ケース3

「なんでも相談志」ケース3、倫理観を取り戻す。

自分も人も尊重する考え方

主人公
オオク・キク・タケ
惑星同盟国家資格「なんでも相談志」 保持者。
現代で言うところのカウンセラーであり、
「知識塾」の監督者でもある。

アシスタントロボット
リアン
オオク・キク・タケの助手であり、
「知識塾」の助監督者でもある。

相談者
リンリ・ハズ・マモルさん女性

周りから真面目と言われている。
周りの環境が気になって仕方ない20代後半の女性
建設関連の仕事をおこなっている。
惑星開拓が主流のためほとんどか建設業である。
各惑星には管理運営部門が存在し、その職員である。都市計画、デザイン、農地開拓、それに含まれる研究などあるが、開拓が進めば惑星にある程度の作業員を残し別の惑星に作業員を移動させる。

物語はとある地球型惑星、

4つ目の開拓惑星である。

アフロディーテ

月のような衛星が3つあり

それぞれ、資源衛星や月面基地、リゾート衛星として活用されている。

今の時代からさほど離れていない未来、

時代は宇宙開拓が始まり30年程経った。

人類は新天地を求め、

空間の歪みから「高速回廊」とよばれる。

ワープ空間を見つけ出し更に勢力圏を伸ばしていった。

今は8つの惑星に人類は移住し生存している。

この、8つの惑星が同盟を結び、

惑星同盟政府を作った。

宇宙開拓時代、

そこそこのストレス社会の中、

パワハラ、せくはら、イジメ、不倫、不正、等

巻き込まれる人間はそれなりに苦労する。

同盟政府はそれに対応する為の体系的な

技術が必要になり、

世の中の天才たちを探し出し、

中でもストレスに強い人物たちを

10,000人追跡調査し、

研究開発され運用されたのが、

惑星同盟国家資格「なんでも相談志」

彼らの目的はストレスに苛まれる

人々をただ聞く技術で助けること。

その職業はあらゆる組織や団体に配置される

彼らには相談事を選ぶ権利は有るが、

来たものは拒まず去る者は追わずが売りであり、

聞いたことは全て他言無用!

約束事は色々あるがまたの機会にする。

【相談内容】
出勤時間を守らない職員。
コネで何とかする上司や部下。
ハニートラップを多用する女子。
イケメンだから全てが許されている環境。
正直羨ましいと思うが何かが違う。
不倫が普通に行われています。
協調性より多様性を好む社風。
挨拶すらしない上司や部下。
好き嫌いで仕事をする人々。
その中で生きていくための倫理観を手に入れたい。

箇条書きの内容は過剰である。

人を余り気にしていないと
言われているこの宇宙開拓時代に上記のような相談は多い。

正直、依頼を受けるのは遠慮したいと言うのが
普通のヒノの考え方になると思う。

物語の内容上そうもいかない。

と言う本音は置いとくとして、

勿論、なんでも相談志は依頼を断る自由もある。

が、「基本的に断る」選択肢は

なんでも相談志は存在しない。

対応できてしまう。からである。

依頼内容に戻るが、今回の依頼はご本人の最終目的は自分の倫理観を手に入れてその中で生きていくことのようである。

人のことを気にしない倫理観が欲しいとも受け止めることができる。

それには、客観視とは、物事を自分の視点、観点、感情などを除いた別(相手)の視点で考えることが必要になる。

多種多様な倫理観があると認識できるが、一応「倫理」とは何かをここで上げて話を進めて行きたい。

この時代の倫理とは「自分や周りの人々と快適に過ごすために、自分自身に行う行為のこと。」

言うは易く行うは難しである。
【意味】何をするにしても、口で言うのは簡単だがそれを実行するのは大変難しいということの教え。である。

この時代の倫理とは或いは新しい考え方なのかもしれない。

さて、世の中に悪とはなんであろうか?
実はその人の思い通りにならないことが一般的に悪と称される。

我がままに感じるが事実の様だ。

倫理感や正義や悪などの問題を解決するのは
その人次第であるのは事実ではある。

人の数や人種の数だけ正義はある。

ちなみに惑星アフロディーテにも人種が存在するが現代とは異なる。

人口比率と人種については、純粋地球人が3億、サイボーグが2億、クローン転移体が6億、アフロディーテ人が4億

ではあるが共通の倫理観は存在する。

それが先ほどから出ている「自分や周りの人々と快適に過ごすために、自分自身に行う行為のこと。」である。

どんな人でも、生産的であり創造的ではあるが、個人が生産性を失ったり、団体になるとなぜか利害が絡み身動きが取れなくなりる。

それをなんとかするために不誠実と言われる行為や物事を起こしてしまうことが度々あるようだ。

なんでも相談志は聞くことが仕事なの為、
相談相手がなにかしら話をしてくれないと先に進めない。

もちろん、相談者に話をさせる技術は存在するが、その人が何かに強く囚われているとカウンセリングの効果が少なくなってしまう。

それは相談者の時間をむだに浪費するだけでなんのメリットにもならない。

もちろん解決策はある。

あまりにも、思考が偏ってしまっている相談者に対しては、倫理感を手にしてもらうため「人権」を学んでもらうと、とても効果てきで思考の固着が緩和される。

知識を得てもらい思考のエクササイズを行う。

内容的には現代で言う基本的な道徳を勉強してもらうのである。

道徳とは「人々が、善悪をわきまえて正しい行為をなすために、守り従わねばならない規範の総体。
外面的・物理的強制を伴う法律と異なり、自発的に正しい行為へと促す内面的原理として働く。」らしい。

具体的になにを学ぶかと言うと旧時代の
「世界人権宣言テキスト」を学ぶことになる。

30項目ほどそれについて一つ一つ答えてもらう。

人により反応は様々だが、学べば今との違いを痛感することになる。

次に人に対する怒りを描きまくってもらう、とにかく具体的に納得がいくまで書かせるのである。

真面目でしっかりした自分という殻を破ってもらう。

え、真面目でいいじゃないか!

