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自分のスキルは無用とパーティー追放されたけど、隠してるお祓いスキルの魔力は無制限です。身軽になったので自由気ままに生きたいと思います。#9

 主人公:エレナ(女子)お祓いスキルは無限大、普段能力を隠している。
           結果パーティーを追い出され自由の身。
           仕事も終わりひと段落と思ったところで
           新しい仕事が舞い降りる。
 ドラゴン:メイ(性別不明)能力はエレナと連動しているようだ。
 聖女:ルーナ(女子)本当は大聖女エレナのことを良く知る。
 騎士:ソラ(男子)騎士見習いから騎士にエレナが好き、そこそこ強い。

   転移門を抜けるとそこは戦場だった#9

 転移門を抜けると魔族と獣魔族が戦闘を行なっていた。

 流れ弾をうまく騎士が捌いた。

「これはもうめんどくさいの極みですね」

 瞬間的に騎士はもとより聖女も私もその場から離れる判断をしていた。

 転移門を使って戻ろうにも魔石が無いと起動しないので使い物にならない。

 聖女はシールド正確には加護と言わないと怒られるのだがそれを展開する。

「みなさんに加護を与えました、直撃が来てもし暫くは耐えられます」

 私はメイに少し魔力を送り全面にだして、ドラゴンブレスを発動させる。

 久しぶりに天の声が聞こえた。

「ドラゴンブレスを使用しますか、戦場の魔力を吸収しています、ドラゴンブレス(大)が使用可能です」

 この場を乗り越えるのだから当然、使用するわけである。

 メイは姿を5倍の大きさになり、猛々しい雄叫び(威嚇)を行いドラゴンブレスを吐き出す。

 戦場は突然の大量破壊兵器に大混乱して戦闘どころではなくなり両軍機能不全を起こす、この隙に私は声を掛けた。

「妖の森まで走るよ」

 騎士は目の前の襲ってくる敵を切り倒し、

 聖女は錫杖でぶん殴り、

 小さくなったメイは私の頭に乗り砲台として

 ファイアボールを撃ちまくる、

 私は不可視の術で両軍に認識阻害を与えた。


「最近の聖女様は錫杖の振り方が上手いんですね」

 ルーナは笑みを浮かべて言い放つ。


「殲滅の魔女様のようにお札で目眩しさせて味方同士を戦わせるなんて素敵な技はありませんから」

 騎士のソラは苦笑いを浮かべて話した。

「お二人とも妖の森に入ります」

 メイは私の頭の上で警戒をしている。

「キュアー」

 このドラゴン警報装置いわく、今のところ問題はないらしい。

 妖の森は精霊が多く住み着いていると言われる帰らずの森だ、一度入ると戻ってこれない大変な場所である。

 何故両軍が中立地帯である妖の森近辺にいたのかは分からないが、それは置いといて新しいダンジョンの調査だ。

 ちなみに両軍は妖の森は魔力量が多く種族的に暴走しやすいので近づく事が出来ない。

 メイは森を歩いていると私と同じぐらいの大きさになった。

「グルグル」

 喉を鳴らして擦り寄ってくる、とても見た目は暑苦しいのだが、非常に肌触りが良くウロコも意外とゴツゴツしていない、きっと戦闘時に硬くなるのだろう。

「メイよしよし、わかった、わかった」

 メイはご機嫌である。

 騎士はタイミングよく話しかけてくる。

「エレナ様、聖女様、まもなく休憩小屋があるはずです、そこで一休みしましょう」

 当然聖女はこの話に乗った。

「すばらしいですね、騎士様とても良いアイディアだと思います、エレナさんも休みましょう」

 この聖女に言われるまでもなく休むことにしている。

「ルーナに言われなくても休みますよ」

 騎士のソラは状況にだいぶ慣れてきたらしく、私たちの会話を楽しそうに聞いていた。

「そういえばエレナ様、このドラゴンはどこまで大きくなるのでしょう」

魔力が多いと言う事は幻覚を見やすい環境でもあると言うことである。

 幻覚のために足元を滑らせ谷底に落ちて死んでしまったり、何かよくわからない化け物に魂を奪われたりなどなど本当に特殊な環境であることは間違いない。

 ところが今回はそのような心配は全く不要だった。

 メイは魔力を勝手に吸収する機能があるようだ限界はあるのだろうか、大きさは大体私と同じ位なのでとりあえずよしとしている。

「どこまで大きくなるのか分かりません、でも今の大きさで落ち着いているようですね、これ以上大きくなるようならその時考えましょう」

 妖の森の入り口からダンジョンまでは約2日の距離と言われているがそれも調査目的の一つではあった。

 約半日ほど歩いたので今日はちょうど見つけた小屋で休むことにした。

「念のため札まいておきます」

 私は小屋の周りに式神を放ち警戒に当たらせた。

 色上のいくつかはダンジョンの入り口を探させるために別に放っ。

「魔力が多いので式神にもある程度の能力を付与できたので無事にダンジョンの入り口を見つけると思います」

 聖女のルーナもマジックアイテムを使い、小屋の周りを結界で被った。

「念のために結界を張ります」

 騎士は小屋の周りを見回ると言ったのでメイを同行させた。

 ルーナと私は妖の森のおかしさに少し気がつき始めた。

「エレナさん、ここの森以前と違うようですね」

 聖女認定の時にここで暫く訓練をした懐かしい場所なのである。

「ルーナも気がついたようですね、精霊の質が全くちがうもののように感じるわ」

 しばらくすると、騎士ソラとメイが戻ってきた。

「周りには怪しい影はありませんでした、それどころかちょっと奥に行くと霧が晴れてまして、本当にここは妖の森なんですかね」

 騎士ソラがそう考えるのも無理はない、無理は本来ここの森は霧が充満し1メートル先が見えないほど危険なのである。

「これは、メイだけではないな」

 全員の意見が一致した、ダンジョンに原因があるり、ほぼそれは古代遺跡に間違いないと思われる。

 古代の魔道具はかなりの魔力を消費すると言い伝えられている。

 何かの影響で突然入口が現れた可能性が高い。

 しかし本来の目的を忘れてはいけない、それは調査である。

 攻略方法やダンジョンの規模はどうなのか、モンスターの有無やレベルなどもできる限り調べなければならない。

 今回は攻略に対してスタンダードな騎士、聖女、魔術師(魔法使い)メンバー編成でありパーティーの最小単位だ。

 最大の問題は、聖女(大聖女)が絶対何か企んでるに違いない、何か起こるに違いない雰囲気が漂っている。

 私は念のためにルーナに釘を刺しておいた。

「ルーナ何かあるなら起こる前にちゃんと話してね」

 今はただ良いお宝と良い報酬に期待したものだ。

 ルーナは笑顔で昔からこの作り笑顔がで答えると、とても残念な事が起こるのだった。

「もちろん、エレナさんに嘘を言ったことはなくてよ」

 あー、確かに嘘を言ったことはない、前もって話してくれたこともないからね。

 そして、ルーナの口癖を久しぶりに聞いた。

「エレナさんこれから話すことを聞くと後悔しますけど聞きます」

 私と騎士ソラはルーナの話を聞くことにした。

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