパターンで、「今日からもう書くのやーめた!」といって筆を放り投げて、PCもスマホも持たずにどこか知らない土地にでも旅にでればいい。しばらく、「文章を書かない(書くための思考を放棄する)」ことで、文章を書くための活力(バイタリティ)が徐々に復活してくると思う。

難しいのが①のパターンで、「文章を書き続けながらも飽きないようにさまざまな頭の使い方をする」ということが必要になってくる。ひとくちに「文章を書く」といっても、どんなジャンルの文章を書くのかで、頭の働かせ方がまったく異なる。

いつも小説を書いている人なら、論考やエッセイあるいはライトな日記などを書くと、同じ「文章を書く」行為でも、まったくちがった頭の使い方をするので、「飽き」が来るのをある程度解消できる。逆もまた然り。

いつも書いている文章とはテイストの異なる文章を敢えて書いてみるということで、「文章を書くこと」に対する「飽き」に至る速度を"鈍らせる"ことはできる。

◼️ 「飽き」がくる根本原因:脳の「基本回路」の酷使

そう、あくまで「飽き」に至る速度を"鈍らせる"ことはできるのである。決して、「飽き」に至るのを"止める"ことはできない。なぜなら、いかなる形式の文章を書く際にも使う、共通した脳の回路(執筆の「基本回路」)があるからだ。

小説を書こうが、論考を書こうが、エッセイを書こうが、日記を書こうが、情報を「インプット」して、それを篩にかけ、選り抜いた情報を結合して、「アウトプット」するという過程は避けては通れない。

「文章を書き続ける」ということは、この脳の回路を使い続けるゴールのないマラソンを走り続けるのと同じ行為だと思う。上述の過程を実行する脳の回路(「基本回路」)は、毎日確実に少しずつすり減っていくのだ。この回路が摩滅したときに生じるのが、「書くこと」に対する「飽き」と「疲労」である。

◼️ 情報過多による「インプット」と「選択回数」の過多▶️「基本回路」の最高速度での摩滅

上述の回路の磨耗速度を上昇させる要因は、まだある。それが「インプットの過多」と「選択回数の過多」である。

今この文章を読んでいる皆さまの手元にもあるだろうスマホやノートPC。これがけっこう厄介で、これらを手元に置いて電源を入れておくと勝手に情報が入ってくる。つまり、インプットをさせられることになる。

私みたいにチャンネル登録しているYouTubeチャンネルの数が1,000くらいあるという人は大変なことになる。通知を全部オフにすれば済む話なのだが、それだとチャンネル登録をした意味がないし、なにより情報の取りこぼしが怖い。

YouTuberの方々は慣習的にキリの良い時間帯に動画を投稿したり、配信をはじめる。毎時0分、30分とだいたい30分ごとに大量の通知が鳴る。私みたいに1,000も登録しているチャンネルがあると(しかもだいたいが通知オン)、30分ごとに10数個のチャンネルから通知がくる。夜のゴールデンタイム(19時~21時くらい)のように多いときには、数10個のチャンネルから一気に通知がくる。

通知に気づくと、これらを観るモノと観ないモノとに「選別する」作業に入る。一個一個、動画のタイトルとサムネイルを観て、あとでチェックするモノにはgoodボタンを押していく。この作業を30分ごとにやる。

1日24時間の間にくる通知すべてに、この作業をやっていると、「選択の回数」は途方もないモノになる。さらにYouTube以外にも、LINE、Twitter、Instagram、Facebook、TikTokなどのSNS、Amazonプライム、Netflix、DAZNなどの動画配信サービス、各種ニュースサイト(こちらからも通知あり)から、降り注ぐ情報をすべてキャッチしようとすれば……。もうお分かりだろう。「インプットの過多」と情報過多による「選択回数の過多」が起こっている。これが、先述の文章を書く際に使う「基本回路」を最高速度で摩滅させていくのだ。

◼️ 「インプット」と「選択回数」の過多から逃れよう!

私が最近、疲れて「文章が書けなくなったなあ……」と感じるのは、おそらくこれが原因だ。解決したければ、インプットと選択の回路を使わないような生活様式に変えれば良い。

スマホとノートPCを鍵のついたボックスか何かに入れて、手の届かないところに置いておく。いわゆる「デジタルデトックス」だ。これをやると、しばらく執筆活動はストップするが、今書けないのだったら仕方がない。

あとは、家族や友人とのおしゃべりを楽しむなり、ジムに行って運動するなり、旅に出て温泉に浸かって美味いモノ食うなりして、上述の「基本回路」をめちゃくちゃ休ませれば良い。