もちろんそのとうり、
その人が偽りの押し付けられた物でなければ問題ない。

その辺りもその人自身で見つけられればいいのだが、
統計上それはなかなかできない。

基本は人を責めることが多いようだ。

さて、リンリ・ハズ・マモルこの方のメニューがおおよそ完成したところで、リアンにそのことを伝えメールをしてもらう。

プログラム
1.人権を学んで倫理観を知ろう(^ν^)
2.敵をかき切ろう
3.なぜ嫌いか書き出そう。
4.スッキリしなければ「五寸釘セット」を使おう。
5.スッキリしない理由を書き出そう。
6.なんでも相談志にアポを取ろう。
注意、詰まったら「知識塾」にアクセスしょう。

なんでも相談志は個人的な教室(塾)を運営している。

現在は5:5の割合でオンラインとリアル教室となっている。

リアルをリンリ・ハズ・マモルは選んだ。

この教室では時間を決めて勉強をすることを勧めている。
これは秩序自分に1つのルールを設定することにより効率が上がる。

この名前はシンプルに「知識塾」と言われている。

人の知識に対するメカニズムは面白いものだ。

人は知りたいし理解したい。

わからないことは勝手に作り上げて
理解したことにしてしまう場合や避けようとすることもある。

当然だが知識は理解しない限り使えない。

逆に言うと理解することができればなんでも行うことが可能である。

なので、上記に書き記したメニューは理解していれば使用可能である。

リアンはメールを送った事をオオク・キク・タケに伝えた。

思考のエクササイズは知識を手に入れることによる発見によって爆発的にその人の本来の優秀さを取り戻すことが可能である。

無理解から理解に変わると目の前の景色が変わる。

十分なカウンセリングと同じくらい自分自身で気がつく分、時には人が変わってしまい別人になるぐらいの効果があると言う。

人権を学んで自分や人とのバランスについて気がついてもらう。

自分の良いところや悪いところも気付くこともある。

勉強が終わった後はそこからやることは、
人責め、◯◯は間違っているなどなど超具体的に書きまくる。

例えるなら、

これは固まった粘土に水を注ぎこねくり回し空気を抜き出すのに似ている。

旧世界では粘土から食器(陶器)
というものを作り出していたことに例えてみる。

その技術が失われていたのだが復活されている。

空気が入ったままだとヒビが入ったり割れやすくなる。

空気が固着した思考だ、それが人を無能にする。

…らしい。

絶対的な信念はある種の憎悪は恋愛に似ている。

これは俗にいうフラグであるが、立つかどうかは分からない。

さて、このプログラム期日が決まっている。

開封後、2日以内に開始、それから4日後には完了している必要がある。

当然サポート体制は万全である。

人は理解できない物事から逃げがちである。

それを防ぐ最高のシステムがありそれをリアンは実行する。

それは、「連絡を取る」である。

非常にシンプルであり強力な手段である。

学びは力になることは誰でも知っている。

今の仕事を効率よくする方法が、必要ならその情報を学ぶことであろう。

リンリ・ハズ・マモルから連絡がきた。

覚えられないとの訴えである。

提供された資料が覚えられないである。

オンラインシステムでケアを行う。

まず、プログラムの最初に注意書きがある。

それを読んでもらう。

そこには「覚える」という記述はひつもないことに気が付いてもらう。

その答えは、設問を読んでいない。

繰り返しになるが、「こうであろう」と人は予測してしまい書いてあることを脳内変換してしまう。

少し例を挙げさせてもらいたい。

学生時代は皆さんは設問をよく読んで回答していると思う。

大人になると世の中に答えが転がっている。

調べたいことはネットサーフィンで大体見つかる。

印刷物やインターネット普及絶頂期の時代なら社内ならサーバーの中とか、上司のゴミ箱とか諸々である。
 
答えを探す為に設問に注意を注いだ。

そう、設問に対しての注意力が下がっている。これは一般的に多い現象であるが、「人は自分の見たいものしか見ないものである。」

世の中の設問を的確に対応することによってその人は問題を解決したり仕事ができたり人生の収入が上がることは語るまでもない。

それを、リアンが巧みにリンリ・ハズ・マモルに気が付かせる。

「こんなことやってなんの役に立つのかしら?」
などの質問はお手の物である。

これも技術がちゃんとある。

これはまた簡単で依頼人が
「なんで相談をしようと思ったか」を思い出してもらう。

ほかにも詰まる理由は色々あるが、大抵はなにかしらその人自身が文章など理解し損ねているので、探させて解決するように持っていく。

理解をするということは世の中に適応できるようになる為、固く凝り固まった思考が「知的エクササイズ」を繰り返しながらどんどん溶けて消えていくことでコースが終わることにはその人自身の倫理観の骨組みが再構築される。

彼女に限らず多くの人が物事や人に固着してしまうことがある。

特に分かりやすいのが男女関係でその固着の最たるものが飲み会などでの飲んだ後の一夜の恋である。

ものすごく、情熱的なようだが情事が終わったらすっかり冷めてしまい後は惰性になってしまう。

相手との関係が崩れたらなどと心配する。

そして、初めは周りに気を使うことはないが、周りを意識し始める。

さて、皆さん男女関係の逸脱による影響を考えたことはあるだろうが?

