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詩作詩#4「移動」

「移動」

観測点からみて物質の座標がある点から別の点に変わること。またはその過程。

電車に乗って遠方の病院に通院する。
カタコトカタコト揺れるBOX席。
車窓からは枯れたススキと山が見える。
カナル型イヤホンをつけて自分の世界に浸っていると運河(canal)に載せられた荷の如き私。
あっという間に目的地到着のアナウンス。

わずかに聞こえたら、車列の前方に移動。
階段近くで下車するため。
終着駅はハブ。
分岐路がたくさんあるため、激しく揺れる。
おもわずつり革から手を放しそうになる。

移動とはエネルギーの変換。
ドアが開くと席取り合戦開始。
気にせずLavatoryへ直行。
私の膀胱は破裂寸前。
移動に伴って位置エネルギーや電気エネルギー、熱エネルギーetc.から運動エネルギーへの変換が起こる。
膀胱から排出される液体も位置エネルギーを失い、運動エネルギーを得て便器に落下する。
これも移動。

乗り換えの電車に少し遅れて移動。
列車、from C(Countryside) to C(Cityside)
すでに全席占有状態、姿勢はLからIへ
視線がだんだん上方へ
視野に占める人工物の割合がふえる。

田舎→都会に移ると
目に入るモノはほとんど人工物になる。

今まで空(sky)だったものが高層ビル(skyscraper)でいっぱいになる。
空から削り落とされた欠片・断片たる反射光・窓に映るブルーグレーが目に沁み入り都会に来たことを実感する。

これが私の移動。

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