◼️ 執筆の「基本回路」のトレーニングは、筋トレと似たようなモノ

「そんなことをしてたら、何ヵ月かに1回は休まなきゃならんじゃないか!それでは文章を書く力がつかない!」と仰る方もおられると思うのだが、この「基本回路」、やみくもに鍛えれば強く、太くなるというものではないというのが私の認識だ。筋肉と一緒で、鍛え方を間違えると筋繊維がズタズタに切れるだけで、トレーニングの効果が上がらない。適度に休ませつつ、「超回復」を狙わなければならない。

筋肥大のメカニズム
トレーニングなどで刺激を受けた筋肉は、筋線維の一部が破断されます。その後、適切な栄養と休養を与えることにより、傷ついた筋肉は修復されます。このとき筋線維は以前よりも少し太くなって修復されるので、結果的に筋肉が大きくなります。これを超回復といい、繰り返すことで筋肉の体積が増加し、筋力アップにつながります。
引用元:glico POWER PRODUCTION MAGAZINE

◼️ 脳疲労という「生理現象」にどう対抗しよう?(プロの書き手の場合)

世の中には小説家など、この「基本回路」が異常に強靭にできている人がいるのだが、そんな人はごく一握りだ。プロのライターさんでも、「ある程度の量の文章を毎日書く」ということを繰り返していたら、書くことに疲れてしまうだろう。

言われてみれば、脳の同じ回路を使い続けると、少なくともその回路は疲弊するという当たり前の生理現象だ。だから、(この生理現象に対抗するために)プロのライターさんなんかは、スケジューリングがめちゃくちゃ大事になってくるんじゃないのかなあ……とプロでもない私は思う。

自分の「基本回路」の磨耗速度を把握しつつ、書かない時間は磨耗速度を極限まで落とし、書かなければならない時間は今まで貯めたリソースからぶっ放すというように。プロは、アマチュアとちがって書き続けなければならないので、どうやったら「基本回路」を摩滅させずに書き続けられるかを考えたスケジューリング(入ってくる仕事をどれだけ受けるのかも含めて)が大事なんじゃないかなあと素人並感を述べてみる。

とはいっても、せっかく頂いたお仕事はチャンスだから断るわけにもいかないしなあ……という気持ちは素人である私にもわかる。けれども、どこかでメリハリをつけた脳の使い方をしないと異能者以外は、たちまちつぶれてしまうだろう。スケジューリングの工夫については、プロの作家さんが詳しいと思うので「おまけ」の項で、プロの意見を紹介する。

◼️ 書くことに疲れた人へ

そんなわけで「文章を毎日書き続けている」と「飽き」がきたり、脳に「疲労」を感じたりすることがあるが、その原因の一部は、「インプットの過多」と「選択回数の過多」で、脳の特定の回路が繰り返し酷使されることだろうと私なりに推測をした。

「書くのに疲れた……」「書くのだりぃ……」「最近、文章が書けない」という人たちは1回情報を遮断して、家族や友人とのおしゃべりを楽しむもよし、ジムに行って運動するもよし、近くの自然いっぱいの公園を散歩するもよし、思い切って旅に出るのもよしである。こうしてインプットと選択の回数を減らすことをおすすめする。書くことを仕事にしている方は、スケジューリングの工夫などでうまくメリハリをつけてほしい。要は筋肥大のメカニズムと同じだ。毎日トレーニングしていては、逆にトレーニングの効率が落ちる。文章を書くのに疲れた人は一度脳の回路を休めることを意識してみるといいと思う。

◼️ おまけ:プロの作家や小説家を目指す人たちはどうしたらいいの?

*ここからは、私が経験したことのない話になるから、話し半分程度に聞いてほしい。

ここはnoteという「文章を書く」プラットフォームだから、中には小説家などを目指している方々もおられよう。そういう方の中には「毎日1万文字を書けなければ話にならない」とかおっしゃる方もいるかもしれないが、どこにその根拠があるのだろうか?書かない日を1日もつくっちゃダメなの!?そんなあ……、バルザックじゃあるまいし。。

プロの文筆家がだいたいどれくらいの量の文章を、どれくらいの期間で書いているのか、いちおう文筆家の端くれと自称する父に訊いてみた。「だいたい平均的なプロの作家で400字詰め原稿用紙を5~10枚の分量を1日2~3時間で書く。納期はどの媒体に書くかにもよるが、ひと月くらい」というところらしい(私の父談)。このペースで書くと、6~12万字/月となる。長編なら別(たぶん納期がもっと長めにとられる)だが、短編や新書本だと12万字/月書ければ、ひと月で作品1本くらいは上げられるんじゃないか?と思うのだが、12万字/月書くのに"毎日"書く必要が全員に生じるのか?と言われれば、そうでもない気がする。