それは、2人の問題でしょ⁈

確かに、それはそうなのだが職場の恋愛(男女どちらかが自分の欲求のために周りを犠牲にしてしまう)や、不倫などある種の利害がそこにある場合は影響をが出ることがある。

そこで、職場の恋愛ならチームや会社に対して影響が出る。

不倫ならばその家族全般や職場、職場での不倫ならば相手の家族は同然ながら職場で影響が出る可能性は高い。

倫理を取り戻すことによりそれを意識しなくなる。

不倫をするとどれだけのメリットがありデメリットがあるかと行くとこを自分で気がつくことになる。

ただ、根底にある本当の原因については、ほぼ見つからないためカウンセリングにより解決を行うことになる。

よく、思い込んでくるとモヤモヤが増えることがあるときく。

リンリ・ハズ・マモルは見事に人権を知って倫理を取り戻すコースを完了した。

【敵を書き切る】
さてこれからたくさん思ったことや気がついたことを具体的に書いてもらう。

知識を得ただけでは全く持って意味がない。

そんなことはまずないが、例えるなら、「お金をたくさん持っているが、使い方を全く知らない。」

と言うことと同義である。

そう、使わないと意味がない。

書くとことは行動の一つになる。

書き出している内容を確認することにより知識が得られたか分かるわけである。

リンリ・ハズ・マモルは彼女の敵を描き始めた。

人責め他で溢れる瞬間である。

部長が悪い、課長が悪い、友人が悪い、見知らぬ奴に足踏まれた、今日の運勢が最悪だ、天気が悪い、などなど。

【なぜ嫌いか書きだす。】
人権を学ばせるとなぜ嫌いかが具体化する。
それとともに相手の立場に気がつくことができる。
はず、である。

リンリ・ハズ・マモルのボスである
「部長が悪いと」書いてあった。
服装や化粧でよく注意される。
彼女の見た目は普通だ。
地球からの出張でこの惑星に来ている。
この時代の地球は戦争の余波で地上の半分近くが荒野になってしまったので絶賛復興中である。
派手に戦争をした割には人工増加が止まらない。

話を戻してなぜ嫌いか?に焦点を当てる。

いつの時代でも、
女性は「チヤホヤされる」らしい
仕事をできる女性なら、
男性も含めてだとは思うが、
尚更、そうらしいのだが、
彼女はそのように評価されていない。

さらに深掘りしてもらういつから嫌いなのか?
彼のどこが気に入らないのか?

彼女はかなりの時間を掛けて、長文の何がどのようになんで嫌いかと言うことを書かれている。

文字数を調べたところ15万語、短編小説が1冊書けるぐらいであった。

具体的に書いてもらうことでストレス発散になるのだが、「それっ」多分そこが原因がはっきりしない。

その他の人も書くのかとは思ったのだが、その部長のことだけだった。

各会社には人事制度の中に、人の評価をするために生産力を示すグラフがある。

なんでも相談志は特別にそれを見ることができる。
無い場合でもクイック生産力チェック表で調べることは可能だ。

生産力はかなり高い、本来なら相談をするレベルでは無いくらい良い数値である。

上司、同僚のコメント欄は他人からの評価は高くそこには称賛があり賞がもらえることになっているのだが、それを受け取るだけ許容がないことが自己評価を示す部分に記載されていて点数も異常に低い。

ありのまま受け取るのではなく自分の受け取りたいように受け取る。という現象が見受けられる。

皆さんも経験があるとは思うが、事実を受けいる為には準備が必要である。

彼女から、なかなかスッキリしないとの訴えがあるので、次の段階に進んだ。

その準備の一つが人の心理を研究した結果「八つ当たり」をするとスッキリすることが分かりそれを基に開発された。

固着は凄まじくもはや呪いに近い状態であった。

リアルに人に八つ当たりすると犯罪になってしまうので、その行為をするわけにはいかない。
代わりに「五寸釘セット」を使用する。
こんな言葉もある。

「人を呪わば穴二つ」

【意味】
他人に害を与えれば、必ず自分にかえってくるものである。
他人を呪い殺せば、自分も相手の恨みの報いを受けて呪い殺され、相手と自分の分で墓穴が二つ必要になることから。
「呪わば」は、動詞「呪う」の未然形に接続助詞「ば」が付いたもので、文語的な表現である。
「人を呪えば穴二つ」とも。

だそうだ。

流石に墓穴を二つ用意する事態をさけなければならないので、気持ちスッキリ「五寸釘セット」を用意する。

昔ながら受け継がれてきたという呪いの儀式アイテム。

五寸釘を藁人形に打ち付けて相手を呪う。

打ち付ける方は叫びながら相手の名前、例えば「あっちゃんぷりけー!!」ハンマーを振り上げる。

相手の名前を言えば叫ぶ内容は何でも良い。

本人は喉が相当キツイがスッキリする。

複数いる場合は当然、全員分叫ぶ!!

当然だが呪うなんの効果は微塵もない。

五寸釘セットハンマーを振り上げ釘を打つのだが慣れてないので指を挟みそうになるがグローブは「反撥くん」と呼ばれる金物を近づけさせない。

ハンマーがうまく釘に当たるとセットでついてる丸太に沈み込む感覚と「キーン」と金属音が楽しめる。

まあ、五寸釘を打ち込んでる人はそんなこと考えてはないであろう。

自分の指を挟みそうになるので背中が「ゾクゾク」する。

スッキリとスリルを味わえるアイテムだ。

思考と行動を一致させることができる。

ポイントはやり切ることである。

普通はハンマーを扱い何かを作ることはない、生活で必要なものは揃ってしまうためである。
日曜大工(DIY)という考えはない。

頭に血が上った状態で何かを行うと、どんなことが起こるのかは想像に難くない。

人類のほとんどが頭に血が上った、正気を失った状態なのかもしれない。

さてハンマーでしっかり5寸釘を人形に打ち込んで何か気がついたことをがないかと、聴くと腕のスナップを効かすと普通に叩くより釘の入りが違うと言うことであった。

職人スキルが上がったのかもしれない。

【スッキリしない理由を書き出す。】
スッキリはしないが少し落ち着いたらしく、スッキリしない理由や今どんな気分なのか書いてもらう。

いま、なぜ部長が嫌いなのかが分からないという。
おっさんだから!!
悪口を言われていると思うから!!

とも思っていたのだが、どうやらちがうような気がするとこのとであった。

知識を得て彼女は少し変わったと言う。

人の立場になって物事を考える必要があると思うようになってきたとも言ってきた。

本来持っている冷静さや分析力が上がってきたと思われる。

周りが明るくなったり、部長から嫌味を言われても特に苛つくこともなくなったとも言ってきた。

アポを入れてきた。直接会う前に今すぐ今以上の向上を望むか質問する。

彼女は部長は悪くないことが分かったが、悶々とするのでもう少し自分の精神面を安定させたいと伝えてきた。

向上を願うと言うことが分かったことと、何でも相談志に相談したいとのことなので、質問表を送り返信を貰ってから3日後にカウンセリングの予約がリンリ・ハズ・マモルの意思で決められた。

質問表
Q:あなたはどのような自分になりたいですか?
A:今感じている悶々とした気分を落ち着かせたい。

Q:そのように感じている理由に心当たりはありますか?
A:両親の離婚がきっかけだと思う。

Q:なんでも相談志の衣装に希望はありますか?
A:カジュアルな恋人風。

Q:場所の設定に希望はありますか?
A:海辺のコテージ

Q:仕事の調子はどうですか?
A:効率が上がり、仕事を多くできるようになった。

Q:あなたは自分の向上を信じますか?
A:信じる。

人は今より良くなると思っているしどこかで確信している。

しかし、できない「なんでも相談志」が作られた理由の一つでもある。

目の前にいる人の向上を目指す。

多種多様の人生と言ってもその人の向上は漠然としている。

唯一、漠然としているその人の中だけにある気付きを「なんでも相談志」は発見を促進し解ることにより向上が発生する。

人は自由であり不自由でもある。

それを選択するのはその人自身だ。

極端な話、このことは子供でも知っている。

ただ人は、見たいものだけをみて、聞きたいことをだけを聞く傾向がある。

そして、それは悪いことではない。

その人にとって人生の邪魔にさえならなければという条件付きではある。

結局は人は良くなりたいのである。

さあ、それを見つけに今回の主人公がゲームを始める準備が出来たようだ。

リンリ・ハズ・マモルがカウンセリングルーム4251室の控え室にやってきた。

スーツを着たリアンが出迎える。

そして、リアンがこう伝える。

ようこそ、お越しくださいました。

これより、あなたのゲームのルールを見つけるための準備をします。良いですか?

リンリ・ハズ・マモルは静かにうなづく。

ありがとう。とリアンは答える。

控え室を兼ねた通路を歩いていくうちにセキュリティーチェックが行われている。

相談者は安全の為にボディーチェックを各種センサーでスキャンされる。

相談者には希望に応じて衣装も用意される。

無事にセキュリティーチェックと着替えを終え扉の前に進んで行く、リアンよりでは、あなたの「なんでも相談志」がこの扉を開きます。

自動扉が四方に動きカウンセリングルームの扉が開いた。

お待たせいたしました。と今から一緒に出かけるような服装をしたオオク・キク・タケがリンリ・ハズ・マモルに手を差し伸べる。

嬉しそうにリンリ・ハズ・マモルは問題ないです。今日はよろしくお願いします。とその手を取る。

カウンセリングルームはとにかく大きい。

相談者に窮屈な思いをさせないように幅、高、奥行其々が200mの空間が用意されている。

そこには海辺のコテージが用意され爽やかな潮風かあたりを包んでいる。

リンリ・ハズ・マモルをそのコテージに案内したところ、さらに彼女は興奮している様子で話を聞いた、地球に住んでいた頃に見た風景と同じとのことでしばらく散歩したいとの提案があった。

彼女自身がカウンセリングの準備ができるまで散歩に付き合いときにくつろいでもらうことにした。

リンリ・ハズ・マモルは色々オオク・キク・タケに質問してきた。

カウンセリングルームはどんな仕組みになっているか?