12万字/月という分量は、毎日書かなくても達成できると私は考えている。2日に1回のペースで書くとするなら、1日休んだ分、次の日に10枚×2(4,000字×2=8,000字)書きゃあ良い。私の場合だと、PCでタイピングすると、ジャンルにもよるが、約4,000字/時で筆が進むので、だいたい2時間机に向かえば、その日のノルマ達成という寸法である。やっぱりこういうのは甘い考えなんだろうか?私と同じ双極性障害を抱えていて、意欲や活力に波があるタイプの作家さんやライターさんは同じような書き方をされているんじゃないかと推量する。

*以下の記事によれば、プロの作家は、通常時は1日約5,000文字、繁忙期は1日約10,000文字~30,000文字書くそうだ。繁忙期を除くと原稿用紙10枚程度というのは、やや少ないが、当たらずとも遠からずといったところではないだろうか。繁忙期は……しょうがねえ、諦めろ!笑。

参考:WRITEHANDS『プロ作家の執筆速度ってどのくらい?』

まあ、人気作家やライターだと、仕事を何本も抱えていて、たとえば、小説単行本レベルの案件を同時に5~6本抱えてしまうと(そんなことが同時期に起こるのはほぼあり得ないと思うし、そうならないようにするのがスケジューリングの意味だと思う)、理論上は12万字/月×5~6=60~72万字を月に消化しなければならないから、これだけの文章を1ヶ月(30日)で上げようとすると、2万字~2.4万字/日という、最初に挙げた1日1万文字をはるかに超える、およそ人間の所業とは思えない量の文章を書くことになるが、実際は同時にこれだけの重い案件が重なるなんてことはほぼないに等しく(一部の売れっ子作家の繁忙期は除く)、少しずつズレて重なるのが普通だと思う。そうなったとしても、(作業日に机に向かう時間は必然的に長くはなるだろうが、)うまく休みを取りつつ書けないものだろうか?「そんな甘い考えじゃ小説家になれない!」とかいう異論はとりあえずここでは却下させていただく。今回は「どうやって脳のリソースを極力節約しながら、プロ並の文章量を保証しようか?」という怠け者の考え方を採用している。先日紹介した三島由紀夫とは対極の考え方でいく。

いちおう申し上げておくと、私が小説家になりたいわけではなくて、もし仮に小説家になりたいという人がいたら、どうしたら良いかという話をしているところである。

これは、もうスケジューリングの工夫しかないのではなかろうか?下記にリンクを貼った、作家、王谷晶さんの記事を読むと小説単行本や雑誌やWebの連載を何本も抱えているが、いちばん優先するのは小説の単行本の締切だそうだ。というのも、小説の単行本には装丁、装画、校正など、自分以外の人の作業も関わってくるからである。したがって、起きている時間はほぼ小説のことを考えたり、書いたりし、コラム系の仕事は締切日3日前くらいから捲るというスタイルでお仕事をされているそうだ。以下、王谷晶さん執筆の記事より引用。

この全ての仕事が大切な仕事なわけだが、そこをあえて優先順位をつけるなら、やはり装丁装画、校正など自分以外の人の作業も関わってくる小説単行本の仕事がトップに来る。なので起きている時間はだいたい小説の事を考えたり書いたりし、コラム系の仕事は締切日三日前くらいから都度作業に入るという塩梅でこなしている。
──王谷晶、「monokaki」、2019年2月14日掲載

書けるときに捲れるのであれば、毎日書く必要って本当にあるのかなあ?と私は思う(超売れっ子作家さんは除く)。やったことがないから、わからないが、毎日何時間も机に向かって作業するより、休む日は休んで、捲る日に捲った方が効率がよさそうだし、質の高い文章が書けそうと思う(そのかわり捲れなかったら締切に飲まれて死ぬわけだが……。自分の力量の把握が大事だ。後述する)。執筆にはある程度勢いというものが必要だからだ。毎日小分けにして2時間とか書くよりも、書ける日に8時間とか一気書きした方が、筆のノリみたいなモノが読者に伝わると思うし、思考の一貫性が保ちやすい(思考の中断がない)から、「疲弊した脳で毎日小分けに書くよりも、元気な脳で1日にまとめて書いた方が、よろしいのではないか?」というのが私の見解。

締切の問題については、事務の仕事みたいに、カッチリ動かせないモノでもなく(これも場合によるとしかいえないが)、相談次第ではわりかしフレキシブルに対応してくれることがあるようだ。作家だって人間だし、いつ心身の調子を崩したり、不慮の事故に遭ったり、はたまた文章が書けないという事態に陥るかはわからない。王谷さんによれば、そういうときに最も大切なのが、クライアントにできるだけ早く相談することのようだ。現状がどういう状況なのかを明らかにし、今できることとできないことを明確にすること。これを欠かしてはならない。