カウンセリングルームは通常の時間軸より時間が遅い。ワープ技術の副産物で決められた空間をある種の異次元(亜空間とも言われる)に留めて置くことができる。

今日、人類の寿命は平均役300年になった。300年になった要素の一つに亜空間航行(超長距離を移動する一つの方法)や睡眠ポッド(快眠できるベッドの一つ使用者は亜空間に身を置くため通常の時間より約半分の時間軸である、そのおかげで倍の睡眠が取れる。)などの影響もある。

暫く、彼女の質問に答えながら散歩しているとコテージに戻ります。と伝えてきた。

コテージに一緒に戻り、お互い向かい合わせでソファーに座った。

ここの空間で良いですか。

貴女の準備は良いですか。

とオオク・キク・タケはリンリ・ハズ・マモルに確認した。

リンリ・ハズ・マモルは準備ができました。

とオク・キク・タケに告げる。

ありがとうございます。

相談の時間です。

オオク・キク・タケはゲームの宣言をした。

相談を始めます。

初めて相談された後と勉強をした後に変化があったとこの質問表に書いてあります。

改めてお話ししてい他だけますでしょうか?とリンリ・ハズ・マモルに問いかけた。

彼女は相談する前は部長や仲間や家族をとても気持ち悪く思っていた。何をやるにもケチをつけてくる。なんとかしてうまくやろうとしても彼らとコミュニケーションがうまくできない。

それは自分にも原因があることは分かっているが、どうしようもないくらい既に手詰まりになっていた。

倫理観を学ぶ人権の学習をして気がついたことがいくつかあったそうだ。

それは、相手の身になってみることが大切であること、観察することから始めることが大切であることだった。

しかし、観察すればするほど相手の悪いところが気になってたまらない。

だいぶ落ち着いたとはいえ中々、相手のことを思いやることができないのが人間の性でもあるようだ。

聞き進めて行くと両親の離婚の話になった。

まるでドラマのようなよく聞く人生の典型だと彼女は嘲笑いながら話をしてくれる。

父、母、兄、そして彼女と犬.4人と一匹、過去に何回か国の名前が変わった過去を持つ地域で特区に指定されている場所に住んでいた。

彼女か10歳の時に戦争が起きた。

15歳だった青年兵として軍に取られてしまった。

その頃から父親が酒に浸るようになった。

父や母が勤める電子部品の会社に政府の立入検査が入った。

母はすぐ帰ってきたが、父が中々帰ってこなかった。

三か月後に父が帰ってきたが、まるで別人のようになっていた。

多分ひどい拷問を受けたのだ。

父は酒を煽り気がつくと母を殴りリンリ・ハズ・マモル彼女も殴るようになった。

父親は殴りながら訳の分からないことを言っていた。

言葉よりも優しかった父親がおかしくなった方が辛かったようだ。

人の不幸を望む神が世の中にいるようで、彼女が12歳の時に兄が戦死したと連絡があった。

父の暴行が酷くなり、母が彼女を連れて家を出たのはその半年後そして彼女が13歳の頃両親は離婚父は手紙をかける状態ではなかったが彼女との手紙のやり取りは離婚条件の中に母が盛り込んだようだった。

会社は国の一部となり母はそこで仕事をして彼女を育てていた。

ある日、父から手紙が送られてきた。

軍から人体改造に同意するなら入隊でき人の役に立てるとの内容だった。

そして、改造前の痩せ細った父の姿、改造後の写真が送られてきた。

本来はこんなものは送られてこない。

最後になるからと軍が見せられる最低限の姿がそこにあった。

人の形をしているが生身ではないことがシルエットからも理解できる。

その腕には決戦兵器No.2546_MAMORUと書いてある。

決戦兵器とは、人生の落伍者とされる人々をかき集めて人体改造を施し敵陣に突っ込み戦闘を行う特攻兵器であり人間核爆弾である。

人によってだが、この決戦兵器はしあわせな家族との日常の幻想を脳に投影してそれを守るためと特攻をさせる。

父が入隊して1年後の事だった。

軍の女性士官が彼女たちを訪ねたいとの連絡が母親の会社に入った。

軍の仕事も請け負っていた会社なので、働き手の男性は従軍している人が多かった。

福利厚生の一環として何かあれば自由に使える部屋がある。

離婚していても、元家族であり国のために仕事をしてくれているのでとのことのようだ。

リンリ・ハズ・マモルは14歳になっていた。

どのような話かは母の様子を見るまでもなく察していた。

母はわざわざお越し頂かなくてもと言ったが、是非お嬢様にもお伝えしたいことがあるとこれはケジメなのでどうかご理解下さいなどさらには会社が時間を作ったこともあり、女性士官と会うことになった。

内容は父の3階級特進と武勇伝と遺族基金の受取についてだった。

父からのメッセージから始まった。

手術を受ける前のメッセージからだった。

久しぶりだね。2人とも仲良くやっているかい。私はこんな姿になってもまだ生きているよ。

痩せ細った父の姿にリンリ・ハズ・マモルは言葉が出なかった。

母の姿を見ると動揺することなく話を聞いていた。

父親のメッセージは続いた。

驚いてるかもしれないが、みっともない姿から変われるとの話をもらって受けることにした。次にメッセージを伝えるときはカッコ良くなっているはずだ。

笑いながら手を振って画面が切り替わった。 

女性士官が見せられないところが多いけどそのまま続けますね。断りを入れてきた。

血色の良い昔の父の頭が画面に映し出された。

身体は腕を残してモザイクが掛かっている。

以前送られてきた写真と同じだった。

鎧を着ているようにも見えた。

メッセージが続く。

機械の体を手に入れたよ。

会社の部品も使われているのかな。

(この話をしているリンリ・ハズ・マモルの目には涙が溢れている。それでも話し続ける。)

2人には苦労を掛けっぱなしだね。

改めて、2人がこれを見る頃には私はこの世にいません。

しっかり勤めを果たしていると思っているんだけど、果たしたかどうかは、この世にいないので分かりません(笑)

苦労をかけた分に見合う分になるかは分からないけど2人の生活やリンリの教育費に当ててくれると嬉しいです。

では、今日出撃の命令が出たので行ってきます。

色々ごめんなさい。ありがとう(笑)

そこで、ビデオレターは終わっている。

女性士官がお父様の武勇伝をお伝えさせて下さいと一言伝えると、軍部の放送でご存知かもしれませんが、戦争を左右する一撃をお父様の部隊は敵陣に与えました。

人間を改造して特攻させる、これはその戦争に対して敗戦が近いことを物語っていた。

大成功したと言われる作戦を立案したのはリンリ・ハズ・マモル父親だった。

軍部の放送では部隊を3つに分け各拠点に勇猛花冠に特攻して敵の基地を破壊したが爆発に巻き込まれ戦死したとなっているが、今晩「真実を今伝える本当の大勝利」とのタイトルで放送される内容をいち早くお伝えします。と女性士官が続ける。

楽しくない内容だが英雄の元家族は聞くのが義務らしい。

軍事力を敵陣営と同じにするためには、5つの拠点を壊滅的にする必要があった。

そこで、リンリ・ハズ・マモルの父親は自分と同じ境遇の人を募り部隊を作った。陽動は2名斬り込みは1名残り2名は動力炉と武器庫を破壊する。

ごく普通の生活をしていた人々が突然犯罪者扱いされ気がつくと奈落に落とされる。

そんな彼等の夢は人生を取り戻したい。家族の役に立ちたい。認められたい。

目の前に現れたのが人体改造をして人生を取り戻そうと書いてある広告である。

藁にもすがる思いでその広告を読み人体改造の切符を手に入れる。成功確率は低く10人に1人は死んでしまうだが彼等はそこに行く人生を取り戻すためにどちらにせよ今のままでは死んだのと同じだからである。