上記noteの記事を書かれた作家王谷晶さんによると、

その結果「じゃあ一回休みで」「いや出来てるとこまででいいからください」「ふざけんな死んでもあげろ」になるかは先方との話し合いによるが、とにかく相談だ。向こうも仕事なので、これこれこういう理由があって書けませんと素直に言えば、問題解決のためいろいろアドバイスしてくれる。相談しないでギリギリまで時間が迫っちゃうのが一番ヤバい。それさえ避ければ締切はクリティカルな問題には(ほぼ)ならない、と思う。
──王谷晶、「monokaki」、2019年2月14日掲載

とのことである。締切の問題に関しては、早く相談さえすれば、向こうも仕事なので、作品を期限内に納品すべく、いろいろ助けてくれる(場合によるが)ということだ。先ほども述べたが、これも優先順位のつけ方が大事で、(あまり大きな声ではいえないが)締切にも破ったら◯されるような締切と相談によってはわりかしフレキシブルに対応してくれる締切とがあると思う。そのあたりの選球眼とそれに応じた優先順位のつけ方がプロの作家や小説家として生きていくために重要なことなんじゃないかと思った。

このnoteの最後に王谷さんは、おもしろい(おそろしい)ことも言っておられた。以下。

また、駆け出しの私がなぜヤバい締切破りをしてしまったかだが、原因は今ならわかる。己の技量を過信していたからだ。自分ならこの内容、この分量をこの日までにこなせるという目算が、間違っていた。めっちゃ間違っていた。経験不足と傲慢さが招いた失敗である。この時はたくさんの人の信用を失い、恨みも買い、経済にダメージも受け、精神的に立ち直るのにも時間がかかった。仕事として創作をするなら、自分が何をどれくらいどの時間までに出来るのか、正確に把握しておこう。そのためにも、新人賞応募でも同人活動でもいいので、アマチュア時代から締切のある創作をたくさんするのがよいと思う。
──王谷晶、「monokaki」、2019年2月14日掲載

自分の力量の把握……。めっちゃわかる。先ほど私はノートPCだと、約4,000字/時で文章を生産できると述べたが、これも執筆ジャンルによる。綿密な下調べの要らない文章なら、MAX4,000字~5,000字/時、AVE.3,000字/時くらいで書けるとは思うのだけれど、綿密な下調べやデータ解析、図の作成を要する文章や、写真や文書等のファイルを大量に挿入する文章などは、執筆速度が一気に落ち、1,000~2,000字/時が良いところだろう。何回か時間を測って文章を書いてみたことがあるから、だいたいこれくらいの執筆速度だとは思う。

*ちなみに作家の森博嗣は6,000字/時の速度で文章が書けるらしい。これは、おそらく"アベレージで"だろう。相当な速筆だと思う。

あとは、心身の調子にめちゃくちゃ影響を受ける。絶好調のときは、ほぼMAX速度で10時間とか集中して机に向かうことができるのだけど、不調時はまず机に向かうことすら、困難なことがある。平均して自分は1日にどれくらいの時間、机に向かい続けられるかということも、もしプロの作家を目指すのであれば、きっちりと把握しておかないといけない。そのうえで、だいたい、自分の見積もりよりは、厳しめの数値で自分の力量を考えた方が良いだろう。

このあたりは、人によって得手/不得手が異なるところだと思うので、自分の得意/苦手パターンを認識しておくことも大切だと思う。私の場合、書く速度はそんなに速くないが、そのかわり長く机に向かうことができる。MAXで40,000字を1日に書いたことが何度かあるが、そのときは10時間くらいは机に向かって筆を走らせていた。私と逆のタイプもいると思う。筆は速いが、あんまりスタミナに自信がないというタイプ。両方できるというスーパーマンもいるだろう。とりあえず、自分の力量とどういう執筆スタイルが自分に向いているかを把握して、それに合わせたスケジューリングを行っていくということが大事なのではないかと思う。要は、速く書いて納期に間に合わすか、長く書いて納期に間に合わすかである。そこに「毎日書くこと」という必要条件はない。

プロの作家である王谷さんは、「アマチュアであっても納期は設定して作品を書く訓練をするべし」とおっしゃっている。納期のある中でどうやって、自分の生産力と心身のバイタリティ(脳の"執筆体力"も含む)のバランスをとって、執筆を継続できるかというのは、やはり先に述べたとおり、スケジューリングの工夫によると思う。プロの作家を目指す方々は、このあたりも考慮にいれつつ、自分の脳の回路が焼き切れないような執筆スタイルを身につけていけばよいというのが私の考えである。

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