そして同じ境遇であれば団結は硬い。

敗戦に向かっているならせめて軍事力を均衡に持っていければ一方的な蹂躙を受けることはない。

そのことをリンリ・ハズ・マモル父親は仲間に伝えていた。

戦争は狂っているが所詮政治の一部である。

そして作戦は決行され40億人の人命とともにリンリ・ハズ・マモル父親と仲間達は光の中に消えていった。

結果、有利に停戦交渉を進めるための一撃になったようだ。

1人殺せば人殺し1万人殺したら英雄というおかしな次第であった。

そうそれはまさしく狂気の宴であった。

女士官はまるで見てきたかのように武勇伝を語り終えると、父親の階級と遺影と遺族基金の支払いの方法を丁寧に説明して帰った。

リンリ・ハズ・マモルの母は何かに気がついているようだった。

2年の月日が流れリンリ・ハズ・マモルと母親は英雄とジェノサイドの名を持つ父親のことで悩み苦しめられていた。

父親達のおかげで戦争に敗北することなく和解という形で有利な条件で停戦交渉を進めることができた反面、少なくとも40億人の人命を奪ったことも事実である。

リンリ・ハズ・マモルの母親はそのあまりの衝撃に病気になり半年前から寝たきりになっている。

リンリ・ハズ・マモル自身も周りから辛く当られたりして大変な思いをしているが気丈に母の看病をしていた。

そして、彼女が17歳の春に母が他界した。

友人の1人でもいれば相談などもできたのだろうが、ただ、彼女には友人と呼べる仲間がいなかった。

お金はあった父親の遺族基金と母の生命保険で数億持っていた。

今も昔も未来もあって困らないものはポイント(お金)のようである。

英雄とジェノサイドの娘であるリンリ・ハズ・マモルは静かに生きるために身を隠すことにした。

人の噂も75日というが父が亡くなってから暫く経って終戦を迎えた、彼等の活躍もあり国は存続し蹂躙されることはなく平和は日々が人々に戻ってきた。

もちろん、戦争の爪痕は多く残っているので、復興のために仕事が人々に供給され俗に言う、復興特需が全世界を賑わせた。

その戦争の原因になった新しい惑星の開拓と移住が進んでいた。

リンリ・ハズ・マモルは大学を飛び級で卒業し、惑星開発の行政機関と民間団体の間を繋ぐ仕事に着くことになった。

この時代の飛び級は珍しい事ではない。開拓時代に突入したから人類が惑星から宇宙で生活するために進化をしているのではないかと言われている。

一般的にはそこでは優しい人たちに囲まれながら仕事をすることになる。

そして、仕事をする中で彼女は自分の家族が崩壊してしまった理由を知ることになる。

惑星開拓や復興のための事業は国から民間に流れる。その中で父親と同型のサイボーグ元兵士の活躍は死と直面してきたためであろうか尋常ならざるものがあった。

精神面では英雄とジェノサイドの娘で人々からの蔑まれる視線を気にしなくなるまで擦り切れそうになりながら人生を送っていた。

ある時、その異常な日常に終止符が打たれる。

父と同じ部隊で作戦には参加できなかった元サイボーグ兵士による内部告発による真実が発信された。

元サイボーグ兵士は同じような境遇の人々が集まり部隊にいるのに不信感を持っていた。

特攻して命を散らしていく仲間を多く見てきた。

そんな中リンリ・ハズ・マモルの父は彼に任務と称して調査を命じていた。

軍部に拘留された人々の全員が冤罪であること、全て仕組まれた事であること、その家族の母親は全員死亡している。

しあわせな家庭は軍部が壊し、機械化部隊も仕組まれて編成されたことも後日の戦後、暴露話はエビデンス共に発見された。

全て嘘で塗り固まれそれに巻き込まれた人生、そしてそれは作りかげられたこと、戦争如きで家族を壊された。

優しい両親を奪い家族を失った原因が運命ではなく仕組まれたことだった。

衝撃を受けた彼女は立っていられないぐらいの状態であったという。

リンリ・ハズ・マモルは泣きながら続けた。

支えが必要であった。

そんな時、職場の男性が優しくしてくれた。

バーで飲んでいるとその男性がやってきた。

いつもはそんなに酔わない飲んでも酔えないのにその日はそのままその男性と一夜を共にした。

人類の8割がアルコールの勢いで誕生いていると言われている。

とても優しく気遣いもできて、よく彼女の話を聞いてくれたそうだ。

彼女の人生にも春がやってきた。

将来を夢見るようになっていた。

リンリは可愛いね。

笑顔が素敵だね。

大好きだよ。

付き合う前の彼女であれば、あまりの歯の浮く言葉に呆れてしまっていただろうが、恋をすると人は変わるもののようだ。

幸せフォルモンが出続けている状態。

もう、プライベートは有頂天になってしまう。

まあ、当たり前のことではあるのだが、仕事も当然上手くいく。

そしてある時、人事の資料を見た時に彼女は知ってしまった彼には妻子がいることを知った。

それは、禁断の恋である。

彼女は裏切られた。

彼の妻が彼女の自宅をご訪問、その後は絵に描いたような修羅場になり、その男性と別れる運びとなった。

同時期に彼女はアフロディーテへの転勤が決まった。

それ以降のプライベートは完全に崩壊した。

彼女には人類に対する悪意が生まれた。

近づいてくる男性に関しては誠意であれ悪意であれ一夜を共にし彼等の精神を潰す。又は彼らに精神的に寄生する。

幸せから不幸に転落した者の恨みは凄まじい。

人は愛ゆえに、恨むのだろうか。

彼女の八つ当たりは凄まじかった。

人の隙を見つけては人の嫌がることを突いて彼女は人を遠ざけていた。

仕事はかなりできた。

人を馬鹿にすればするほど人を傷つければ傷付けるほど孤独にはなるが、仕事は飛ぶようにできた。

それは、彼女の恐怖政治ある種の脅しによりなし得た事だった。

悪行の全てを彼女はオオク・キク・タケにさらけ出した。

男が憎いみんな性欲の塊でやりたいだけだ。

仕事のやり方が汚い。

父親は馬鹿だ!

家族を捨てるなんてとんでもない!

母親も馬鹿だ!

男は女を利用する。女が男を利用して何が悪い。

彼女の闇を感じる、彼女の世界は荒んでいた。

復興や惑星開拓のおかげで仕事はありそれがなければ人を呪い殺してしまいそうになる。と続けた。

そして、彼女は自分を責め始めた。

自分が嘘つきだ。

人の愛し方がわからない。

好きだったのに騙されるように誘導しているのは自分だ。

その人を助けたいのに助けられない。

少し間があった。

オオク・キク・タケはわかりました。と理解を示して何か他に伝えたいことや気が付いたことはありますか?と続けた。

彼女は突然思い出したように話し始めた。

あ、子供の頃父親と母親の手伝いをしょうとして買い物袋を持って歩いていたら両親に取り上げられた。

あれ⁈

そうだったんだわ!

色々面白い(笑)

心の凝り固まったなにかが吹き飛んだ!と伝えてきた。

彼女は笑い続けている。

そして、次から次へと発見をする。

自分の悪行について気が付かなかったフリをしていたこともその原因が子供の頃見たTVドラマからの影響だった。

喜怒哀楽チェッカーな徐々にグリーンなりつつある。後一歩で彼女は人生ゲームのルールを発見しそうだ。

さらなる告白は続いた。

あ、私二股不倫してんるです。

これはやめたほうがいいと気づきました(笑)

だって人を不幸にするってことは自分も不幸になるってことですもんね。

オオク・キク・タケは良いですね。と受け答える。

部長とも別れます。綺麗な奥さんがいるからムカついてたんですよ。

私、家族が壊されたからみんな壊れちゃえって思ってました。
仕事は真面目にやってたんですけどなんか馬鹿馬鹿しいって思ってました。

ひとの家庭を壊しても、
そんなこと思っても無駄だ意味がないって気が付きました。

オオク・キク・タケは素晴らしい。と受け答える。

なんだろう、あ!!

オオク・キク・タケは興味深い。どうされました?と聴いてみた。

私気がついたんです、両親を子供の頃お手伝いして役に立ちたかったのに助けたかったのに助けられなかったことが大元の原因だって理解しました!!

彼女が同じ内容のことを発言しても、
オオク・キク・タケは、なるほどよく分かりました。と答える。

リンリ・ハズ・マモルは冷静になっている。その姿は命の輝きに満ちている。まるで女神のようだ。

喜怒哀楽チェッカーはオールグリーン120%を示している。

オオク・キク・タケはあなたの人生ゲームのルールを宣言して下さい。とリンリ・ハズ・マモルに伝える。

人生ゲームのルールは「人は人を助けたり、助けられたりしているうちは生きていける。」そして私は倫理観を取り戻しました。

素晴らしい!!
ありがとう!!
あなたの新たな人生ゲームのルールの宣言を承りました!!

相談を終わります!!とオオク・キク・タケは終了の決め台詞を伝える。

リンリ・ハズ・マモルの目の輝き、肌の艶、髪の毛の張りが蘇っていた。

何より彼女から湧き出す魂と言えば良いのかその力の回復をしっかり感じることができた。

オオク・キク・タケも同じように力を取り戻したような感覚に包まれている。

これだから、なんでも相談志は辞められないのかもしれない。

人生はゲームである。この世はまるで人々が囚われているような感覚で満たされている。

そんな人の呪縛を取り除くことができる唯一の職業がなんでも相談志である。

リンリ・ハズ・マモルから別れ際に、オオク・キク・タケさん私と付き合いませんか?と言われた。

少し困っていると、サポートロボットのリアンが答えた。

リンリ・ハズ・マモル様とても素晴らしいご提案ですが、オオク・キク・タケ様には心に決めた方がいらっしゃいます。

どうか、ご理解いただけると嬉しいです。

リンリ・ハズ・マモルは少し残念がって、身辺整理ちゃんと終わらせて落ち着いたら、また連絡します。

その時はリアンさんも一緒に食事ぐらいは付き合ってください。と言って帰って行った。

オオク・キク・タケは告白を受けることが最も多いなんでも相談志である。

リアンがその都度助ける。いない時は如何していたのだろうと疑問に思うがちゃんと断っていたようだ。

男女ともに誠意のある営みが必要な時代でもあるようだ。

さて、リンリ・ハズ・マモルのその後は本気で身辺整理を行ったようである。

誠意を示し自分の行い悔い改めた。

傷付けた人々に誠心誠意を持って懺悔を行い。共に生きる街に同意をえた。

そう簡単ではなかったが結果的に、仲間たちの信頼を取り戻し、さらに会社を辞めないで不倫を辞めた。

その結果不倫相手の部長からの攻撃がなくなった。

その部長も出世して別な惑星に移動した。

リンリ・ハズ・マモルの思い込みであった社内の嫌がらせも無くなり、今までの10分の1の気遣いで仕事が進められるようになった。

何より、リンリ・ハズ・マモルに近づいてくる男性の質が変わった。

優しくて、将来性があって、お金も持っている。

夢のような男性ばかり現れるようになった。

リンリ・ハズ・マモルは十分に働いて生産力は凄まじくなった。

嫌味も悪口も不倫もしなくなった彼女は周りから見ればまるで別人のようになったのだろう。

彼女は諦めた付き合いをする必要がなかった。

少なくても10年はモテ期は続きそうだ。

初めは彼女の精神面も周りも良い状態に慣れるまでは少々の時間は要したが、誠意と行動は最悪の事態を最良の状態に変化させた。

さらに彼女は周りの人達や同僚とのバランスを取るのが本当に上手くなった。

彼女が立案した関係各所への懺悔巡業が功をそうしたのかもしれない。

仕事、プライベート(今は彼氏はいない)は充実している。

友人からも本当に変わったと言われている。

今や毎週、合コンにパーティーに呼ばれ、無料のお酒と素敵な料理を交通費のみで頂いている。

リンリ・ハズ・マモルからのメールに書かれていた。

そして、いつ食事行きますか?と書かれていた。

どうやら彼女は本気のようである。

まあ、それも時間が経てば情熱は覚めるだろうし、新しい素敵な人が現れるだろうとオオク・キク・タケと思うのであった。

リアンがリンリ・ハズ・マモル様はオオク・キク・タケ様のタイプでしたね。と悪戯に笑った。

時々ロボットであることを忘れてしまうような表情をする。

そうだね、
彼女は僕のタイプかも知れないね。オオク・キク・タケは答えた。

リンリ・ハズ・マモルさんと食事に行った方がいいかなぁとリアンに聞いてみると、オオク・キク・タケの選択に掛かっています。とのことであった。

オオク・キク・タケはリンリ・ハズ・マモルからのメールの返信をしてリアンにお昼のメニューを質問し端末を閉じた。

リアンはメニューを伝え、食事の準備が整ったことを伝えた。

オオク・キク・タケ新しい人生のルールを手にした彼女の将来が明るいことを確信しながら席を立った。

彼女は自由を得たのである。

ケース3_1

オオク・キク・タケは

「なんでも相談志」である。

彼ら、「なんでも相談志」の目的は、

ストレスに苛まれる

人々をただ聞く技術で助けること。

相談者自身が自分のルールを

手にすることを助ける人々のことである。

そして、

彼らはその仕事を誇りを持って実行している。

一番幸せなのは彼らなのかもしれない。

【おしまい】

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